バイトに奨学金、下がる成績 東京の大学、減る地方出身学生の苦悩

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本間ほのみ
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 東京都内の大学に進む地方出身の学生が減っている。

 全国の2割近くの大学が都内に集まるが、近年の家賃や授業料の高騰が背景にあるとみられる。アルバイトで生活費を稼ぎ、奨学金のために成績も落とせない。

 「失敗できない毎日」と不安が漏れる。

アルバイトで生活費を稼ぐ

 「成績が落ちたらどうしよう、家計はどうなるんだろうと不安に襲われます」

 群馬県出身で、都内で一人暮らしをする女子学生(19)はそう話す。

 生活費は、週3日のカフェでのアルバイトと、週1日から勤められるNPOの有給インターンで稼ぐ。月に計5万円弱の収入になる。

 母子家庭で、家計は裕福とはいえない。進学はあきらめようかと考えたが、母が背中を押してくれた。

 高校の国語教師をめざし、国公立大を狙ったが成績が届かず、県内の私大にはない希望の学部があった日本女子大(東京都)へ昨年進んだ。

返済は600万円、諦めたことは

 家からの仕送りはなく、国の…

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年12月30日8時52分 投稿
    【視点】

    もう大昔の話だが、私も地方出身で東京に進学した。一定額の仕送りはしてもらっていたが、東京の家賃も物価も高く、切り詰めた生活をしていた。高い単行本などは買えず、図書館に頼るか、古本屋の店頭を漁った。家庭教師や塾でアルバイトをし、時には食品の試

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    阿部藹
    (琉球大学客員研究員・IAm共同代表)
    2024年12月30日17時53分 投稿
    【視点】

    地方出身者にとっては、まず受験からしてハードルが高い。例えば私が住む沖縄からであれば、受験をするために上京する交通費、宿泊費だけで軽く10万円は必要だ。複数の大学を受験しようと思えばさらにコストが嵩む。近年の受験システムの変化の影響もある。

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