AIのダブル受賞が意味するもの ノーベル受賞者と科学、負の歴史も

有料記事科学とみらい

竹野内崇宏 野口憲太
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 12月10日に授賞式が開かれる今年のノーベル賞は、物理と化学の2賞がAI(人工知能)研究に贈られる。科学界に「AIの時代」が訪れたことを意味する一方、ノーベル委員会はリスクへの警鐘も忘れなかった。

 「AIやAGI(汎用人工知能)は、人類がこれまで手にした中で、最も有用なテクノロジーになる可能性がある」

 11月20日に都内で開かれた慶応医学賞の授賞式。英グーグル・ディープマインドCEO(最高経営責任者)のデミス・ハサビス博士(48)は、AIがもたらす影響の大きさについてこう語った。

 ハサビス氏は、たんぱく質の立体構造を精度よく予測するAIソフト「アルファフォールド(AF)」シリーズを2018年から相次いで発表。ひも状に連なったアミノ酸がどのように折りたたまれるのか、という50年来の科学の難問を解決に導く成果を出した。今年のノーベル化学賞を受賞する。

 ノーベル委員会は10月の発表で「科学研究の新時代を切り開く成果だ」と評価した。

 物理学賞は、1980年代に基礎が築かれた機械学習というAI研究そのものに初めて贈られる。

「科学の変化を認める。さすがはノーベル賞」

 受賞者の一人、カナダ・トロント大のジェフリー・ヒントン名誉教授(76)は、その後の2012年の論文で「深層学習(ディープラーニング)」を用いてAIの画像認識を飛躍的に向上させられることを示した。「AIの父」とも称される。

 AIのダブル受賞は何を意味するのか。

 政府のAI戦略会議の座長を…

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    サンキュータツオ
    (漫才師・日本語学者)
    2024年12月31日20時54分 投稿
    【視点】

    素晴らしい連載でした。こういう記事が読めるのが新聞の良いところです。 松尾教授のおっしゃった<「ノーベル賞が新しい科学の形を認め、これから広がるAIを使った研究の側に旗を立てた。時代を読み、勇気を出し、変化が起きる側に賞を贈る。さすがはノ

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