スタートアップ「不毛の地」になぜ?愛知に巨大施設、狙うはシナジー
国内最大のスタートアップ(新興企業)支援拠点「ステーションAi」が名古屋市内で31日に本格開業する。愛知県が巨費を投じる肝いりの施設で、既存の大手企業の技術などとスタートアップがもつ新しい技術やビジネスモデルを組み合わせて、イノベーションの創出をめざすという。
施設は名古屋市内の中心部にある鶴舞公園南側の県勤労会館跡地に約156億円かけて整備された。地上7階建てで延べ約2万3600平方メートル。3~5階のオフィスフロアは、仕切りのない机を複数配置。固定席だけでなくフリーアドレスのエリアもあり、他の起業家や企業とも交流しやすいよう工夫した。施設の中央部は吹き抜けになっていて、各フロアがスロープでつながるなど、開放感を意識したつくりになっている。
オフィスだけでなく、3Dプリンターや工具が使えるテックラボや、新規事業の発表会などができる会議スペース、託児所やフィットネスジムなども整備。会員以外も利用できるカフェやホテルも入る。県ゆかりの創業者を伝える「あいち創業館」も11月にオープンする予定だ。
施設には、開業時点でスタートアップ約500社が入居する予定。5年後には1千社にすることを目標にしている。新規事業での協業を期待するパートナー企業として、トヨタ自動車やコメ兵ホールディングス、中部電力、ノリタケといった企業約190社や、名古屋工業大や南山大などの教育機関、愛知県豊橋市や岐阜市などの自治体も参画する。
運営はソフトバンクの完全子会社が担う。1日にあった内覧会で、大村秀章知事は「世界レベルの施設ができた。日本のイノベーションを押し上げ、ここをアジアのスタートアップのハブにしたい」と意気込んだ。
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