ドイツのクリスマスマーケットに車が突入 2人死亡、68人けが

ベルリン=寺西和男 ロンドン=藤原学思
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 ドイツ東部マクデブルクで20日夜、クリスマスマーケットを訪れていた群衆に車が突っ込んだ。ザクセンアンハルト州のハーゼロフ州首相によると、幼い子どもを含む2人が死亡し、68人が負傷した。警察は車を運転していた男を逮捕し、動機を含めて詳しい背景を調べている。

 負傷者のうち15人は「極めて深刻な被害を受けた」といい、今後死者が増えるおそれがある。在独日本大使館によると、現時点で邦人が巻き込まれたとの情報はない。

 ドイツメディアによると、車は猛スピードで群衆に突っ込み、少なくとも400メートルにわたって走行。地元行政幹部は今回の件を「攻撃」と述べており、故意に起こされた可能性がある。単独犯とみられる容疑者の男は2006年からドイツに住み、永住許可を持つサウジアラビア出身の医師。公安当局の監視対象にはなっていなかったという。

 サウジアラビア外務省は事件を非難し、ドイツ国民や被害者家族への連帯を示す声明を発表。「我が国は暴力を拒絶する立場であると断言する」としている。

 ドイツではこの時期になると、各地の中心部など3千カ所でクリスマス雑貨や飲食物を売る出店が集う。20日はクリスマス前最後の金曜の夜ということもあり、マクデブルクも多くの家族連れでにぎわっていた。

 ドイツでは過去にもクリスマスマーケットが標的にされてきた。16年12月にはベルリンで、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓った男が大型トラックを突っ込ませ、12人を殺害した。フェーザー内相は先月、具体的な脅威はないとしつつ、クリスマスマーケットで「厳重な警戒」をするよう呼びかけていた。

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この記事を書いた人
寺西和男
ベルリン支局長
専門・関心分野
欧州の政治経済、金融、格差、ポピュリズム
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論