イスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状 国際刑事裁判所、戦争犯罪容疑

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エルサレム=森岡みづほ 高久潤
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 パレスチナ自治区ガザでの戦闘をめぐり、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は21日、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相、イスラム組織ハマスの軍事部門トップ・デイフ氏に、戦争犯罪や人道に対する犯罪の容疑で逮捕状を出したと発表した。

 イスラエルはICCに加盟しておらず、2人の逮捕に応じる可能性はほぼないが、国外への移動に制約が課されることになり外交面にも影響が出る。イスラエル側はICCの決定に猛反発している。

 発表によると、ネタニヤフ氏とガラント氏は、ガザの市民に対して、食料や水、医薬品など生活に必要不可欠なものを意図的に供給せず、国際人道法に違反した疑いなどがある。

 イスラエル首相府は21日、ICCについて「差別的な政治団体だ」としたうえで、逮捕状発行について、「反ユダヤ的な決定だ」と非難する声明を発表した。

 ICC検察局は5月20日…

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この記事を書いた人
森岡みづほ
ヨーロッパ総局|北欧・NATO・ICC・ICJ・国連担当
専門・関心分野
人の暮らし、歴史、防衛
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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2024年11月21日22時46分 投稿
    【視点】

    イスラエルという、アメリカと極めて緊密な関係にある国家の首相と元大臣に逮捕状が出されたことは、ICCの歴史に照らしても画期的だ。これまでICCには、逮捕や起訴の対象がアフリカなど非西洋に集中してきたことから、「西側の価値観の押し付け」「新た

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2024年11月22日9時17分 投稿
    【視点】

    アメリカが政権交代で強く出られないタイミングで出したのではないか、などと勘繰る向きもあろうが、何にせよ国際的ルールの維持には出したこと自体が重要だと思う。

    …続きを読む
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