ギャルマインドとは武士道なり 令和で復権、ギャルは希望か幻想か
「未来のアゲなサービスを考えてみよ~」。12月、都内のIT企業でのワークショップに、ピンク色の服を着たギャルが登場した。参加者は、肩書に関係なく、敬語をやめ、あだ名で呼び合う。「いいじゃん!」とギャルに励まされると次第に、社員からも「それな~」と声が上がり、次々と自由な発想が飛び出た。
2022年設立の会社「CGOドットコム」は、ギャルのマインドを会議に取り入れる「ギャル式ブレスト」を企業で実施する。ギャルのように「自分はこれがしたい」という軸を持ち、気持ちを素直に表現して前向きに考えることで、会社にこれまでにないアイデアを生むという。
放送中のNHK連続テレビ小説「おむすび」では、平成元年生まれのギャル・結が主人公だ。幼い頃に阪神・淡路大震災でつらい思いをしたが、ギャルになって変わっていく。他人の目を気にせず自分を貫くといったギャルの信条は、「ギャルの掟(おきて)」として明示される。
制作統括の宇佐川隆史さん(46)は「失われた30年ともいわれる平成を、前向きに生きたギャルから学べることがないかと考えた。先行きが見えない時代を生きるヒントを伝えたい」。
そもそも、ギャルは若い女性を示す言葉として、日本では1980年代に広まった。95年前後には、髪を茶色にしルーズソックスをはくような女子高校生が、男性誌を中心に「コギャル」と呼ばれるようになった。
95年創刊の雑誌「egg」も、当初は男性目線だったが、「109」がある東京・渋谷の少女たちのリアルな姿を捉え、ギャルのスタイルを広めていった。極端に焼いた肌に独特のメイクの「ガングロ」や「ヤマンバ」なども紹介し、ギャル文化を牽引(けんいん)した。
いちど下火になったギャルは、なぜいま注目されているのか。記事後半で分析します。
ギャルの流行が下火になると…
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- 【視点】
1990年代のギャルカルチャーは、都市部の安室奈美恵をロールモデルとしたコギャルから、浜崎あゆみを象徴とする郊外型ギャルへと移行していきました。さらに2000年代に入ると、社会の格差化を背景としたギャルカルチャーが前景化し、それは朝ドラマ『
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