衆院選の在外投票、ハードル高く ネット投票導入求める声も
27日投開票の衆院選に向け、海外に住んでいても国政選挙に投票できる「在外投票」が実施されている。外務省が少しずつ手続きの利便性の向上を図っているが、海外ならではの苦労も多く、ネット投票の実現を期待する声が根強い。
日本政府は今回の衆院選で、231の大使館や領事館といった在外公館に投票所を設営。投票期間は公示翌日から投開票の6日前までで、今回は最長でも16日からの6日間。イランや仏領ニューカレドニアなど2日間しかない地域もある。現地の情勢が悪化しているレバノンやスーダンなどでは投票所の設置を見送った。
海外の有権者は、①在外投票②郵便投票③日本に帰国して投票、という三つの方法で国政選挙に投票できる。郵便投票は投票用紙を日本の市区町村の選挙管理委員会に国際郵便で請求し、届いたら返送するやりとりが必要だ。2021年の前回衆院選では新型コロナ禍による国際郵便の遅延もあって、投票用紙を送っても間に合わず「棄権」となるケースが一定数みられたという。
在外投票だと時間が短縮できるが、国によっては居住地から最寄りの在外公館までが遠く、移動に往復1日以上かかる人も。投票用紙は外務省職員が手持ちで飛行機に乗って日本へ持ち帰ることが必須で、現地で人手が足りない場合は、日本から職員を派遣することもあるという。
外務省は、投票の前段で必要な在外選挙人名簿登録の簡素化を進めている。2022年に在外公館で行っていた本人確認をビデオ通話で出来るよう変え、窓口に提出していた登録申請書などの書類もメールで送信できるように。今年7月には、在外選挙人証の申請も一部デジタル化した。申請から届くまで「数カ月かかることもあったが、最短で1週間に短縮できたケースもあった」(外務省幹部)という。ただ、前回の衆院選では、18歳以上の在留邦人のうち、投票したのは約2%にあたる2万人弱とされ、ハードルは依然として高い。
そこで期待されるのがネット…
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- 【視点】
「投票用紙は外務省職員が手持ちで飛行機に乗って日本へ持ち帰ることが必須で、現地で人手が足りない場合は、日本から職員を派遣することもあるという」ということに驚きました。なんという無駄でしょうか。 投票用紙という紙になにか神聖な価値があるわ
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