12月になるとフィンランドからクリスマスプレゼントが届きます。
マリメッコのポーチとノート、チョコレート、乾燥ブルーベリー、自然塩。
送ってくれるのは、カウチサーフィンで泊めてもらったフィンランド人の友人。2013年のことですから、もう10年以上交流が続いています。
共働きで二人の子供を育てた友人は、家事を含めた日常がスムーズに回るように徹底的に生活システムを構築していました。
彼女の自宅でヘルシンキ大学外国語学部を優秀な成績で卒業したという賞状を目にしました。日本好きのフィンランド人、フィンランド好きの日本人という特性がカウチサーフィンのサイトでマッチングして交流が始まったのですが、日本人同士だったら彼女のような非の打ち所のない優等生は絶対に友人にならないタイプです。
食料品の買物は週1回だけで、一週間分の献立を賄うのですから、無計画ではとても無理。真似しようかと思ったのですが、徒歩数分のところにスーパー、コンビニ、お惣菜屋が乱立する東京の駅前暮らしではそんな必要はありません。
しかし「クリスマスなどの恒例行事をスケジュールに沿って、早めに着手する」ことは見習うようにしています。
たとえば、EU加盟国へクリスマスプレゼントを送る場合は、店頭で見かけたよさそうな品を買って箱に入れてそのまま郵便局へ持っていけばいいわけではありません。国際郵便のサイトで送り主、送付先を登録し、品物の内訳、価格に加えて10桁のHSコードと呼ばれる番号を打ち込む必要があるのです。
アラブの富豪が来日時にヨックモックのクッキーをごっそり買って帰ると聞き、クリスマス缶を送ったところ、デザインをとても気に入ってもらえたので毎年、箱に入れます。これはデパートでしか売っていないの新宿か吉祥寺に出るついでに購入。あとは手ぬぐい、文房具、折り紙など、旅先でかわいいものを見つけると少しずつ買い集めています。
一年に一度のことは手順を忘れやすいので、手帳にメモしておきます。12月始まりの手帳を使っていますが、9月に販売されたらすぐ買ってクリスマスプレゼントについて書き写します。さらにクリスマスカード、年賀状、年末年始の買物、確定申告、年に2回の歯科クリーニング、眼科検診の日程など。
週刊誌や月刊誌の取材記者で飛び回っていたころは、先々の予定を入れるのがむずかしかったのですが、今は先に予定を固定して、その合間に旅に出るようにしています。
来年の自分に申し送りをするのは、永遠に続くわけではなく、あと何回でしょうか。命は長らえても面倒になったり頭が回らなくなって、やめてしまうかもしれません。そんなふうに考えると、新しいメモ帳に書き込むのが、とても大切な儀式のように感じられます。