8月末から9月頭にかけて日本に上陸した台風10号のため、全線通行止めになっていた剣山スーパー林道が、少し前に一部区間を除き通行止めが解除されたので、N-VANで走行できるかどうか不安は残るものの、とりあえず行ってみることにしました。
念のためグーグルマップで路面状況を確認したり、ネットで情報を探してみて、基本的に全線フラットダートの道で、普通車でもなんとかなりそうという気がしていました。連休に入ってしまうと通行量が増えるだろうし、連休の天気はそもそも良くないとの予報だったので、連休前の9月20日金曜日に急遽出発しました。
3時間ほどしか寝られなかったものの寝起きはわりとすっきりしていたので、午前2時過ぎに起きて、3時前に出発。瀬戸大橋を渡り、高松自動車道の高松西ICでおりると、裏道経由で高松空港近くまで走り、国道193号に合流したあとはひたすら国道193号を南下しました。吉野川を渡るときに、東の空に朝焼けが広がっていました。なんだか久しぶりに朝焼けを見た気がします。おそらく、昨年北アルプス表銀座を縦走したとき以来だと思われます。
国道193号は、吉野川沿いの山川町から南に向かって山岳地帯に入って行くのですが、少し山の中へ入って行くと、道は1車線の狭い道になり、強烈な急勾配とカーブの連続する状況になって、いわゆる酷道と呼ばれるレベルの道でした。特に標高800mに近い倉羅(くらら)峠の前後は、それこそ400番台の国道と同等レベルの酷さでした。
倉羅峠を降りるといったん道は広くなり、2車線で走りやすくなるものの、神山町と那賀町の境にそびえる雲早山(くもそうやま)へと上る道は倉羅峠付近の道を上回るほどの酷道でした。標高も1000mを越えるので、断崖絶壁にはりつくように走る道はなかなかスリリングです。
地形図で見ると、峠となる雲層隧道の前後区間は黄色表示の道となっていて、国道を示す赤色表示は雲早隧道の麓で終わっているので、この峠越え区間は国道ではなく地方道(県道253号)ということになっています。つまり、国道193号は雲早隧道区間で分断されているわけです。
そして、雲早隧道を北から南へ抜けたところに、剣山スーパー林道東コース西側出入口があります。東コースの東半分となる東側出入口から旭丸峠までの区間がいまだに通行止めになっている区間ですが、途中の旭丸峠から神山町方面に抜ける道があるので、この出入口では通行止めの表示やバリケードはありませんでした。
雲早隧道の南側から剣山スーパー林道東コース出入口を見た写真です。国道193号を走っているつもりでしたが、県道253号の表示が出ています。
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雲早隧道から少し下ると、剣山スーパー林道西コース東側出入口です。剣山スーパー林道は全長87㎞ですが、西コースが62㎞あり、東コースの3倍近い長さとなります。この長大な林道に挑戦するわけですが、果たして抜けるのに何時間かかるのでしょうか・・・
基本的にはフラットダートの道なので、アスファルト道のようにはいかないとしても、時速30㎞ぐらいは出せるのではないかと思っていましたが、想像していた以上に石が多く、なおかつ尖った石もたくさん露出しているので、タイヤのサイドウォールを切り裂いたり、まともに乗り上げて大穴が開いてしまう可能性もあることから、路面状況を注意深く見ながら進んで行きます。
その上、時々妙に盛り上がった場所があり、乗り越えるときに車の下側を擦らないように慎重に乗り越えなければなりません。おそらく、道を横切るように排水用のパイプを埋めているのではないかと思いますが、最低地上高の高いオフロード4WDならいざ知らず、12インチタイヤを履く普通自動車のN-VANにはかなり厳しい盛り上がりでした。せめて14インチタイヤを履いていればまだましだったのにと思いますが、この場でそんなことを悔やんでも無意味です。
そんなこんなで神経をすり減らし、緊張で体が凝り固まったような状態で、入口から7㎞の所にあるファガスの森という施設になんとかたどり着きました。時間は午前8時前でした。入口からなんと40分も費やしていました。平均時速はなんと10.5㎞です。道を凝視しすぎたためか肩こりで肩が痛いし、首も凝り固まったような状態で不快感はマックスまで高まっているような感じで、どっと疲れました。
その上、何かイベントでもやっていたのか、おそろいのTシャツを着た人がたくさんいて、オートバイが出ていくときに大声でカウントダウンをして旗を振り回すということをしていました。なにかラリーイベントでも開催されていたのかもしれません。
せっかく平日に静けさを求めてきたというのに、これだけでもモチベーションがダウンするところですが、それに輪をかけて疲労感と想像以上の過酷さでこれ以上先に進む気力は湧きませんでした。そもそも平均時速10.5㎞となると、残りのコースを走りきるのに5時間強を要します。わずか7㎞を走るのに肩や首がこって痛くなるような状態なのに、この先55㎞も走り続けるなんて考えただけでゾッとします。
ということで、剣山スーパー林道西コースへの挑戦は、わずか7㎞地点でリタイアすることになりました。おとなしく来た道を引き返しますが、ここからまた7㎞も林道を走らないといけないわけで、それだけでもかなりの苦痛でした。
国道193号(正しくは県道253号区間)に出ると、来た道を引き返す気にはなれなかったので、高知県側に下ることにしました。巨岩がごろごろ転がる渓谷沿いに下る道は、決して走りやすい快適な道ではないものの、それなりに楽しめました。
途中、大釜の滝という看板があったので、車を停めて見に行きました。
道沿いに設置してある展望台から見下ろすと、遥か下の渓谷に立派な滝が見えていました。薄い緑色の透明な滝つぼに落ちる高さ20mの滝です。道路から滝つぼまで階段がついているので、滝の近くまで行けるようですが、さすがに何十mも階段を下って行く気にはなれず、上から眺めるだけにしました。
大釜の滝のある場所は、両側を垂直な断崖絶壁に挟まれた深い谷になっていて、噂に聞く黒部渓谷ってこのようなところなのではと思わせるほどの深山の雰囲気を漂わせる場所でした。四国は本当に奥が深いところです。
さらに下って行くと、今度は大轟(おおとどろき)の滝という滝もありました。この滝は道が突然ヘアピンの連続する高い崖を下りきったところにあり、道沿いから眼下に見ることができました。幸いわずかな駐車スペースに停めてゆっくり見ることができましたが、せいぜい2台ぐらいしか停めることができないので、週末や連休など観光客の多いときは、1分ほど下った橋の先に広めの駐車スペースがあるので、そこから歩いた方が良さそうです。距離にして200mぐらいでしょうか。
国道193号から195号に入り西進し、徳島と高知の県境にある四ツ足峠の少し手前の集落に未来コンビニがありました。以前なにかのニュースで見て知っていたので立ち寄ってみたのですが、到着したのが10時過ぎなので当然営業していると思ったら閉まっていました。
今日は休業日なのかと思ったら、なんと営業時間が11時~17時30分ということでした。日中の6時間半しか営業しないのならコンビニエンスじゃねーよと正直思いましたが、四国の山深い場所なので仕方がないところでしょうか。とはいえ、交通量は数分に1台ぐらいはあったので、朝から営業すれば朝食や昼食を買う客がそれなりにありそうな感じです。もしかするとオーナーが兼業農家で、朝のうちは農作業に従事しているといった感じなのでしょうか。
未来コンビニを過ぎて四ツ足峠に登り始める手前に高の瀬峡という峡谷があり、そこが剣山スーパー林道西コース西側出入口です。
剣山スーパー林道の入口まで行ってみると通行止めの看板があり「あれ?」っと思いましたが、「解除中」となっていたのでとりあえず全線通行できるのは事実のようです。
その後、四ツ足峠を越えて高知県に入り、ひたすら西へ西へと車を走らせていたのですが、さすがに寝不足がたたって睡魔に襲われ始めたので、道路脇にあった日陰になっている駐車スペースに車を停めて、仮眠を取りました。ちょうど先日改良したベッドを試すいい機会でしたが、全く問題なく快適に寝ることができました。日陰だったおかげでエンジンを止めて閉め切った状態でも2時間ぐっすりと寝ることができました。エアコンで室内が冷えていたことと、山中で気温が多少低かったのが良かったようです。
国道195号が香美市に入ったあたりで、グーグルマップの指示に従って右折し、裏道を走って高知自動車道南国ICの北側で国道32号に出て北上。大豊町にある道の駅大杉に立ち寄ったところ、すぐそばに日本一の大杉があるというので、見に行くことにしました。
無料の駐車場に車を停め、入場料200円を支払って、入ってみました。このての観光地はがっかりすることが多いのであまり期待はしていませんでした。
ところが、目の前に現れた大杉の巨大さにびっくりでした。
日本一の杉といえば屋久島の縄文杉を思い浮かべますが、縄文杉は幹周16.1m。杉の大杉は2本ありますが、大きい方はなんと幹周約20m。推定樹齢は縄文杉の7200年に対して3000年と半分以下ですが、それでも3000年といえば縄文時代末か弥生時代の初め頃から生きているということなので、十分すごいことです。
縄文杉もいずれ見に行きたいと思っていますが、迫力や存在感はこの杉と同じような感じなんでしょう。早く見てみたいものです。
杉の大杉から国道32号を北上し、大歩危経由で阿波池田市に抜けました。阿波池田市から国道319号で香川県へ抜けるつもりでしたが、吉野川沿いに10分ほど行ったところの東みよし町に、以前から見に行きたいと思っていた加茂の大クスという巨樹があるのを思い出して、ついでに見に行くことにしました。杉の大杉を見て巨樹好きのスイッチが入ったようです。
グーグルマップに導かれて加茂の大クスに到着すると、ありがたいことに無料の駐車場がありました。
案内板によると、推定樹齢1000年、目通り周囲13mと、こちらも杉の大杉に負けず劣らすの巨樹でした。
周囲に何もなくて枝を四方八方に自由に伸ばすことができたためだと思われますが、こんもりとしたドーム状の樹形をしていて、日立のCMで使われていたこの木何の木気になる木を彷彿とさせる姿でした。
クスの下に祠がありますが、高さ3mぐらいある祠なので、それに比べていかに大きいかがわかると思います。
ずっと見てみたいと思っていた木なので、この日見に来ることができて良かったです。杉の大杉と合わせて1日で2本も日本でもトップクラスの巨樹に出会うことができてラッキーでした。
加茂の大クスを堪能してから帰路につきました。瀬戸大橋を渡って高速をおりるところまでは快調でしたが、国道2号で岡山市街地に入るまで渋滞が続き、最後の最後に快適なロングドライブがスポイルされてしまいました。
この日の走行距離は442.5㎞で、平均燃費は16.3㎞/Lでした。高速を降りて国道2号に入った直後は16.6㎞/Lでしたが、その後の渋滞で悪化しました。高速道路を走った距離は100㎞弱で、午後からエアコンを使っていました。1000m級の峠を越えたり、他にも何度も峠越えがあったり、往復14㎞で短いとはいえ林道を時速10㎞前後でノロノロと走ったりと条件はなかなか厳しかったのですが、そのわりにそこそこいい値が出たと思います。
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