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2023/03/29

山小屋通信簿: 七丈小屋

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、山岳写真撮影の山行拠点としての評価も加えたいたって個人的な山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがすべてそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

●七丈小屋
清潔度:5
快適度:4
ホスピタリティ:5
食事のうまさ:-
施設充実度:3
ロケーション:4
総合評価:4.2


七丈小屋は、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根上にある山小屋です。標高2300m付近の狭い尾根に立っていますが、小屋前には水場もあります。日本三大急登のひとつ黒戸尾根にある唯一の営業小屋であり、標高2000mを越える場所にあって通年営業している数少ない山小屋でもあります。


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七丈小屋には第一小屋と第二小屋の2棟があり、黒戸尾根を登ってきて最初に目に飛び込んでくるのは七丈第一小屋です。建物の中心部あたりに出入り口があり、まずはその前に設置されている呼び鈴を押してスタッフを呼び出し、宿泊予約の有無などを告げます。


僕の場合は、利用したのが3月上旬の平日だったので、宿泊客が少なく、第一小屋での宿泊となりました。小屋の入口は、呼び鈴のある入口とは別になっていて、一番手前の角にある茶色のコンパネ製ドアから入ります。宿泊者カードなどの記入や代金の支払いは、入ったところにある食堂で行いました。


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食堂は真ん中に通路があり、左右に床がある昔ながらの山小屋のつくりで、座卓が置かれていました。床に座ることになるため、冷え防止に銀マットが敷いてあり、座布団などなくても冷たくないしお尻が痛くなるようなこともありませんでした。


ストックとアックスは食堂入口の内扉の前にある傘立てに置き、靴とクランポンは食堂内にある車の防水フロアシートの指定された場所に置きました。濡れたクランポンの紐や靴が凍らなくてすむので、この対応はありがたかったです。食堂はあまり広くなく十分なスペースがないので、混雑する週末などはドア前にある靴箱に置くことになるのかもしれません。



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食堂から階段を上がると、大きな相部屋空間があります。指定された寝床に自分の寝袋を広げたら就寝スペースの完成です。床には銀マットが敷いてあって、その上にビニールに包まれた敷布団とマクラが用意されていました。隣の寝床との間にはシートが設置されていて、コロナ対策もばっちりですが、混雑している場合は念のためマスクをしておいた方が安心かもしれません。夜の間も食堂にあるストーブをつけたままにしてくれるため小屋内はあまり寒くなく、外が氷点下5度ぐらいでも3シーズン用寝袋で寒くありませんでした。ただし、ダウンジャケットとダウンパンツを着たまま寝た場合の話です。


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第一小屋から少し奥に行くと第二小屋がありますが、今回は中に入っていないので様子はわかりませんでした。


七丈小屋には、いわゆる売店らしいものはありませんでした。最初に呼び鈴を押して受付をした第一小屋中央の入口のところが売店を兼ねているみたいで、買い物をしたい場合は呼び鈴を押して頼むというスタイルのようです。メニューは入口前の壁に貼ってありますが、基本的にドリンク類とグッズだけです。宿泊者は、食堂でスタッフさんに頼めば出してくれるのでしょう。宿泊手続時にラーメンやカレーなど軽食はありますかと聞いたら、やっていないとのことでした。なので、日帰り登山者がここで昼食をとるつもりで何も持ってこないと困ることになりそうです。ただし、カップ麺は売っているそうです。


乾燥室に関しては、第一小屋内にそのような部屋は見当たりませんでしたが、食堂入口前に風除室のような場所があり、たぶんそこを乾燥室として使うのではないかと思います。ほんの2畳ぐらいの広さなので、混雑していると大変かもしれません。


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自炊は、食堂で食事付き宿泊者と同じ机でOKでした。金属のトレーを渡されて、この上で火を使ってくださいとのことでした。屋外だったり、暖房のない土間のような場所や専用の部屋で自炊をさせられる小屋も多い中、暖房のきいた食堂で自炊ができるというのはとてもありがたいことです。


水は、宿泊者は2リットルまで無料でもらうことができます。食堂の隅にポリタンクがあり、セルフで水を汲みます。


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トイレや洗面所は、小屋内にはありません。第一小屋から奥へ30mぐらい行くと、第二小屋の手前に屋外トイレがあります。個室のみで3ブースあったと思います。奥のひとつは女性専用になっていたと思います。洋式便器で、紙は専用のパイプが床から出ていて、その中に捨てます。水洗ではありませんが、黄色のポリタンクにたまるようになっていて、いわゆるぽっとん便所的な雰囲気はあまりなかったです。冬なので臭いも特に気になりませんでした。


トイレに内に手洗い場はありませんが、手指の消毒用にアルコールスプレーが設置してありました。夏場は第一小屋前に水場があるようなので、そこで手洗いはできそうです。


清潔度、ホスピタリティは、小屋内もトイレもきれいに保たれているし、スタッフの応対も丁寧で好印象でした。冬期でも宿泊者には無料で2リットルの水を提供してくれるのもありがたく、どちらも5点としました。


施設充実度については、小屋前にベンチがいくつかありますが、テーブルは見当たりませんでした。庇付きのベンチやテーブルもありません。ベンチ、水場、屋外トイレの3つがそろっているということで、3点です。


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第一小屋前に水場らしい流し台がありましたが、雪が積もっていて詳しくは確認できませんでした。おそらく無雪期であれば利用できるようですが、小銭入れらしい箱が設置されていたので、トイレと同じで有料でということのようです。尾根上の小屋なので、水もポンプアップするためにコストがかかっていることを考えると、やむなしというところでしょう。


快適度に関しては、床に銀マットが敷いてあったり、寝床がシートで区切られていて個室感があるなど快適ではあるものの、トイレが屋外で小屋内に洗面所がない点を差し引いて4点としてました。


ロケーション的には、積雪期で甲斐駒ヶ岳山頂まで2時間半ほどの位置にあり、八合目御来光場までなら約1時間と比較的撮影ポイントも近く、いいロケーションといえます。トイレの前から鳳凰三山と富士山も見られますが、少し登ってテント場のあたりまで行けばもう少しよく見えそうです。八合目からは目の前に甲斐駒ヶ岳がそびえたち、山頂からは仙丈ケ岳や北岳、鳳凰三山、富士山、八ヶ岳など周囲の山々をはじめ、360度の展望があります。ただし、ここを拠点にあちこち行けるという場所ではないので、その点を差し引いて4点としました。


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2020/09/21

山小屋通信簿: 白馬山荘

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、山岳写真撮影の山行拠点としての評価も加えたいたって個人的な山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがすべてそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

●白馬山荘
清潔度:5
快適度:5
ホスピタリティ:5
食事のうまさ:5
施設充実度:4
ロケーション:5
総合評価:4.8


白馬山荘は、白馬岳山頂直下に建つ山小屋です。利用したのは2020年8月13日でした。お盆休みの混雑する時期ですが、コロナ禍で宿泊者数を制限していたおかげで、6畳間を3人で利用することができました。


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白馬山荘の建っている場所は、白馬岳山頂南側の標高約2800m付近です。等高線に沿うように建物が横に長く広がっていて、日本最大の規模を誇る山小屋です。


白馬岳への登山道を挟んで左右に建物が分かれていて、下から見た場合、右手に受付棟やレストラン棟のスカイプラザ白馬があり、左手に宿泊棟と食堂棟が並んでいます。受付は、白馬岳登山道のすぐそばにあり、中に入るとどこかのバスステーションのチケット売り場のような広さと雰囲気で、奥に受付カウンターが並んでいます。


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売店は、受付棟の向かいにあるスカイプラザ白馬内にあります。売店はレストランの注文受付カウンターをかねているので、購入したものはレストランで飲食するのはOKみたいです。なお、食事をする場合、13:30でランチ系のオーダーが終了するので要注意です。スカイプラザ白馬は、信州側がガラス張りになっていて晴れていれば展望を楽しみながら休憩することができます。



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受付棟で宿泊棟の案内を聞いたら、宿泊棟に向かいます。受付を出て右手、登山道を挟んだ向かいに宿泊棟があります。なお、第1から第3まで3棟の宿泊棟があるらしく、受付棟の奥がおそらく1号館だと思われます。僕が泊まったこの棟の入口に、2号館、3号館と表示されていました。


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宿泊棟に入ると、広い土間があり、ストーブが焚かれベンチもあるので、雨の日などここで一息つくことも可能です。濡れたウェインウェアやバックパックのレインカバーなどを外し、しずくをタオルなどでふき取って部屋にしずくの滴る濡れ物を持ち込まないようにしましょう。なお、靴は備え付けのビニール袋に入れて部屋までもって行きます。


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宿泊部屋は2階と3階になります。3階は行っていないのでどういう構造になっているのか未確認ですが、2階は中央廊下の左右に和室が並んでいます。


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僕が泊まった部屋はごく普通の6畳間でした。布団は押入れに入っていて、自分で敷く必要があります。


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宿泊棟1階は、乾燥室など各種設備があります。乾燥室は6畳間を2部屋ぶち抜きにした広さで、天井にハンガーをぶら下げるための横木がたくさん設置されています。ストーブのほかに送風機のような機械も設置してあり、かなり乾燥しそうですが、混雑していると頻繁に人が出入りするためか、室温の割りに乾きにくかったように感じます。この乾燥室で、レインパンツを盗まれてしまいました。混雑する山小屋では間違いもあるでしょうが、意図的に盗むバカ者もいるので、買ったばかりの人気ブランドのレインウェアなどは要注意です。ワイヤーロックなどで自衛する必要があります。


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乾燥室の向かいには、男女別の更衣室もありました。


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トイレは構造的に別棟になっているようですが、宿泊棟から廊下でつながっています。男女別で、入口前に手洗いもあります。


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男性トイレはこんな感じで、かつて宿泊した山小屋でもっとも大きなトイレでした。さすが、日本最大の山小屋です。


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個室は洋便器になっていて、山小屋では珍しくペーパーを便器に落とすタイプでした。


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自炊場所は、宿泊棟と食堂棟の間に設置されていて、テーブルとベンチだけでなく、水場も設置されていて非常に便利です。


写真を撮り忘れましたが、食堂棟に入ったところに談話室があり、漫画などの書籍類もたくさんおかれていました。また、テレビのあるリビングのようなスペースもあり、それぞれにストーブが設置されていてゆっくりとくつろぐことができました。


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食堂は、広く清潔でした。コロナ対策で向かい合わせにならないように椅子が間引きされていて、ゆったりとした間隔で座ることができました。このときは奥のカウンターでトレーを受け取ってカフェテリア方式で食事をトレーに載せてもらって、指定された場所に座るという方式でしたが、以前からこのスタイルなのかどうかは不明です。


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こちらは夕食のメニューです。おかずのボリューム感がいまひとつでしたが、ご飯とお味噌汁をおかわりしたら十分満腹になりました。味は良かったです。


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朝食のメニューです。ごく一般的な内容ですが、味、ボリュームとも問題なしでした。


施設充実度については、屋外に庇付ベンチはありませんが、スカイプラザ白馬の入口前に廊下があり、そこにベンチが設置されていて、事実上庇付ベンチとして休憩に利用することができます。また、登山者が自由に利用できる水場は見当たらなかったので、設置されていないようです。少し下ったところにある村営頂上宿舎前の雪渓とテント場入口に水場があり利用可能です。


快適度は満点の5点です。小屋内に水場のある自炊室があり、広い乾燥室、男女別の大きなトイレ、手洗い所、談話室、更衣室など、必要な施設が完備されていて、館内で快適に過ごすことができます。


ロケーション的には、白馬岳の山頂近くにあり、小屋から少し歩けば山頂を見ることもでき、朝日も夕日も眺められるという好立地です。白馬大池、雪倉岳、清水岳、白馬鑓ヶ岳などに3~4時間で行くことができるので、どこも日帰り圏内です。2~3泊して、白馬岳を中心にあちこち足を伸ばしてみるという楽しみ方ができる小屋です。

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2020/09/08

山小屋通信簿: 天狗山荘

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、山岳写真撮影の山行拠点としての評価も加えたいたって個人的な山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがすべてそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要


●天狗山荘
清潔度:5
快適度:5
ホスピタリティ:5
食事のうまさ:-
施設充実度:4
ロケーション:3
総合評価:4.4


天狗山荘は、白馬鑓ヶ岳から南へ1時間ほど歩いたところにある山小屋です。鑓温泉分岐からだと20分ほどです。利用したのは2020年8月12日でした。お盆休みの混雑する時期ですが、リニューアルオープンしたばかりで、基本的に素泊まりのみということだったので、宿泊者はわずか4名しかいないという驚きのお盆休みでした。素泊まりとはいっても食堂で食事を注文することはできたので、通常の食事付宿泊と変わらなかったのですが、素泊まりのみというアナウンスが先にされてしまっていたので、食事もできるということがあまり知られていなかったようです。


天狗山荘の建っている場所は、天狗尾根の途中にある平坦な場所なので、けっこう広々とした雰囲気のある場所です。小屋の隣には天狗池もあり、後立山連峰の稜線に建っているのを忘れてしまいそうです。


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小屋の売店入口前には、テーブルとベンチが2セットおいてあり、売店のある棟に入ったところにも4セットほどあります。宿泊者やテント泊者はもちろん、立ち寄りの登山者が中のテーブルとベンチで休憩することはもちろん自炊することもできるので、登山者本位の優れたホスピタリティのある山小屋です。



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売店は、広いコンクリートの土間がある休憩スペースの奥にあります。左に見えるのは小屋内の無料水場です。


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それほど品揃えが多いわけではありませんが、飲み物、カップヌードル、お菓子類、パンなどの他にプリムスのガスボンベもありました。


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売店前から入口方向を見た写真です。


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売店入口とは別のテント場受付の札のかかった入口が山荘の入口になります。中に入ると右手に受付、左手は棚になっていますが、登山靴は廊下を上がったところに専用の棚が設置されています。


宿泊棟は廊下を一番奥まで行くと、左右に伸びています。


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中廊下の左右に上下2段の部屋が連なっていて、部屋は6畳間になっています。コロナ禍ということで、布団は1段あたり4組しか用意されていませんでした。宿泊者が少なかったので、この広い部屋を一人で使わせてもらうことができ、個室みたいで快適でした。


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上段は立って歩けるほどの高さがあります。


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食堂は8人掛けぐらいの大きさのテーブルセットが4セット置いてあったので、キャパは32名ぐらいのようです。売店前にもテーブルセットが1つあるので、そちらも使えば40名ぐらいは行けそうですが、宿泊棟の収容人数からすると、満室だったら2~3回転することになりそうです。僕が宿泊したときは素泊まりだけだったこともありたまたまだったのかわかりませんが、食堂で自炊することもOKでした。宿泊者なら、食事時間以外であれば自炊も含めて自由に使えるのかもしれません。


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食堂入口付近の一角には書籍類が用意されていて、手作りのベンチや椅子もあって、いい雰囲気でした。


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乾燥室は8畳ほどの広さがあり、夕方からはストーブの火も入って、消灯までにレインウェアなどはすっかり乾きました。


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トイレは、男女兼用です。入口を入ったすぐ左手に手洗いもあります。屋外トイレはテント場受付の奥にありますが、今回は天候が悪かったこともあって未確認です。写真奥のドアが屋外トイレとつながっていたみたいです。小便器が4つ、個室が3つありました。


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個室のドアは4つありますが、一番入口側の個室は更衣室になっています。


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更衣室は下着を着替えたりするのにあると助かります。


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個室のほうは洋便器で大変綺麗でした。


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洗面所はトイレの隣です。水が豊富な小屋なので、どの蛇口からもしっかり水は出ていました。


テント場のほうには行っていないので、外の水場がどうなっていたのかいまいちわかりませんが、不帰キレットから歩いてきて、天狗池のほとりに水場が設置してありました。しかし、売店棟の中に自炊用の蛇口が設置してあるので、そこで水を汲むことができます。もちろん無料です。


施設充実度については、唯一庇付ベンチがないので、評価4となります。


快適度は満点の5点です。小屋内で自炊ができたり、立ち寄り登山者も自由に休憩できるテーブルやベンチ、水場があることはもちろん、小屋の各施設の配置なども使いやすくて申し分ない山小屋です。トイレ、洗面所、乾燥室、靴棚、食堂が、受付から宿泊棟までの廊下左右にまとまってあり、部屋からどこへ行くにしても同じ方向でほぼ同じぐらいの距離になり、動線がバラけていないのがすごく便利でした。もっとも、宿泊者が多いと動線が集中するあまり混雑してしまう可能性はあります。


ロケーション的には、後立山連峰の縦走路上にあるものの、一番近い白馬鑓ヶ岳まで約1時間とあまりいいロケーションとは言いがたいのが残念なところです。ただし、白馬鑓から杓子岳越に見る白馬岳は絶景らしいので、それ狙いなら天狗山荘が唯一の選択となります。南は長い天狗尾根の先に不帰キレットなので、撮影ポイントとしては弱い感じですが、晴れていればキレットの先に唐松岳が見えると思うので、それなりに画になるかもしれません。あいにく晴れている場合の小屋周辺からの風景は確認できませんでしたが、少し歩けば西の剱岳も見えるでしょうし、東方向は小屋前から展望が広がっているのかもしれません。いずれ、天候のいいときにもう一度訪れて確認してみたいと思います。


総合的に見て、ハード面、ソフト面ともに優秀な山小屋です。暑い夏に山でゆっくりと涼しく過ごすという避暑目的のような登山をするのなら、こういうところで連泊してのんびりするのも悪くないという気もします。鑓温泉経由で入山し、白馬岳や唐松岳へ日帰りで登り、再び鑓温泉経由で下山というのもありかと思います。


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2020/09/04

山小屋通信簿: 唐松岳頂上山荘

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、山岳写真撮影の山行拠点としての評価も加えたいたって個人的な山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがすべてそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

●唐松岳頂上山荘
清潔度:5
快適度:2
ホスピタリティ:3
食事のうまさ:-
施設充実度:1
ロケーション:4
総合評価:3.2


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唐松岳頂上山荘は、唐松岳を眼前に望む稜線上に建つ山小屋です。利用したのは2020年8月11日でした。お盆休みの混雑する時期ですが、コロナ禍で宿泊者数を制限していたおかげで、1人1枚の布団でゆったり寝ることができました。


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けっこうな傾斜のある斜面に建っている山小屋ですが、小屋前にはそれなりの広さの平地があり、窮屈な感じはありません。


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これだけスペースに余裕があるので、小屋前に庇をつけてベンチを設置してくれれば登山者にはとても助かるところですが、小屋前には資材などがおいてあるだけで、そういうことは考えていないようです。


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石垣の前には丸太を削ったようなベンチが一部設置されていましたが、2人掛けのベンチが数脚、使用できないように伏せられた状態で山積になっていました。コロナの関係でソーシャルディスタンスをとるためにそうしていたのかもしれませんが、ちょっと残念な対応です。なお、屋外にはベンチだけで、テーブルはありません。



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小屋の中に入ると、石畳の土間が広がり、左手に受付、右手に売店があります。


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屋外トイレはないので、テント泊者や立ち寄りの登山者は館内のトイレを利用することになります。日帰り客は使用料300円とのことで、一般的に100円となっているところがほとんどですが、ずいぶん高額だなと思います。もっとも、その分綺麗ですけど。


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トイレは、男女別です。入口前に手洗いもあります。


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男性用は小便器が4つ、個室が3つありました。


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個室のほうは洋便器で大変綺麗でした。300円が妥当と思うかぼったくりと思うか、どうでしょうか。


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乾燥室は売店の前にあり、下駄箱も設置されていて、小屋の規模にしてはかなり狭いと感じます。満室状態だったら、ほとんど干す場所がない状態になりそうです。見たところストーブも置かれていなかったようだし、もしもいっぱいにウェア類が干されていたらどうやって乾燥させるか謎です。廊下から温風器で温風を送り込むのでしょうか。


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1階は宿泊部屋はありません。玄関から左へ進むと、すぐにトイレがあり、その先に階段、さらにその奥に食堂があります。食堂は広く綺麗で、窓の外には唐松岳も望めます。夕方であれば日没も正面に見えると思われます。


この小屋にはいわゆる談話室というものがありません。もしかして僕が見落としていた可能性もないわけではありませんが、唐松岳頂上山荘のホームページでも談話室の紹介はないので、おそらく設置されていないと思われます。2020年は営業されていませんでしたが、喫茶室があるらしいのでそちらが談話室をかねているのかもしれません。とはいえ、何も注文しないで使用できるのかはわかりません。食堂は、宿泊者なら自由に利用できますが、書籍類の設置はないので暇つぶしには苦心しそうです。


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2階は中央に廊下があり、左右に宿泊部屋が並んでいます。見た目には、山小屋というよりも普通の旅館といったレベルです。


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すべての部屋が同じかどうかわかりませんが、僕が宿泊した相部屋に関しては上下2段の蚕棚が左右にあるつくりでした。


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奥行きは布団の長さとほぼ同じで、セミダブルサイズぐらいの布団が3枚用意してありました。1人1枚の布団だったらかなり余裕です。おそらく、混雑時に1枚2人で寝るために幅広に作ってあるのでしょう。コロナ禍なので、間は使わず2人で使うのかと思っていたら、きっちり3人での利用だったので、ソーシャルディスタンスがとれているとは言いがたい状態でした。


稜線上の小屋ということで、無料の水場はありません。こういう場合でも宿泊者には制限はあっても無料で水を分けてくれる小屋が多いものですが、ここはそういうサービスはありません。未消毒の雨水が0.5リットル100円です。ペットボトルの水は0.5リットル400円でした。同じように雨水しか利用できない八峰キレットのキレット小屋では、宿泊者には1リットルぐらいは無料でわけてもらえました。


食事については、素泊まりだったので利用していません。この小屋を利用するときは、素泊まりは避けたほうが無難です。というのも、屋内に自炊できる場所が無く、天候のいかんにかかわらず外で自炊することになってしまうからです。丸太を置いただけのようなベンチはあるものの、テーブルは無く、自炊をするにはかなり条件が厳しい環境です。吹きさらしの状態なので、バーナーの火も風にあおられて効率が悪いし、風除けがないと無駄に燃料を消費します。雨など降っていたら最悪です。天候が悪そうだったら、迷わず食事付で宿泊しましょう。もし素泊まりで利用するのなら、夏でもポットを持参して、お湯を沸かせるときにポットに入れておけば、悪天候になっても朝夕の食事時間以外なら食堂で食事をとることが可能です。


施設充実度については、小屋前にベンチがあっただけなので、評価1となります。


快適度が2になっているのは、談話室がなく、自炊場所も無く、乾燥室も狭く、自由に使える食堂もくつろぐ要素がないということで、食堂が使えて乾燥室があるという2ポイントだけの評価です。従業員の対応は、とくに気になるようなことはありません。


ロケーション的には、後立山連峰の縦走路上にあり、唐松岳が目の前にあるうえに、五竜岳へも日帰りできる距離なので、そこそこいいロケーションです。祖母谷方面への登山道もあるので、唐松岳の西にある餓鬼山ぐらいであれば日帰りも可能な距離です。また、早朝小屋を出れば、誰もいない八方池で日の出時間の撮影ができそうです。ただし、唐松岳の北には不帰キレット、五竜岳の南には八峰キレットがあり、行動範囲がある程度制限されてしまうというデメリットもないわけではありません。そのため、評価4としています。


総合的に見て、小屋自体は綺麗で立派なのですが、観光地の観光旅館のようなどこか冷めたような感じのする山小屋です。施設の作り方や料金など食事付宿泊者以外にはあまりサービスしようという考えがないように感じるので、金を落としてくれる観光客相手の商売というスタイルでやっている山小屋のように思えます。八方尾根経由で観光登山客が多そうなので、そういうスタイルの商売になってしまうのでしょう。


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2020/06/06

山小屋通信簿: 穂高岳山荘

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、山岳写真撮影の山行拠点としての評価も加えたいたって個人的な山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要


●穂高岳山荘
清潔度:5
快適度:4
ホスピタリティ:5
食事のうまさ:5
施設充実度:3
ロケーション:5
総合評価:4.5


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穂高岳山荘は、奥穂高岳と涸沢岳の間のコルにある山小屋です。利用したのは2017年5月1日でした。GW時期なので、小屋開け直後でした。なので、小屋の周辺は完全に雪に埋もれていて無雪期の状況はよくわかりませんが、2001年9月に槍穂高連峰を縦走したときに立ち寄ったことがあるので、おぼろげな記憶に基づいて施設充実度も評価しておきました。


入口前には涸沢カールに面して石畳の広いテラスがあり、テーブルとベンチが数セット設置されています。展望は最高です。東向きになるので、常念岳の向こうから昇る朝日はもちろん、右手に前穂高岳、左手に北穂高岳などを望むことができます。屋根つきのベンチなどはないので、雨の日に休憩するには小屋に入らざるを得ませんが、夏でも雨の日は寒いので小屋に入って熱いコーヒーでも飲むに限ります。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




小屋の中に入ると、石畳の土間が広がり、左手に食堂スペース、右手にラウンジがあります。GW時には、雪の廊下のような状態のアプローチを下り玄関前に着くと、クランポンを外して入るようにと書かれた張り紙がありました。悪天候で強風で雪が舞い上がる状態で凍りついたクランポンをグローブのまま外すのに手間取り、すぐに小屋に入るのだからと素手で外したのですが、凍傷になるかと思いました。ところが、僕の後から到着した香港から来たグループは当然ながらこの張り紙が読めず、クランポンのまま小屋に入ってきました。受付のお姉さんはクランポンのまま入ってきたことを注意することも無く応対していましたが、バカ正直に凍傷になりそうな状況でクランポンを外した自分が愚かしく感じてしまいました。


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1階は宿泊部屋はたしかなかったように記憶しています。玄関ロビー横のラウンジはストーブとテレビが設置されていて、セルフサービスのコーヒーや紅茶のサービスもありました。ここから東の展望があるので、寒いときのご来光は室内から見ることもできそうです。


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ラウンジの反対側(西側)には談話室があります。こちらはラウンジと違って締め切ることができる部屋になっていて、ストーブもあるので暖かく、暇つぶしにお茶を飲みつつ本を読んだりすることができます。こちらは西側の展望があるので、笠ヶ岳に沈む夕日を見ることができます。


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奥には乾燥室やトイレがあります。やや記憶が不確かですが、トイレは男女兼用だったと思います。


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個室のほうは簡易水洗の洋式になっています。GW時には洗面所は使用できなくなっていて、ポリタンクの水が用意されていたような気がします。ちなみに、立ち寄り者用に有料の外トイレがあるようですが、GW時は雪の下だったらしく未確認です。


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2階は中央に廊下があり、左右に宿泊部屋が並んでいます。廊下に荷物置き場の棚がありますが、廊下の幅が広いのですれ違いも十分できる余裕があります。


稜線上の小屋ということで、無料の水場はありません。宿泊者には無料で水を分けてもらえましたが、容量制限があったかどうかはよく覚えていません。たしか、2リットルのプラティパスをいっぱいにしてもらったような気がしますが、1リットルだったかもしれません。宿泊以外の立ち寄り者には、受付横で1リットル200円で販売していると、ホームページには書いてあります。


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食堂は2階の廊下の突き当りから直接出入りすることができるので、いちいちロビーで靴を履き替える必要はありません。このときは宿泊者は10名ぐらいしかいなかったのでこの場所だけで済んでいますが、混雑時は土間の食堂スペースも利用するのかもしれません。


食事については、3年前のことでほとんど記憶はありませんが、不味かったという記憶は無いので味はよかったのだと思います。この写真は、おそらく朝食のときのものです。


施設充実度については、小屋前のテーブル&ベンチ、屋外トイレがあるということで、評価3です。無料の水場と庇つきベンチはありませんが、絶景が広がる石畳のテラスがあるだけで、評価5にしてもいいと思えるほどです。


快適度が4になっているのは、談話室の書籍類がけっこう少なかったことによります。これはたまたまタイミング的なものなだったのかどうかわかりませんが、空白の本棚が多くもう少し種類を増やして欲しいところです。


ロケーション的には、槍穂高連峰の縦走路上にあるのでかなり便利でいい場所です。奥穂高岳、前穂高岳、涸沢岳、北穂高岳へ日帰りが可能ですが、小屋前から朝日も夕日も見られるし、あまり脚を伸ばさなくてもどこにでも撮影ポイントがあるといってもいい最高のロケーションです。


総合的に見て、トップクラスの快適な山小屋だといってもいいと思います。

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2019/10/09

山小屋通信簿: 二ノ池ヒュッテ

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、山岳写真撮影の山行拠点としての評価も加えたいたって個人的な山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要


●二ノ池ヒュッテ
清潔度:5
快適度:3
ホスピタリティ:2
食事のうまさ:4
施設充実度:1
ロケーション:3
総合評価:3


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二ノ池ヒュッテは、御嶽山山頂部の二ノ池近くにある山小屋です。利用したのは2019年8月13日でした。


二ノ池のそばには、二ノ池山荘(旧二ノ池本館)と二ノ池ヒュッテ(旧二ノ池新館)の2館がありますが、二ノ池のすぐそばにあり、目の前に二ノ池があるのが二ノ池山荘です。二ノ池ヒュッテは、二ノ池山荘から三ノ池方面に5分ほど歩いたところにあります。


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入口前にはちょっとした広場があり、石垣に食い込むように古材を使ったベンチがしつらえてありますが、テーブルはなく、なんとなく殺風景な趣です。


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小屋の中に入ると、すぐ右側に立ち寄り客用の休憩スペースらしき部屋があり、テーブルと椅子が設置されています。手前の白いテーブルクロスのところまでは土足のままで入ることができます。奥の小上がりの半分ほどはブルーシートが引いてあり、上に服がかけられているところを見るとどうやら乾燥室代わりに使われているようです。その隣のクロスがかかっていないテーブルは、自炊場所なのかもしれません。


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一般的にはこういう休憩スペースのあるところに受付があるものですが、この小屋は入口付近にスタッフが常駐する場所はありません。休憩スペースの壁に販売品の陳列棚があり、何がいくらで売られているのかがわかるようになっています。


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カップラーメンは、お湯なしで400円、お湯いれで500円でした。


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ドリンク類はこういう感じです。


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コーヒー、ココアが500円で、注文したい場合はベルを鳴らしてスタッフが出てくるのを待つというシステムのようです。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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入口からまっすぐ奥に続く廊下を進んでいくと、左右に広い板の間があります。二ノ池側になる左手が食堂として利用されていますが、5人用の座卓が3セットあるだけなので、定員は15名ということなんでしょうか。反対側は円卓が1つ置かれているだけで、スタッフの食事用に使われているようです。受付はこの右奥にある厨房の入口にカウンターが設置されていて、宿泊手続きなどもそこでします。


僕が宿泊手続きをしたのはちょうどお昼を回った頃でしたが、立ち寄り客が1組いただけでとくに混雑している状況ではありませんでした。しかし、宿泊者カードに必要なことを記入して朝夕食の確認をされた以外は、トイレの場所、乾燥室の有無、売店の説明などなにもなく、食事の時間の説明があっただけでした。当日は山岳ライターの小林千穂さんのトークショーがあるとかで、通常18時からの夕食が17時30分に繰り上げになるということだったのですが、受付時は18時と説明されあとで訂正されて知ったという状況でした。


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宿泊棟は食堂などがあるところから短い階段を上がった棟続きになります。8畳間のほかに4畳や6畳などの部屋がいくつかあったようですが、単独の男性は8畳間に詰め込まれ、グループは別の部屋という割り振りでした。8畳間でも定員は7名となっていたので、きつきつではなかったのものの、他に空室もあったようなので、もう少しゆったりめに部屋を割り振ってくれてもよさそうなものなのにと思わないでもありません。まあ、掃除する部屋が増えるとめんどうだからとか、いろいろと理由はあるのでしょう。


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トイレは屋内のみで、男女兼用です。外トイレはなく、外来の利用は有料のようです。日帰り登山者なら、二ノ池山荘に有料の外トイレがあるので、そちらを使うのがよさそうです。入って正面に男性小便器がならび、左手奥に個室が4つ。水洗ではありませんが、一番手前は洋便器でした。夏でしたが、トイレは臭いもきつくないしきれいに掃除されていました。


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トイレ前に流しがあり、蛇口もついていますが、宿泊時は水不足だとかで、ポリタンクの水を使用するようになっていました。


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御嶽山山頂部には水場がなく、二ノ池ヒュッテでは宿泊者にも水のサービスはありません。ドリンクバーがあり、300円で宿泊中は自由にコーヒーやらお茶が飲めるシステムらしいのですが、受付時に何の説明もなかったので、ドリンクバーの存在を出発するときまで知らず利用できませんでした。


水が必要な場合は、ペットボトルの水を購入しなければなりません。水の確保が難しい稜線上に立つ山小屋でも宿泊者には1リットル程度の水のサービスはしてくれるところが多いものですが、ここは無料のサービスはありません。食事時に温かい麦茶の無料サービスはありますが、薬を飲みたいのでコップ1杯の水をもらえないかとスタッフに聞いたら、水は買ってくれとあっさり断られました。お茶は無料だが水は有料という不思議な小屋です。


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食堂の脇にテレビとわずかな雑誌や本が置かれていますが、十分な暇つぶしができるというほど充実しているわけではありません。テレビは、御嶽の自然を紹介するようなビデオが流れていたみたいですが、天気予報など登山者に役立つものを流してもらいたいものです。


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食事については、味はよかったです。ただ、夕食は量が少なく、どちらかといえば女性受けを意識したメニューのようで、自分には物足りなさが残りました。詳しくは山行記録のほうに書いてあります。朝食は一般的な和風のメニューで、夕食よりは満足感がありました。


味のほうはいいとして、5人で座る座卓がけっこうせせこましくて、食事環境はお世辞にも快適とはいえない状況でした。夕食時、廊下を挟んだ反対側にある円卓が空いていたので、そちらに座って食べようとしていました。他に2人ほどいたのですが、大きな円卓なのでゆったりと座れて快適でした。ところが、5人席のテーブルのほうに移ってくれといわれて、肩を寄せ合うようなせせこましい状況で食べさせられたのでした。その理由が、登山者同士コミュニケーションをとって楽しく食事をして欲しいからだとかなんとか。それこそ余計なお世話で、混雑した大衆食堂の相席のような状況で食べさせられるほうが全然楽しくないわけです。女性オーナーだからなのか知りませんが、どうも登山者に価値観を押し付けるようなところが感じられ、食事に限らずサービスのあり方全般に客のニーズにこたえようという発想があまりないような気がしました。まあ、個人オーナーの宿ですから、自分の望むサービスを提供したいというのならそれは自由ですが、すこし独善的過ぎると感じます。


施設充実度については、小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげる庇付きベンチのうち、小屋前のベンチだけしかないので評価1です。小屋のつくりのせいなのか、なんとなく外来の登山者はあまり歓迎していない雰囲気があります。サービス精神旺盛な五ノ池小屋とは正反対の小屋作りという感じです。


ロケーション的には、二ノ池ヒュッテは北向きのなだらかな斜面に立っていて、二ノ池は背後にある斜面の向こう側にあるため、小屋の中から見ることはできませんし、剣ヶ峰も山頂部がわずかに覗いている程度です。反対側の三ノ池方面はなだらかな斜面の先に賽の河原を挟んで摩利支天山が見えますが、横に長い台形の山なので展望としては特徴のない平凡な風景といえます。御嶽山山頂部で撮影をするためのベースにするなら、すぐ前に二ノ池がある二ノ池山荘か、むしろ五ノ池山荘まで離れたほうが剣ヶ峰などの撮影にはいいのかもしれません。


総合的に見て、宿泊者に対するホスピタリティもあまりいいとは感じませんでしたし、快適だったわけでもなく、ロケーション的にいいというわけでもないので、お勧めできる山小屋とはいえないというのが正直な感想です。

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2019/07/21

山小屋通信簿: 白山荘

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、山岳写真撮影の山行拠点としての評価も加えたいたって個人的な山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

●白山荘
清潔度:5
快適度:3
ホスピタリティ:3
食事のうまさ:-
施設充実度:5
ロケーション:4
総合評価:4


白山荘は、白山室堂にある山小屋です。利用したのは2018年10月14日で、営業終了直前の時期でした。


白山荘という名前がついているので独立した山小屋のような雰囲気ですが、室堂の宿泊施設の一部で、自炊宿泊者専用棟になります。冬期避難小屋としても利用されます。食事付宿泊者は別棟になるみたいで、そちらにも違う名前がついているのでしょう。



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白山室堂に宿泊する場合は、白山室堂予約センターに電話で予約を入れます。以前は2日前までに電話で予約などと上から目線の態度だったような記憶がありますが、最近は前日予約も受け付けるようになりました。予約状況などの詳しい情報は白山観光協会が運営している「白山ベストガイド」というサイトで確認できます。このサイトは、名前の通り白山に関する様々な情報を掲載しているので、道路状況、予約状況、天気予報など必要な情報をまとめて入手できます。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




宿泊受付は白山ビジターセンターでまとめて受け付けていますが、なんと午後1時からでないと受け付けてくれません。なので、早めに着いて、荷物を小屋に置いて白山に登りに行くつもりなら、行動用の小型バックパックを持っていく必要があります。荷物は、ビジターセンター内のロビーの隅などに置かせてもらうか、外の軒下などに置いておくしかありません。


また、ビジターセンター内の売店でコーヒーなど頼むと、カップは自分で持ち帰れとずいぶん傲慢な商売をしてくれます。缶ジュースなどの場合も、空き缶は持ち帰れといわれるのかどうか知りませんが、見た限りではゴミ箱は設置されていなかったので、買ったものはすべて持ち帰らせようというのが、ここのスタンスのようです。無人の山小屋ならいざ知らず、有人の山小屋でこのスタンスはちょっと理解に苦しみます。ちなみに、レストランで食事をした場合は、丼や皿は回収しているようです。


なぜこのスタンスに不満があるのかというと、「容器包装リサイクル法」において、「容器」「包装」(商品の容器及び包装自体が有償である場合を含む)を利用して商品を販売する事業者や、容器を製造・輸入する事業者は、「特定事業者」として再商品化義務を負うと法律で定められているからです。再商品化というのは、簡単に言えば容器・包装を回収してリサイクルするということです。スーパーで牛乳パックや白いプラスチックトレイを回収しているのは、この法律のためです。つまり、白山ビジターセンターも、「容器」「包装」を利用して商品を販売する事業者である以上、特定事業者としてこの義務を果たさなければいけないのに、登山者に容器の回収を押し付けているという点が問題だと思うわけです。ゴミ持ち帰り運動などと聞こえのいいことを言っているようですが、たんなる法律違反であり、義務の放棄にすぎません。法律にのっとって回収もしつつ、持ち帰りに協力をお願いするというのなら理解できますが、一方的に回収しないから持ち帰れというのでは、違法行為でしかありません。


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白山荘は、ビジターセンター裏口(白山神社側)を出て、左側にあります。


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白山荘入口の向側、ビジターセンター横に水場が設置されています。ステンレスのシンクもある立派な水場です。


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中に入ると、中心にコンクリート土間があり、自炊用の長テーブルと椅子が設置されていて、宿泊場所は左右の壁沿いにあります。


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宿泊場所は小屋側で決められ、中に入ると自分の宿泊場所に専用の寝具が用意されていました。通常の山小屋であれば、宿泊者がいようがいまいが寝具はすべて用意された状態ですが、ここでは個別対応でした。営業終了直前で寝具はすでに倉庫にしまっていて、必要に応じて出すということだったのかもしれません。なお、入口横に布団部屋があり、寒ければ自分で毛布を出してくればいいようです。


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小屋内にストーブが設置されていて、氷点下にまで気温が下がることもある10月の白山で凍えるような寒さを感じないですみます。とはいえ、ストーブ周囲には立ち入り禁止のテープが貼ってあり、ストーブのそばで暖を取るということはできません。なお、就寝時間になると自動でストーブは消火され、朝は自動で点火されているようです。


小屋の設備ですが、小屋内にはトイレ、水場はありません。水場は小屋を出たところ、トイレはビジターセンター正面入口横の外トイレを利用します。白山ベストガイドのサイトには、外トイレは簡易水洗と汲み取り式の2つがあると書かれていますが、白山荘から近いトイレは汲み取り式です。簡易水洗トイレがどこにあるのかはわかりません。また、自炊専用棟ということで、談話室もないし、乾燥室もありません。濡れた雨具などは、入口ホールの一角にクローゼットのような場所があるので、そこにつるしておくということになるようです。まあ、空いていれば室内に持ち込んでもよさそうですが。


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施設充実度については、小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげる庇付きベンチがすべてそろっているので、評価5です。庇つきベンチに関しては、ビジターセンター棟の周囲のテラスにベンチとテーブルも置かれているので、多少の雨なら濡れずに休憩することもできます。


ロケーション的には、ほぼ独立峰といえる白山を撮影して回るための基地となる場所であり、他の山も撮影して回ることができるバリエーションが豊富な立地ではありません。ただし、釈迦岳や大倉山、七倉山あたりまでなら日帰りもできそうなので、いろいろな方向から白山を撮影することもできるという意味では、それなりにいいロケーションだと思います。健脚なら、別山まで日帰りもできるかもしれません。

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2019/03/10

山小屋通信簿: 白馬鑓温泉小屋 

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、山岳写真撮影の山行拠点としての評価も加えたいたって個人的な山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

●白馬鑓温泉小屋
清潔度:5
快適度:1
ホスピタリティ:1
食事のうまさ:-
施設充実度:4
ロケーション:3
総合評価:2.8


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白馬鑓温泉小屋は、白馬登山の入口となる猿倉から白馬鑓ヶ岳へと向かう登山道の途中にある山小屋です。利用したのは、2018年8月で、白馬岳から下山するときに立ち寄りました。


登山道が山小屋の棟と棟の間を通っていて、棟間を人が移動する動線とちょうど交差するようになっているので、下山してきて建物が見えたと思ったら、いつの間にか山小屋の中に入っていたというちょっと変わった立地になっています。さらに、登山道はそのまま階段を下りて温泉横を通り、テント場の中を突っ切って下っていくようになっているので、登山道なのか小屋の施設を移動するための道なのかよくわからない不思議なつくりです。


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小屋は2棟で構成されていて、小さいほうが宿泊専用棟、大きいほうが受付と売店と食堂、および宿泊棟になっています。登山道と交差するところに売店のカウンターがあり、そばに無料の水場が設置されています。売店カウンターの左奥に食堂入口があり、宿泊受付などはこちらで行います。


食堂が売店と談話室をかねているようでしたが、人が大勢いたのであまり詳しくは見ていません。なので、本などが置かれていたのかどうかは未確認です。


食事については、素泊まりだったので不明です。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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食堂の奥が宿泊棟になっているようで、いったん食堂から出てさらに建物にそって奥に行くと宿泊者用の出入り口があります。宿泊棟と食堂棟の間や、建物に沿った通路部分にはひさしがかけられていて、雨にぬれずに移動することができ、しかも壁際にベンチも設置されているので、休憩などには便利です。


ただし、このひさしの下が乾燥室代わりになっているようで、雨具がずらりと干されていて、移動するのがけっこう大変でした。奥の宿泊棟には入っていませんが、雨具を外に干しているところを見ると、中に乾燥室はないのでしょう。


この小屋で一番気になったのが、喫煙に関してあまりにも無頓着というか、無神経なところです。上の写真でわかるとおり、受付のすぐそば、登山道と小屋の動線が交差する一番人通りの多い場所にどうどうと灰皿が設置されていることです。宿泊棟への出入り、トイレや温泉への行き帰り、受付や売店の利用時、自炊時とすべてのタイミングで喫煙者の副流煙に悩まされることになります。おかげで毎回ここを通過するときは息を止めて足早に移動せざるを得ませんでした。


ところが、自炊の場合はそういうわけには行かないので、一番奥のひさしがなくなる辺りまで行って自炊をする必要があります。雨が降っていれば少し降りこんで来たりして多少ぬれる羽目にもなりますが、タバコの不愉快な臭いをかぎながら食事をするよりははるかにましです。風向きによっては人が出入りするときに宿泊棟の中に臭いが入ってくることもあり、不愉快極まりないというのが本音です。おそらくスタッフが喫煙しやすい場所に灰皿を置いているというのが真相なのでしょうが、喫煙率は20%程度ですから、多くの登山者は喫煙しないわけで、その少数派のために多数の人が不愉快な思いを我慢しなければいけないという状況をなんともおもわない山小屋スタッフおよび経営者の無神経さは最悪です。


居酒屋ですら全面禁煙に踏み切る店が出てきているこのご時勢に、半ば公共施設的性格を有する山小屋でこの無神経ぶりはなんなんでしょうか。僕の知る限り、種池山荘と双璧をなすレベルの低さです。種池山荘は、山小屋入口前とベンチやテーブルのおいてある人の集まる場所に複数の灰皿をわざわざ設置するという喫煙者厚遇ぶりが異常でしたが、こちらもわざわざ人の多い場所に灰皿を設置するという点で同じです。灰皿があるのをいいことに人の大勢いるところで平気で喫煙する非常識な連中にもあきれてしまいますが、根本はこんなところに灰皿を設置している小屋側の無神経さに問題があります。


快適度とホスピタリティのポイントが1になっているのは、乾燥室なし、自炊部屋なし、談話室なし、といった理由に加えて、この灰皿の設置場所があまりにもひどいということで、1ポイントにしました。タバコの臭いを強制的にかがされる山小屋に快適性もホスピタリティもありません。ただし、受付の応対などは何も問題ありませんでした。


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小さい方の宿泊棟は、中に入ると中央に通路があり、左右に二段の蚕棚がならぶというタイプです。手前の右手二階には扉のついた個室スペースもあるようです。


布団はすべて幅60センチぐらいの狭いタイプで、はじめから混雑時を想定した仕様になっているようです。チェックインしたときはぜんぜん余裕でしたが、夕方までにはほぼ満員になりました。お盆休み時なので仕方がありませんが、ひとつの布団に赤の他人と一緒に寝るよりはまだましかなという感じです。


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この小屋のいいところは、温泉があるところに尽きます。宿泊者は無料で何度でも入浴することができますが、露天風呂はテント場からも登山道からも丸見えなので、明るいうちに入るには若干勇気が必要です。


トイレは、少し離れたところに別棟で設置されていて、男女兼用です。中に入ると左手に男性小便器、右手に個室が並んでいます。個室のほうはきれいに保たれていました。


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ロケーション的には、白馬鑓ヶ岳まで3時間の急登が続くうえに、特にどこの山が見えるということもないので、撮影基地としての利用には不適です。東方面が開けているので、運がよければ朝方にきれいな朝焼けが見えるかもしれないというぐらいのメリットはあります。


あくまでも個人的な意見になりますが、タバコに関する無神経さを考えると、非常時以外に利用したいとは思いません。


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2018/06/10

山小屋通信簿: 双六冬期避難小屋

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、ヤマふぉと派の観点から撮影山行基地としての評価も加えた山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

双六冬期避難小屋
清潔度:4
快適度:4
ホスピタリティ:-
食事のうまさ:-
施設充実度:4
ロケーション:4
総合評価:4

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双六冬期避難小屋は、双六岳と樅沢岳の鞍部にあります。双六小屋からは少し離れていて、夏期には倉庫として使われている小屋のようです。


西向きの入口は梯子を登ったところにあり、荷物を満載した大型のバックパックを出し入れするのはかなり大変です。できるだけ、ばらして出し入れした方がかえって楽に通過できると思います。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




IMG_0103_20180509214649fb1.jpg
床は滑り止めの付いた鉄板が敷いてあり、通常の山小屋のような床がありません。ベッドになる棚は左手と奥にそれぞれ2名分あり、右手の棚はすのこ状になっているため、人が寝るのにはあまり適していないと思われます。さらに、小屋裏まで上がると就寝スペースがあるようで、2~3名は寝られるようです。なので、床を除けば6~7名が定員という感じですが、床を利用すればさらに4~5名は大丈夫です。2018年5月に利用した時は、室内は清潔に保たれていました。


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トイレは小屋内にあります。中は個室になっていて、洋式便器が設置されていました。汚れた感じもなく、清潔でした。ペーパーホルダーは設置してありますが、ペーパーの備え付けはないので、持参が原則。使用済みの紙は段ボール箱に捨てる方式です。また、トイレ内に灯りとりの窓はないので、ヘッドライトが必要です。


無雪期の水場は利用できないので、積雪期には水場はありません。小屋周辺の雪を利用して水づくりをする必要がありますが、冬期避難小屋利用ならあたりまえのことなので、とくに困ることはないと思います。


ロケーション的には、南北に開けた鞍部なので、南と北の展望はあります。


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南は笠ヶ岳、


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北は三俣蓮華岳から鷲羽岳が良く見えます。


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東の樅沢岳山頂まで約30分かかりますが、山頂から見る西鎌尾根と槍ヶ岳、穂高連峰は絶景です。


双六岳山頂までは1時間ほどかかりますが、広い双六台地の先にそびえる槍ヶ岳の風景も素晴らしく、あまり苦労しないでも素晴らしい風景を見ることができるという恵まれたロケーションです。


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双六冬期避難小屋は有料の避難小屋なので、宿泊した場合は後日事務所あてに料金を送ることになります。宿泊時は、備え付けの紙に宿泊日時と氏名、連絡先などを記入してボックスに投函しておきます。支払に関して督促が来るのかどうかしりませんが、下山後は自主的に料金を送るのが登山者としてのマナーだと思います。ちなみに、現金書留で送ると、封筒代21円+512円が必要なので、通信費が宿泊費の50%にもなってしまいます。郵便振替にしてくれればもっと安くなるんですけどねえ。


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2018/02/07

山小屋通信簿: 三嶺ヒュッテ

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、ヤマふぉと派の観点から撮影山行基地としての評価も加えた山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

三嶺ヒュッテ
清潔度:4
快適度:3
ホスピタリティ:-
食事のうまさ:-
施設充実度:2
ロケーション:5
総合評価:3.5

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三嶺ヒュッテは、四国は徳島県の三嶺山頂にある避難小屋です。名前だけ聞くと営業小屋のようですが、通年無料開放されている無人の避難小屋になります。


徳島県側の三嶺登山口は、いやしの温泉郷がある菅生と、菅生からさらに東へ行ったところにある名頃の2か所ですが、どちらから登っても3時間強の時間がかかります。宿泊装備ならさらに30分ぐらい余分にかかるとみておいた方がいいでしょう。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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三嶺ヒュッテの入り口を入ると、最初に半分物置になっている土間があり、そこからさらに引き戸を開けると小屋の内部に入れます。中央の廊下を挟んで左右と正面に床があります。1階床の上に同じ広さの二階床があり、梯子が二カ所設置されています。定員がどれぐらいなのか知りませんが、結構な人数が宿泊できる広さです。1階だけでも30人ぐらい寝られそうな感じです。


いままで利用した限りでは、室内は常に清潔に保たれています。床の上も虫の死骸やゴミなどが落ちているのを見た記憶はありません。定期的に清掃されているのか、利用者のマナーがいいのかわかりませんが、気持ちよく利用することができます。


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トイレは小屋外にあります。小屋から歩いて1分ぐらいのところに建っている小さな小屋がトイレです。



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中は個室が2つあるだけで、古いわりにそれほど汚い感じはありません。ペーパーの備え付けはないので、持参が原則。使用済みの紙の処理をどうしろという注意書きもないし、紙を入れるゴミ箱も設置されていませんが、昨今の山小屋のトイレ事情を考えれば持ち帰るのがマナーかなと思います。なので、三嶺ヒュッテを使う場合は、トイレ用のゴミ袋を持参しましょう。スーパーのレジ袋を2枚重ねにすれば強度も臭いも心配ないと思います。


水場は近くにはありません。一番近くの水は小屋の近くにある池で、見た目にはけっこうきれいですが、煮沸したとしてもそのまま飲むのはちょっと勇気がいります。浄水器を使ったほうが無難だと思います。名頃コースを10分ほど下ったところに水場があり、2015年8月に通った時は水は流れていましたが、常に枯れずに出ているのかどうかは不明です。菅生から登る場合は、途中に水場はないので、登山口から担ぐか、浄水器で池の水をろ過するかのどちらかになります。


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ロケーション的には、山頂まで10分程度と至近の距離にあり、山頂からの展望も360度広がっていて、撮影拠点にするにはいい場所です。


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笹原に覆われた台地に池と小屋がある風景はどこか牧歌的で、いい雰囲気です。


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剣山との縦走路を白髭山方面に下って行けば、巨岩のある力強い風景にも出会えます。


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足を延ばして天狗塚まで行けば、どこか黒部源流の雲ノ平に似た雰囲気も味わえます。


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剣山と次郎笈がよく見えるので、背景にからめる構図を考えながら撮影するのも面白いエリアです。


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2018/01/27

山小屋通信簿: チブリ尾根避難小屋

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、ヤマふぉと派の観点から撮影山行基地としての評価も加えた山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。1種類を1ポイントとして評価します。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

●チブリ尾根避難小屋
清潔度:4
快適度:3
ホスピタリティ:-
食事のうまさ:-
施設充実度:2
ロケーション:3
総合評価:3


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チブリ尾根避難小屋は、白山の南にある別山への登山コースとなっているチブリ尾根の途中にあります。市ノ瀬登山口から約4時間の登りを経てやっとたどり着いた避難小屋は、尾根が平坦になっている部分にあり、しかも小高い場所にあって周囲に背の高い木がないので、ほぼ360度の展望があります。


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小屋からは北に白山がどっしりとすそ野を広げているのが見えます。


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東には白山から別山を経て三ノ峰へと続く長大な稜線が城壁のように連なっているのが一望できます。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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入口を入ると、すぐ右側にトイレがあります。和式の汲み取り式ですが、比較的清潔に保たれています。


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入り口正面の内扉を開くと、石畳の玄関土間があり、床は正面と左手にL字型に設けられています。二階はありません。


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定員は20人となっていて、見た感じはだいたいそれぐらいは泊まれそうな広さです。


室内はそこそこ清潔ですが、よく見ると虫の死骸などが床の上に転がっているので、備え付けの箒できれいに掃いてから荷物を広げたほうがいいです。そのため清潔度のポイントは4としています。また、避難小屋ということで快適度は可もなく不可もなくの3ポイントにしました。施設充実度については、トイレがある以外は、水場も外ベンチもなく充実しているとは言えませんが、自由に入って休憩できるので庇付のベンチがあるのと同等とみなして2ポイントをつけました。ちなみに、水場は登山口から2時間ほどのところにある最終水場で汲んで、避難小屋まで担ぎ上げる必要があります。小屋の近くに池があるので、浄水器があればそれを利用することは可能ですが、気分的にどうだかというところです。


ロケーション的には、白山、別山がさえぎられることなく見えますが、ここから見る白山は平べったく特徴が少ないということで、あまりフォトジェニックではありません。別山も稜線の途中にあるピークなのでこれと言って特徴もなく、撮影山行の基地としての魅力はあまりありません。


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チブリ尾根を登りつめたところにある御舎利山まで登れば、それなりにダイナミックな白山の山岳風景が撮れますが、避難小屋から御舎利山まではけっこうハードな道のりで、1時間強の登山となるので気軽に撮影に出かけるというわけにもいかず、歩く方向、太陽の向きなどを考慮して行程の計画を練る必要があります。


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2017/09/10

山小屋通信簿: 冷池山荘

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、ヤマふぉと派の観点から撮影山行基地としての評価も加えた山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。1種類を1ポイントとして評価します。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

冷池山荘
清潔度:5
快適度:5
ホスピタリティ:5
食事のうまさ:-
施設充実度:3
ロケーション:4
総合評価:4.4


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冷池山荘は、後立山連峰の鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳の中間の尾根上にある山荘です。


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爺ヶ岳を越えて北上していくと、冷乗越の先で最低鞍部を通過して、5分ほどの登り返しをこなすとベンチのある広場に出て山荘はそのすぐ先に見えます。鹿島槍方面から南下してくると、テント場を過ぎて急傾斜の道を5分ほど下ったら山荘に着きます。


それほど広くない尾根に建つ小屋なので、建物は尾根に沿って南北に細長い建物です。玄関は東側にあり、玄関前には屋根がついているので、雨の時は濡れずにカッパを脱げるので助かります。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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玄関ホールは大変広く、石畳の広い土間に面して、正面にテレビのある休憩場所が設けられています。休憩場所の右側にあるドアを入ったところが乾燥室になります。乾燥室も8畳間ぐらいの広さがあり、満室に近い状態でも干すスペースはそれなりに確保できそうです。


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受付と売店は玄関を入った左側にあります。一応宿泊やテントの受付と売店の窓口は分けられているようですが、人手の多少によってはいっしょくたになってしまうようです。


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自炊室は玄関を入って右手にあり、土足のままま入れるようになっていますが、基本的に素泊まりの宿泊客しか利用しないはずなので、床をはって素足で利用できるようにしてくれた方がありがたいと思います。広さは6畳間ほどなので、キャパは多くなく、混みあうときは早めに利用するなど工夫が必要です。


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僕が冷池山荘を利用したのは激混みになるであろうお盆休み初日の祝日だった8月11日です。もともとテント泊の予定がテントを張るスペースがなく、やむなく素泊まりで宿泊を申し込んだのですが、奇跡的に部屋に余裕があり、一人一枚の布団で寝ることができました。しかも6人部屋に5人の宿泊で、余裕まである状態でした。水場もトイレもない離れた場所にあるテント場でテント泊するより格段に好条件で寝ることができてラッキーでした。


受付の対応は極めて丁寧で、受付後には乾燥室やトイレ、洗面所の位置などを説明しながら部屋まで案内してくれる親切さで、どこぞのリゾートホテルにでも迷い込んだかのようでした。


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小屋の内部は大変きれで、廊下も広びろしており、すれ違いで体の向きを変えたりよけたりする必要がない程度の幅が確保されています。


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洗面所もあり、歯磨きなども混みあうことなくすることができました。ただし、洗面所の水は天水利用らしく、飲用は不可で、歯磨きにも不適だと書かれていました。手洗いなどの利用にとどめておいた方がいいようです。


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トイレは、これまでこれほどきれいで広いトイレのある山小屋は見たことがないというハイレベルのトイレです。完全男女別のトイレなのに、男性用だけでこの広さです。個室の方は洋便器のブースもあります。トイレ内に手洗いも設置されていて、しかもペーパータオルまで用意されています。


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二階に談話室があり、漫画や雑誌類もたくさん置いてありました。もともとはバーかカフェとして利用していたみたいで、カウンターがありましたが、今は使われていないみたいです。



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また、二階に診療室という札がかかった部屋がありましたが、山荘のサイトには医者がいるという説明はないし、チェックインのときにも説明はありませんでした。しかし、「診療室に御用の方は受付まで申し出ください」と書かれた札がかかっていたので、実際にお医者さんがいるのかもしれません。



飲用の水は、小屋の外にある水専用の売店で購入します。宿泊者には1リットルが無料になりますが、それ以上は1リットル150円です。沢水をポンプアップしているとのことなので、沸かさなくても直接飲用できます。


ロケーション的には、北に鹿島槍ヶ岳、南に爺ヶ岳があり、どちらへも1時間半から2時間程度で行くことができます。晴れていれば小屋前の一段高いところにある東向きのテラスからどちらの山も見られそうですが、僕が宿泊した時はガスで確認できませんでした。もしも、鹿島槍や爺ヶ岳がきれいにみえるのであれば、撮影地としてはそれなりに便利です。


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もっとも、テント場まで上がれば爺ヶ岳はきれいに見えているし、鹿島槍もテント場からすこし北へ行けば十分見ることができます。ガスで確認はできていませんが、立山や剱岳もおそらく見ることができると思います。テント場から見えなくても、鹿島槍の手前にある布引山の近くまで行けば森林限界を超えた稜線になるので、確実に見ることができるはずです。その点では、撮影するならむしろテント場にいたほうが便利かもしれません。ただ、テント場は水場もトイレもなく、どちらも小屋まで急傾斜の尾根道を5分ほど歩かなければいけないのが不便です。


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2017/07/08

山小屋通信簿: お亀岩避難小屋

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、ヤマふぉと派の観点から撮影山行基地としての評価も加えた山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。1種類を1ポイントとして評価します。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

●お亀岩避難小屋
清潔度:5
快適度:3
ホスピタリティ:-
食事のうまさ:-
施設充実度:4
ロケーション:3
総合評価:3.75


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お亀岩避難小屋は、四国の徳島県と高知県の県境に位置する三嶺の西に位置する避難小屋です。三嶺と天狗塚を結ぶ稜線からわずかに南に下った位置にあるため、日当たりのいい明るい感じの避難小屋で、作りもしっかりしていて、三嶺山頂避難小屋よりもきれいで快適です。


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稜線から下りてくると、避難小屋の西側が正面になります。西側正面にドアが三つ見えますが、3つともトイレです。小屋の入口は右側のピロティ奥になります。


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3つのトイレのうち、1つは男子小用です。


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残り2つが和式の個室になってます。備え付けの紙はなかったと思うので、ペーパーは持参しましょう。使用済みペーパーも持ち帰りがルールのようです。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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玄関はサッシの片開きドアになっています。玄関前のピロティにはベンチもあったので、小屋に入らなくてもちょっとした休憩に利用することもできます。


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玄関を入るとストーブが据え付けられた土間になっていて、寒ければ火をたくこともできますが、薪は常備されているわけではないようです。僕が利用したのは2016年10月30日でしたが、同宿の人たちが火を焚いていました。ピロティのベンチ下にちょっとした小枝がストックされていたので、それを利用したのかもしれません。基本的には、自分で薪集めをする必要がありそうです。


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内部は、中央の廊下を挟んで南北に床が張られています。北側のみ2階もあり、定員は30名ぐらいはいけそうです。銀マットもそこそこの枚数がストックされていましたが、あてにして何も持って行かないと泣きを見るかもしれません。


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水場は小屋から距離にして100m下ったところにあります。


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秋でもそれなりの水量が出ていたので、枯れることはなさそうです。


きれいで快適な小屋ですが、ロケーション的には三嶺までけっこう遠いし、天狗塚へもそこそこの距離があり、道も狭く急傾斜です。南側が開けているとはいえ、これといって高い山があるわけでもなく、稜線まで上がっても三嶺も天狗塚もみえないので、小屋周辺で撮影ポイントはほぼありません。高知県側からであれば、ここをベースに三嶺方面と天狗塚方面にそれぞれ出かけて行って写真を撮るというのはありですが、徳島県の祖谷側からのアプローチだといまいち使い勝手がよくない立地です。特に、星景写真は地上風景に特徴がないので、あまり適しているとはいえません。

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2017/02/14

山小屋通信簿: 蝶ヶ岳ヒュッテ冬期避難小屋

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、ヤマふぉと派の観点から撮影山行基地としての評価も加えた山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。1種類を1ポイントとして評価します。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

蝶ヶ岳ヒュッテ冬期避難小屋 
清潔度:4
快適度:5
ホスピタリティ:-
食事のうまさ:-
施設充実度:2
ロケーション:5
総合評価:3.75

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蝶ヶ岳ヒュッテの冬期小屋は、無人小屋として解放されています。2015年の大みそかに宿泊させてもらいましたが、寒風吹きすさぶ蝶ヶ岳山頂でも、小屋の中は暖かく快適でした。


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風が強く雪の積もりにくい稜線に建つためか、冬期小屋の入り口は高いところではなく地面の高さに設置されています。小屋の横に設置されている赤い鉄製の箱のようなものが入り口で、ここから這って中に入ります。大荷物になる冬期の宿泊装備のバックパックを引きずりながら入っていかなくてはならず、けっこう大変でした。


ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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内部は、入ったところに6畳ほどの広さのコンクリート土間があり、その奥に8畳ほどの板の間があります。でかい冷凍庫のようなものが置いてあったので、板の間の定員は7名前後だと思います。僕が利用した時は7名での利用になり、ほぼ板の間はいっぱいの状態でした。最悪、コンクリート土間でも寝られますが、ちゃんとした断熱性能のマットがないと、安眠は難しそうです。


利用者のマナーがいいのか、小屋内はきれいに保たれていました。管理人が常駐していないからこそ、利用した後はゴミを持ちかえるとか、ほうきで掃いてきれいにして出るといったことを心がけたいものです。


冬期小屋には珍しく小屋の中にトイレがあるので、厳寒の屋外に出ていく必要がないのがとても助かりました。また、コンクリート土間に木製のベンチも用意されていたので、施設充実度はトイレとベンチがあるということで2ポイントとしておきます。個人的には、屋内トイレがあるだけで5点にしてもいいと思います。また、冬期小屋なので乾燥室とか談話室とか普通の山小屋にあるものは全くありませんが、極寒の蝶がヶ岳山頂に利用できる小屋があること自体が快適なので、快適度は満点にしてます。


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小屋を出て少し歩けば、槍ヶ岳から穂高岳まで3000m峰を一望できる抜群のロケーションです。常念岳方面や大滝山方面へも行けますが、槍・穂高連峰がこれだけ間近に見られる場所で、これ以上何を望む必要があるでしょうか。


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2017/01/26

山小屋通信簿: 行者小屋

山小屋通信簿は、清潔さや快適さなどの一般的な項目の他に、ヤマふぉと派の観点から撮影山行基地としての評価も加えた山小屋の評価です。各評価項目を5段階で審査し、合計点数の平均(端数は四捨五入)が総合評価です。

評価項目
●清潔度:小屋内の部屋や食堂、トイレ、布団など、清潔に保たれているかどうかももちろんですが、小屋周辺の状況やごみの処理なども含みます。
●快適度:小屋内で過ごす時間を快適に過ごせるかどうかです。乾燥室の場所や利用時間、自炊場所の有無と位置、談話室の有無と居心地、本や暖房などの設備をチェックします。
●ホスピタリティ:宿泊や幕営の申込み、売店の対応など従業員の応対をチェックします。
●食事のうまさ:朝食夕食だけでなく、昼食メニューなどボリュームや味をチェックします。ただし、食べたものにもよるのでかなりいい加減です。基本的にあまりグルメではないので、味については甘い評価かもしれません。
●施設充実度:宿泊客以外の登山者が利用できる設備についての項目です。小屋前のテーブル&ベンチ、無料の水場、屋外トイレ、雨をしのげるひさし付きベンチがそろっていると評価5です。1種類を1ポイントとして評価します。
●ロケーション:写真を撮るためのベースとして、立地条件などを評価します。ただし、立地条件は変更しようがないので、3以上の評価とします。

評価基準
5:非常に優れている
4:良い
3:問題ない
2:いま一歩
1:改善が必要

●行者小屋
清潔度:5
快適度:5
ホスピタリティ:5
食事のうまさ:4
施設充実度:4
ロケーション:4
総合評価:4.5


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行者小屋は、八ヶ岳の西麓、赤岳や阿弥陀岳の足元に立地しているため、赤岳、阿弥陀岳への登山基地となる山小屋です。


入口を入った左手に売店兼受付がありますが、その奥に土足のまま入れる自炊スペースがあります。昼間は売店で購入したものを飲食することもできますから、かなり便利な作りになっています。



玄関を入って、左右に靴棚があり、正面のガラス戸を入ると大きな食堂兼談話室になっています。正面奥に階段があり、宿泊スペースは階段を上がった二階になります。階段横のコーナーが談話室になっていて、大きなストーブを囲むように本棚とベンチが設置されています。たくさんの雑誌や本が用意されていて、ストーブの暖かさに包まれながらくつろぐことができるので、かなり居心地のいい談話室です。ただし、階段の下あたりは。トイレに続く廊下から冷気が流れ込んでくるため、じっとしていると結構寒い思いをしました。ストーブがあってもダウンジャケット、ダウンパンツは必要です。


階段の下をくぐって左奥にトイレがあります。小屋からは廊下でつながっていますが、構造的には別棟になっているようで、小屋内へ匂いが漏れてくることはありません。トイレは洋便器になっていて、清潔に保たれていました。男女兼用ですが、個室のみなので、それほど気兼ねすることはなさそうです。正月休みに宿泊したときにはトイレ前の流しは手洗い用にアルコールスプレーが置いてありました。冬季は水が出ないので、消毒スプレーで対応しているようです。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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二階の構造は、中央部に広めの廊下が通っていて、その左右に就寝スペースの区画があります。完全な個室にはなっていなくて、左右を壁で仕切られただけの空間です。小屋では大広間と呼んでいます。



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左右で4つ分の区画に対して1つの割合で中央の廊下部分にコタツが置かれていて、わざわざ階下の談話室まで行かなくてもくつろぐことができました。ただし、布団を敷くと通路になるスペースがなくなってしまうので、実質廊下の方向でしか使えないので使い勝手はいまいちです。大広間とは別に個室もあるようです。


乾燥室は1階と2階にそれぞれあるらしいのですが、今回は使う機会がなかったので、どこにあってどういう状況なのかは未確認です。上の写真の廊下の奥に見えているスペースがもしかすると2階の乾燥室なのかもしれません。2階の階段前にハンガーのかかったクローゼットのような場所があり、濡れた雨具のようなものは無理としても、多少湿気たジャケットぐらいなら一晩で乾くと思われます。


同じグループの赤岳鉱泉にはお風呂があり、5月末から10月末までの期間は入浴できますが、行者小屋にはお風呂はありません。ここだけは残念なところです。


食事は、特別豪華というわけではありませんが、味は十分美味でした。



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1月2日に泊まった時の夕食は、ビーフシチューにサラダとフルーツがついて、ごはんと豚汁というメニューでした。



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朝食は、焼き鮭、人参とジャガイモの煮物、昆布巻、フキ、梅干しと漬物、海苔、納豆、ごはん、味噌汁となっていました。ごはんと豚汁・味噌汁はお代わり自由です。


スタッフの対応は、丁寧でいい感じでした。


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ロケーション的には、小屋前から赤岳や横岳、阿弥陀岳を目の前に望むことができ、晴れていれば夕陽に赤く染まる山々を見ることができます。夜は出ていませんが、おそらく赤岳や横岳とからめた星景写真も狙えるでしょう。


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残念なのは、山裾の立地であるため、稜線や山頂付近の小屋に比べると、見上げた写真しか撮れないことです。やはり、雲海や日の出などと絡めたり、山の形をきれいに写すにはある程度の高さがほしいところです。



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