新たな「重力波」の証拠を確認 超巨大ブラックホール解明の手がかり

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水戸部六美
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 超巨大ブラックホールの成長過程で生じるとされる新たな重力波の証拠をつかんだと、米国や日本など複数の研究グループが29日、同時に発表した。観測精度が上がれば、超巨大ブラックホールの起源や進化、宇宙の歴史の解明にもつながるという。

 重力波は、ブラックホールの合体などでまわりの時空がゆがみ、さざ波のように広がっていく現象。アインシュタインの一般相対性理論から予言され、2015年に米国の大型重力波望遠鏡LIGOが初観測した。17年にはノーベル物理学賞にも選ばれた。

 宇宙には、太陽の数百万倍から数十億倍もの重さの超巨大ブラックホールが存在する。しかし、それらがどうやってできたかはよく分かっていない。

 巨大なもの同士が互いのまわりを回りながら近づき、合体する過程で重力波が生じるという説が有力だが、証明できずにきた。生じる重力波の波長が光年単位と非常に長く、LIGOなど、地上にある検出器ではとらえられないためだ。

 今回成果を出した研究グループは、「パルサー」と呼ばれる天体を、長期間にわたり電波望遠鏡で精密観測することで、長い波長の重力波の検出をめざしてきた。

 パルサーは周期的に信号を出…

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