りんたろう監督「松本零士さんのマンガは漆黒の闇が魅力的で、そこにロマンとセンチメンタリズムが漂う。暗闇の中でメーターだけが光って顔を照らす表現なんて、とてもいいよね。アニメーターにも好きな人が多かった。僕の作品も光と闇がベース。『宇宙海賊キャプテンハーロック』も『銀河鉄道999』も黒を基調とした映像がいい効果を上げた。僕の志向と響き合うものがあった」
「『999』は、東映上層部が『本当にアニメで若者や大人を小屋(映画館)に呼べるのか?』と心配していた。実際のところリスクはあったと思うけど、僕は面白おかしくやれればそれでいいやと思ってた。もともと僕はテレビアニメでも『子ども向け』という意識はなく好き勝手に作っていたから、『若者向けで』と言われたらむしろ気楽。自分がこの映画の観客だったら、と考えればいい。それならクライマックスはこうする、音楽の付け方はこうする、ラストのナレーションは絶対に城達也さんにする、といった具合に決めていった」
これは東映動画(現・東映アニメーション)の歩みをたどる連載のため、2009年12月にりんたろう監督にインタビューした時のお話。河出書房新社から今月出た大判ハードカバーのマンガ「1秒24コマのぼくの人生」を読んで思い出しました。1941年生まれのりんたろうさんが自ら筆を執り、物心ついた頃(疎開のため汽車に乗せられる)から2001年の大作映画「メトロポリス」完成までを描きます。
構成も描線もカッチリと揺る…
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