(斜影の森から:42)書を離れ、紙を捨てて、人は何処へ 福島申二

有料記事斜影の森から

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 実際の人生でもスクリーンでも、特にこれといったこともないような場面や、何気(なにげ)ないひとことが印象深く胸に残り続けることがある。小津安二郎の「麦秋」の会話もその一つだ。

 「面白いですね、チボー家の人々」

 「どこまでお読みになって」

 「まだ四巻目の半分です」

 「そう」――

 朝の北鎌倉駅

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