米軍池子住宅地区の進入路、30日に返還へ 防衛省が逗子市に伝達
神奈川県逗子市の米軍池子住宅地区にある道路(約0.25ヘクタール)が30日に返還される。防衛省南関東防衛局が29日、市に伝えた。同市では1978年に第一運動公園に隣接する旧池子弾薬庫マイクロ通信施設(約0.13ヘクタール)が返還されて以来、46年ぶり4カ所目となる。
返還されるのは、米軍住宅の隣接地に市が2001年に整備した逗葉地域医療センター・逗子市保健センターへの進入路(車道210メートル、歩道160メートル)。日米で共同使用し、市道として管理されている。
ただ、医療センターは葉山町も含めて唯一の休日夜間診療拠点だったことから、米側の事情に左右されずに安定して通行できるように市が02年に返還を要請し、22年に両政府が返還を合意。今年8月の日米合同委員会で11月30日までに返還されることが決まっていた。
南関東防衛局によると、30日付で国に返還され、翌12月1日付で道路法に基づいて市に譲与される。
米軍池子住宅は、隣接する横須賀市の米海軍横須賀基地が1973年から米空母の母港となったこともあり、艦艇の乗組員とその家族らの住宅需要が急増したことから建設計画が浮上し、98年までに広さ約288ヘクタールの住宅地区が整備された。
ただ、80~90年代に反対運動が起き、切りひらかれた森の全面返還を求める「市是」として引き継がれている。2014年に住宅地区の一部(約40ヘクタール)で日米の共同使用が始まり、15年に池子の森自然公園が開園した。
今回の返還について桐ケ谷覚市長は「46年の歳月を経て、市制70周年の記念の年にふさわしい決定がされた。返還地を含む土地は、多くの市民の思いが詰まった場所。当面の目標である共同使用地約40ヘクタールの返還にも引き続き取り組んでいく」などと話した。
県内の米軍施設をめぐっては、横浜市が横浜港の瑞穂埠頭(ふとう)の一角にある「横浜ノース・ドック」の早期全面返還を求めているものの、今年2月に新たに小型揚陸艇部隊の運用が始まっている。
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