山小屋通信簿: 七丈小屋
山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、山岳写真撮影の山行拠点としての評価も加えたいたって個人的な山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。
評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがすべてそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。
評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要
●七丈小屋
清潔度:5
快適度:4
ホスピタリティ:5
食事のうまさ:-
施設充実度:3
ロケーション:4
総合評価:4.2
七丈小屋は、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根上にある山小屋です。標高2300m付近の狭い尾根に立っていますが、小屋前には水場もあります。日本三大急登のひとつ黒戸尾根にある唯一の営業小屋であり、標高2000mを越える場所にあって通年営業している数少ない山小屋でもあります。
七丈小屋には第一小屋と第二小屋の2棟があり、黒戸尾根を登ってきて最初に目に飛び込んでくるのは七丈第一小屋です。建物の中心部あたりに出入り口があり、まずはその前に設置されている呼び鈴を押してスタッフを呼び出し、宿泊予約の有無などを告げます。
僕の場合は、利用したのが3月上旬の平日だったので、宿泊客が少なく、第一小屋での宿泊となりました。小屋の入口は、呼び鈴のある入口とは別になっていて、一番手前の角にある茶色のコンパネ製ドアから入ります。宿泊者カードなどの記入や代金の支払いは、入ったところにある食堂で行いました。
食堂は真ん中に通路があり、左右に床がある昔ながらの山小屋のつくりで、座卓が置かれていました。床に座ることになるため、冷え防止に銀マットが敷いてあり、座布団などなくても冷たくないしお尻が痛くなるようなこともありませんでした。
ストックとアックスは食堂入口の内扉の前にある傘立てに置き、靴とクランポンは食堂内にある車の防水フロアシートの指定された場所に置きました。濡れたクランポンの紐や靴が凍らなくてすむので、この対応はありがたかったです。食堂はあまり広くなく十分なスペースがないので、混雑する週末などはドア前にある靴箱に置くことになるのかもしれません。
ここで一息。ぽちっと押したら、引き続きブログ「ヤマふぉと」をお楽しみ下さい。
食堂から階段を上がると、大きな相部屋空間があります。指定された寝床に自分の寝袋を広げたら就寝スペースの完成です。床には銀マットが敷いてあって、その上にビニールに包まれた敷布団とマクラが用意されていました。隣の寝床との間にはシートが設置されていて、コロナ対策もばっちりですが、混雑している場合は念のためマスクをしておいた方が安心かもしれません。夜の間も食堂にあるストーブをつけたままにしてくれるため小屋内はあまり寒くなく、外が氷点下5度ぐらいでも3シーズン用寝袋で寒くありませんでした。ただし、ダウンジャケットとダウンパンツを着たまま寝た場合の話です。
第一小屋から少し奥に行くと第二小屋がありますが、今回は中に入っていないので様子はわかりませんでした。
七丈小屋には、いわゆる売店らしいものはありませんでした。最初に呼び鈴を押して受付をした第一小屋中央の入口のところが売店を兼ねているみたいで、買い物をしたい場合は呼び鈴を押して頼むというスタイルのようです。メニューは入口前の壁に貼ってありますが、基本的にドリンク類とグッズだけです。宿泊者は、食堂でスタッフさんに頼めば出してくれるのでしょう。宿泊手続時にラーメンやカレーなど軽食はありますかと聞いたら、やっていないとのことでした。なので、日帰り登山者がここで昼食をとるつもりで何も持ってこないと困ることになりそうです。ただし、カップ麺は売っているそうです。
乾燥室に関しては、第一小屋内にそのような部屋は見当たりませんでしたが、食堂入口前に風除室のような場所があり、たぶんそこを乾燥室として使うのではないかと思います。ほんの2畳ぐらいの広さなので、混雑していると大変かもしれません。
自炊は、食堂で食事付き宿泊者と同じ机でOKでした。金属のトレーを渡されて、この上で火を使ってくださいとのことでした。屋外だったり、暖房のない土間のような場所や専用の部屋で自炊をさせられる小屋も多い中、暖房のきいた食堂で自炊ができるというのはとてもありがたいことです。
水は、宿泊者は2リットルまで無料でもらうことができます。食堂の隅にポリタンクがあり、セルフで水を汲みます。
トイレや洗面所は、小屋内にはありません。第一小屋から奥へ30mぐらい行くと、第二小屋の手前に屋外トイレがあります。個室のみで3ブースあったと思います。奥のひとつは女性専用になっていたと思います。洋式便器で、紙は専用のパイプが床から出ていて、その中に捨てます。水洗ではありませんが、黄色のポリタンクにたまるようになっていて、いわゆるぽっとん便所的な雰囲気はあまりなかったです。冬なので臭いも特に気になりませんでした。
トイレに内に手洗い場はありませんが、手指の消毒用にアルコールスプレーが設置してありました。夏場は第一小屋前に水場があるようなので、そこで手洗いはできそうです。
清潔度、ホスピタリティは、小屋内もトイレもきれいに保たれているし、スタッフの応対も丁寧で好印象でした。冬期でも宿泊者には無料で2リットルの水を提供してくれるのもありがたく、どちらも5点としました。
施設充実度については、小屋前にベンチがいくつかありますが、テーブルは見当たりませんでした。庇付きのベンチやテーブルもありません。ベンチ、水場、屋外トイレの3つがそろっているということで、3点です。
第一小屋前に水場らしい流し台がありましたが、雪が積もっていて詳しくは確認できませんでした。おそらく無雪期であれば利用できるようですが、小銭入れらしい箱が設置されていたので、トイレと同じで有料でということのようです。尾根上の小屋なので、水もポンプアップするためにコストがかかっていることを考えると、やむなしというところでしょう。
快適度に関しては、床に銀マットが敷いてあったり、寝床がシートで区切られていて個室感があるなど快適ではあるものの、トイレが屋外で小屋内に洗面所がない点を差し引いて4点としてました。
ロケーション的には、積雪期で甲斐駒ヶ岳山頂まで2時間半ほどの位置にあり、八合目御来光場までなら約1時間と比較的撮影ポイントも近く、いいロケーションといえます。トイレの前から鳳凰三山と富士山も見られますが、少し登ってテント場のあたりまで行けばもう少しよく見えそうです。八合目からは目の前に甲斐駒ヶ岳がそびえたち、山頂からは仙丈ケ岳や北岳、鳳凰三山、富士山、八ヶ岳など周囲の山々をはじめ、360度の展望があります。ただし、ここを拠点にあちこち行けるという場所ではないので、その点を差し引いて4点としました。
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評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがすべてそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。
評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要
●七丈小屋
清潔度:5
快適度:4
ホスピタリティ:5
食事のうまさ:-
施設充実度:3
ロケーション:4
総合評価:4.2
七丈小屋は、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根上にある山小屋です。標高2300m付近の狭い尾根に立っていますが、小屋前には水場もあります。日本三大急登のひとつ黒戸尾根にある唯一の営業小屋であり、標高2000mを越える場所にあって通年営業している数少ない山小屋でもあります。
七丈小屋には第一小屋と第二小屋の2棟があり、黒戸尾根を登ってきて最初に目に飛び込んでくるのは七丈第一小屋です。建物の中心部あたりに出入り口があり、まずはその前に設置されている呼び鈴を押してスタッフを呼び出し、宿泊予約の有無などを告げます。
僕の場合は、利用したのが3月上旬の平日だったので、宿泊客が少なく、第一小屋での宿泊となりました。小屋の入口は、呼び鈴のある入口とは別になっていて、一番手前の角にある茶色のコンパネ製ドアから入ります。宿泊者カードなどの記入や代金の支払いは、入ったところにある食堂で行いました。
食堂は真ん中に通路があり、左右に床がある昔ながらの山小屋のつくりで、座卓が置かれていました。床に座ることになるため、冷え防止に銀マットが敷いてあり、座布団などなくても冷たくないしお尻が痛くなるようなこともありませんでした。
ストックとアックスは食堂入口の内扉の前にある傘立てに置き、靴とクランポンは食堂内にある車の防水フロアシートの指定された場所に置きました。濡れたクランポンの紐や靴が凍らなくてすむので、この対応はありがたかったです。食堂はあまり広くなく十分なスペースがないので、混雑する週末などはドア前にある靴箱に置くことになるのかもしれません。
ここで一息。ぽちっと押したら、引き続きブログ「ヤマふぉと」をお楽しみ下さい。
食堂から階段を上がると、大きな相部屋空間があります。指定された寝床に自分の寝袋を広げたら就寝スペースの完成です。床には銀マットが敷いてあって、その上にビニールに包まれた敷布団とマクラが用意されていました。隣の寝床との間にはシートが設置されていて、コロナ対策もばっちりですが、混雑している場合は念のためマスクをしておいた方が安心かもしれません。夜の間も食堂にあるストーブをつけたままにしてくれるため小屋内はあまり寒くなく、外が氷点下5度ぐらいでも3シーズン用寝袋で寒くありませんでした。ただし、ダウンジャケットとダウンパンツを着たまま寝た場合の話です。
第一小屋から少し奥に行くと第二小屋がありますが、今回は中に入っていないので様子はわかりませんでした。
七丈小屋には、いわゆる売店らしいものはありませんでした。最初に呼び鈴を押して受付をした第一小屋中央の入口のところが売店を兼ねているみたいで、買い物をしたい場合は呼び鈴を押して頼むというスタイルのようです。メニューは入口前の壁に貼ってありますが、基本的にドリンク類とグッズだけです。宿泊者は、食堂でスタッフさんに頼めば出してくれるのでしょう。宿泊手続時にラーメンやカレーなど軽食はありますかと聞いたら、やっていないとのことでした。なので、日帰り登山者がここで昼食をとるつもりで何も持ってこないと困ることになりそうです。ただし、カップ麺は売っているそうです。
乾燥室に関しては、第一小屋内にそのような部屋は見当たりませんでしたが、食堂入口前に風除室のような場所があり、たぶんそこを乾燥室として使うのではないかと思います。ほんの2畳ぐらいの広さなので、混雑していると大変かもしれません。
自炊は、食堂で食事付き宿泊者と同じ机でOKでした。金属のトレーを渡されて、この上で火を使ってくださいとのことでした。屋外だったり、暖房のない土間のような場所や専用の部屋で自炊をさせられる小屋も多い中、暖房のきいた食堂で自炊ができるというのはとてもありがたいことです。
水は、宿泊者は2リットルまで無料でもらうことができます。食堂の隅にポリタンクがあり、セルフで水を汲みます。
トイレや洗面所は、小屋内にはありません。第一小屋から奥へ30mぐらい行くと、第二小屋の手前に屋外トイレがあります。個室のみで3ブースあったと思います。奥のひとつは女性専用になっていたと思います。洋式便器で、紙は専用のパイプが床から出ていて、その中に捨てます。水洗ではありませんが、黄色のポリタンクにたまるようになっていて、いわゆるぽっとん便所的な雰囲気はあまりなかったです。冬なので臭いも特に気になりませんでした。
トイレに内に手洗い場はありませんが、手指の消毒用にアルコールスプレーが設置してありました。夏場は第一小屋前に水場があるようなので、そこで手洗いはできそうです。
清潔度、ホスピタリティは、小屋内もトイレもきれいに保たれているし、スタッフの応対も丁寧で好印象でした。冬期でも宿泊者には無料で2リットルの水を提供してくれるのもありがたく、どちらも5点としました。
施設充実度については、小屋前にベンチがいくつかありますが、テーブルは見当たりませんでした。庇付きのベンチやテーブルもありません。ベンチ、水場、屋外トイレの3つがそろっているということで、3点です。
第一小屋前に水場らしい流し台がありましたが、雪が積もっていて詳しくは確認できませんでした。おそらく無雪期であれば利用できるようですが、小銭入れらしい箱が設置されていたので、トイレと同じで有料でということのようです。尾根上の小屋なので、水もポンプアップするためにコストがかかっていることを考えると、やむなしというところでしょう。
快適度に関しては、床に銀マットが敷いてあったり、寝床がシートで区切られていて個室感があるなど快適ではあるものの、トイレが屋外で小屋内に洗面所がない点を差し引いて4点としてました。
ロケーション的には、積雪期で甲斐駒ヶ岳山頂まで2時間半ほどの位置にあり、八合目御来光場までなら約1時間と比較的撮影ポイントも近く、いいロケーションといえます。トイレの前から鳳凰三山と富士山も見られますが、少し登ってテント場のあたりまで行けばもう少しよく見えそうです。八合目からは目の前に甲斐駒ヶ岳がそびえたち、山頂からは仙丈ケ岳や北岳、鳳凰三山、富士山、八ヶ岳など周囲の山々をはじめ、360度の展望があります。ただし、ここを拠点にあちこち行けるという場所ではないので、その点を差し引いて4点としました。
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