第7回「臭い!」といわれる滋賀の伝統食 ふなずしの癖を抜く新たな試み
1千年以上の歴史がある「ふなずし」には「くせが強い」というマイナスイメージがある。だが滋賀では昔から親しまれる伝統食で、海外でも「和のチーズ」と評されるなどファンも多い。若い世代が食べてくれないことに危機感を持った作り手たちが、今、新しい食べ方を提案している。
2011年、滋賀県水産課が県民282人から回答を得たアンケートに、「ふなずしのイメージを教えてください」という質問がある。半分以上の146人が「臭い」と答え、「おいしい」の81人を大幅に上回った。
「チーズのようだ。前菜に良い」
一方、海外では、違う反応があった。国連食糧農業機関(FAO)は22年7月、「森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」を世界農業遺産に認定した。琵琶湖と共生する持続的な農林水産業の仕組みが評価された。県農政課の岡村貴司さん(46)は23年5月、イタリアで開かれた認定証の授与式に参加。試食会で日本から真空パックで持ち込んだ「ふなずし」3パックを食べてもらった。不安もあったが、匂いを嫌がる外国人はいなかった。「チーズのようだ。前菜に良い」と好意的な意見が相次いだ。フナと一緒に発酵したお米の部分も含め、すぐ品切れになった。岡村さんは「おいしそうに食べてくれてうれしかった。日本人は匂いに敏感だと思う」と振り返った。
ふなずしとは、フナを塩とご…
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