不発に終わった非常戒厳、韓国軍はどう変化 前回を知る元将校の証言
ソウル=牧野愛博
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が昨年12月3日に戒厳令の一つである「非常戒厳」を出してから3日で1カ月。最高司令官である尹氏の指示や命令が軍の中で徹底されず、わずか約6時間で解除に追い込まれたのはなぜなのか。半世紀近く前の前回の状況を知る元軍高官らの証言から、軍の変化が浮かび上がった。
韓国で前回、戒厳令が敷かれたのは1979年10月~81年1月。その引き金となったのが、79年10月に起きた朴正熙(パクチョンヒ)大統領の暗殺事件だ。事件の捜査責任者だった全斗煥(チョンドゥファン)軍保安司令官は同年12月、対立した戒厳軍司令官だった鄭昇和(チョンスンファ)陸軍参謀総長を逮捕し、軍の実権を握った。この事件は「1212事件」「粛軍クーデター」と呼ばれた。
全氏ら韓国陸軍士官学校(陸…
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