谷川俊太郎さんが校歌で残したかった言葉の数々 学校に根付いた思い
詩人の谷川俊太郎さんが13日、92歳で死去した。谷川さんは、全国各地にある学校の校歌の作詞を多く手がけたことでも知られる。谷川さんが子どもたちに贈った言葉は、それぞれの学校で大切にされている。
♪かんじる ゆめみる といかける(省略)えらいひとになるよりも よいにんげんになりたいな――。
あたたかい言葉が紡がれているのは、京都市にある同志社小学校の校歌だ。2006年の開校を前に、谷川俊太郎さんに作詞を依頼した。詩の世界観と同校の教育理念が合うと考えたほか、谷川さんの母が同志社女学校(現・同志社女子大)の卒業生という縁もあった。
副校長の石川博三さんは「やさしい言葉で、親しみやすい。子どもたちも楽しく歌っている。そして大人にとっても、かみしめればかみしめるほど心に響く。私も大好きな校歌です」と話す。
開校10周年の記念式典にも谷川さんはかけつけた。「一方的に話す講演はしないけれど、子どもたちと対話する形なら」と引き受けてくれた。子どもたちの話に「そうか、そうか」とうれしそうに耳を傾けている姿が石川さんの印象に残っている。
谷川さんは歌詞に込めた思いも改めて説明してくれた。子どもたちの活躍を楽しみにしている思いがあるとしたうえで、「えらいひとになるよりも よいにんげんになりたいな」の一節は「自分が大好きな言葉を使いました」と語ったという。
今では、学校を紹介する外部向け冊子の表紙にも書かれる言葉となった。石川さんは「これからも、いただいた言葉を大切に子どもたちと歌い継いでいきたい」と話した。
「校歌だからこそ意識して使った」
2016年に京都市立の洛陽工業高校と伏見工業高校が統合・再編して開校した京都工学院高校も谷川さんが作詞した校歌を歌う。
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