第3回髪形モデルはあの皇族 楳図かずお語る「まことちゃん」「漂流教室」
《ホラー作品で売れっ子作家になっていた1968年、東京・池袋から目白へ転居。その頃、忙しさのピークを迎えていた》
ずっと苦しんでいた不眠症がその頃やっと治りましたが、その代わりに仕事が忙しくて寝られなくなってしまいました。朝8時から翌日の朝4時まで仕事をする生活です。多いときには週刊3本、月刊3本の連載を抱えていて、さらに飛び入りの仕事も。2日に1本作品を完成させなければならない状態でした。2日で話を考え、下書きして、ペンを入れて、編集者に渡すという大変な日々で、依頼を断る気力もなくなってしまい、新たな仕事を受けていました。
漫画家・芸術家の楳図かずおさんが半生を振り返る連載「グワシ!に未来へ」。全5回の3回目です。
ある日の夜中、少年誌で連載していた「猫目小僧」の担当編集者がやってきて、朝までにカラー原稿がほしいと急に言われたんです。頑張って描きましたが、顔が真っ黄色になってしまった。病院で肝臓が悪くなる手前と言われ、田舎に逃げて何週間か休みました。それでも実家まで追っかけてきた雑誌編集者もいて、布団にもぐりこんで描きましたね(笑)。
《69~70年に週刊少年サンデーで「おろち」を連載。人間の業や悲哀をオムニバス形式で描くホラー漫画だ》
僕には物語のアイデアを五つ…