ヒグマ駆除の猟友会依存が限界 期待の「職員ハンター」には課題も

有料記事ヒグマと暮らす

古畑航希
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 「さぁ、行きましょうか」

 北海道の中央にある占冠村。村には、雲海で有名なリゾートホテルもあり、近年は観光客も多く訪れる。同村の野生鳥獣専門員、浦田剛さん(47)は、ヒグマ駆除も行う職員で全国でも珍しい存在だ。

 7月下旬、ライフル銃やクマスプレーを携え、車に乗り込んだ。

 人口約1400人の村は、94%が森林地帯。人とヒグマの生息地は決して遠くはない。車の中から、道路脇に注意を払う。踏み荒らされた植物はないか。不自然に崩れた縁石はないか。

 「前にパトロールした時と異なる痕跡があればクマかもと疑います」

 浦田さんが、鳥獣対策専門員になったのは2017年。地域おこし協力隊員として移住し、その後、村がエゾシカの駆除を強化することになり、職員に採用された。

浦田さん中心に啓蒙活動も

 それまで猟友会のボランティアに頼んでいたクマの駆除も、浦田さんが中心となった。

 町の担当者は「浦田さんのお…

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