きらびやかな経歴はない。壁にぶつかり続けた人生かもしれない。
ロスジェネ世代の悲哀に苦しみ、仕事を転々。一時はネットカフェ暮らしをしながら「ボカロP」だったこともある。
そんな異色の候補者が衆院選に挑み、比例復活当選までもう少しの所に迫る長い夜を過ごした。
夢は俳優だった
山形2区から立候補したれいわ新顔の二藤部冬馬氏(42)は27日、山形県大石田町の自宅で開票速報を見守り続けた。小選挙区では、全国の投票が終わると同時に自民前職で農水副大臣でもある鈴木憲和氏(42)に当選確実が報じられた。
その一方で、比例東北ブロックで、れいわが1議席を獲得。東北の小選挙区にれいわから立候補したのは二藤部氏と宮城4区の新顔だけで、復活当選の可能性が出ていた。
自宅でかたずをのんで見守った開票速報。1万5811票を獲得し、惜敗率では宮城4区の候補を上回った。しかし、獲得票が比例復活当選の要件である小選挙区の有効投票総数の1割に約3千票足りなかった。れいわの比例議席は、比例単独で立候補していた名簿順位下位の候補者に回った。
選挙事務所がないため、深夜の自宅に集まった支援者に「ご協力していただいたのに、思う結果にならず申し訳ありません」と頭を下げた。
日々の暮らしもやっとだった二藤部氏が選挙に出たのはなぜか。
子どもの頃の夢は俳優だった…
- 【視点】
これは「ネット上の知名度と現実影響力の相関、そして自己演出のありかた」というものを考えさせる話でもある。「ミクさんには政治の歌を歌わせたくない」とはいうが、正直、政治家とボカロPの相乗効果的な要素がないと、どれだけ誠実であっても情報の海に埋
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