第2回女性器切除と美容整形はどう違う? 欧米とアフリカの関係映す論争

有料記事慣習のジレンマ 女性器切除(FGM)のいま

ケニア南部マチャコス=今泉奏
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 アフリカやイスラム圏の一部には、古くから女性器切除(Female Genital Mutilation=FGM)の習慣がある。国連の推計によると、切除を受けた存命中の女性人口は約30カ国に2億3千万人ほどいるとされる。7年前より約3千万人増えた。

 アフリカ、中東などからの移民の増加に伴って、欧米でもFGMが以前より身近な問題として浮上してきた。

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 女性器切除(FGM)という習慣がアフリカや中東の一部にむかしからあります。女性の人権を侵す行為として、国際的な廃絶の取り組みがある一方、伝統儀礼だとの反論もあります。ケニアから最新事情を報告します。

 2月、英国在住のソマリア出身女性が、女児をケニアに連れ出してFGMを受けさせたことに関与したとして、英国で懲役7年の実刑判決を受けた。

 英BBCなどによると、女性は裁判で、女児を連れて行かなければ自分の暮らすコミュニティーで「つまはじきにあう。どうすることもできなかった」と語ったという。

欧米社会で「再発見」されるFGM

 英国では、2019年にも女児にFGMの施術をしたウガンダ人女性が実刑判決を受けた。こうして表面化した事件は「氷山の一角」との見方が多い。欧米やオーストラリアなどの病院では、医師の診察を通じてFGMが見つかる事例もある。誤って先天的な異常と診断されたケースも報告されているという。

 相次ぐ事例は、FGMという…

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この記事を書いた人
今泉奏
ヨハネスブルク支局長|サハラ以南アフリカ担当
専門・関心分野
アフリカ、植民地主義、グローバルサウス