不発に終わった非常戒厳、韓国軍はどう変化 前回を知る元将校の証言

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ソウル=牧野愛博
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 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が昨年12月3日に戒厳令の一つである「非常戒厳」を出してから3日で1カ月。最高司令官である尹氏の指示や命令が軍の中で徹底されず、わずか約6時間で解除に追い込まれたのはなぜなのか。半世紀近く前の前回の状況を知る元軍高官らの証言から、軍の変化が浮かび上がった。

 韓国で前回、戒厳令が敷かれたのは1979年10月~81年1月。その引き金となったのが、79年10月に起きた朴正熙(パクチョンヒ)大統領の暗殺事件だ。事件の捜査責任者だった全斗煥(チョンドゥファン)軍保安司令官は同年12月、対立した戒厳軍司令官だった鄭昇和(チョンスンファ)陸軍参謀総長を逮捕し、軍の実権を握った。この事件は「1212事件」「粛軍クーデター」と呼ばれた。

 全氏ら韓国陸軍士官学校(陸…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2025年1月3日10時47分 投稿
    【視点】

    「海兵隊には非合理な命令には不服従することができるという規則がある」「私に大統領が議会に軍隊をさし向けよというような命令を下すなら、私は大統領と戦うだろう」。 上記は、作家の小田実が1964年に沖縄を訪ねたさいに面談したアメリカの海兵隊将

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