fc2ブログ
sousuke 201604

 旧藤島町にある「草介」を初訪問。
 本格派の手打ちそばと、天ぷらが器から針のように天空に突き出た天丼がセットで食べられるらしいので、行ってみました。

 タワー天丼と小板そばセット、1,100円。
 すごいビジュアル!

 蕎麦からいきました。
 大蔵村の蕎麦粉を使い、東根の、おそらく修業したどこかの店のやりかたで蕎麦を挽いたらしい、粗挽きの旨い蕎麦。
 そば徳利のたれの量、醤油と返しの風味が強めに折り重なるその味、薬味の十分さ、そば湯の質と量なども、いずれをとっても満足度の高いレベルだと思う。
 これほどに楽しめる蕎麦ならば、次回は板の単品でいくのもいいかもしれません。おいしいのでもう2、3箸欲しくなりました。

 蕎麦を平らげてから移行した天丼。
 蕎麦ばかりをがっついていたのを反省させられるほどに、天ぷらの量が多いです。このうちの何品かは蕎麦をたぐりながら食べるべきでした。
 半端じゃない量の天ぷらネタは、覚えているだけでも、海老、キス、細竹2、しめじ、サツマイモ、大葉2、さやいんげん、ナス、かぼちゃ、ちくわ・・・。個々は大きなものではありませんが、それぞれが天ぷら粉をまとってショリショリで出てくるわけですから、充実度は極めて高い。
 丼つゆが少なめなのは、天ぷらの食感を、少なめのご飯と蕎麦の両方で楽しめるように配慮されているからだと思いました。

 価格が4ケタでも大満足。「孤独のグルメ」の井之頭五郎風の満足笑顔で、ごちそうさまでした。

juraku 201604

 豚汁ラーメンという変わり種ラーメンを食べてみようと、鶴岡市大西町の「里佳園」という店に行ってみたのですが、更地になっていてすでに閉店した模様。
 では、鶴岡市白山にある「郷土料理壽楽」に行って、担々麺を食べよう。

 手元に担々麺類100円引きのクーポンがあったので、初訪問。
 卓上のメニューにはしょう油、みそ、酒粕、マイルドの4種類の担々麺があると書かれていたので、迷わず「酒粕」をチョイスしたのですが、この節酒粕はやっていないということで、担々麺の「みそ」を。850-100円。

 それなりにおいしい。
 トッピングに味付け挽肉、コーン、白髪ネギ、小口切りのネギ、メンマなどを従え、麻油がかけられ、これぞ担々麺というビジュアルです。ああそうだ、チンゲン菜が入っていないな。
 それなりにというのは、担々麺が本来有するすり胡麻の深い風味が足りないと感じたから。ある意味それって、担々麺としては致命的なのかもしれません。
 スープは、ややゲル状を帯びていて重厚感がありますが、胡麻のざらつきがありません。
 自分の場合、「赤坂四川飯店」の担々麺を基準と考えていますが、麺についてもその形状こそそれに近いものの、味や舌触りなどの食感は別物です。

 食べる前は、担々麺を頼んで半ライスを付けないのはミスだったかと思いましたが、ココの場合スープのコクがわりとあっさりめだったので、ライスは頼まないで正解でした。
 通常のレンゲとともに穴あきレンゲも付いて、至れり尽くせりのホスピタリティです。

 自分のように変なこだわりさえ持たなければ、担々麺の風味は十分に楽しめるので、よい子のみなさんは心配ご無用。その証拠に、担々麺を目当てに来店する常連さんと思しき人がたくさんいました。

komisen1 201604

 天気の良いある日の昼、余目にある「こみせん」を初訪問。昼メシは大勢でわいわいやるのもいいけれど、一人で孤高の癒しに耽るのも悪くない、というか、こっちのほうが断然いい!

 中華そば+こみせんタコ焼(大)、680+200円。
 食べる前には中華そばで680円はちょっと高すぎだよなと思っていましたが、実食してみて納得。このチャーシューすごいぞ。その表面積にすでに圧倒されているのに、厚さは1センチ近くあります。食べればホロホロの仕上がりで、特に脂のところはたまりません。

 全体のデキもいいです。黄金色のスープは透明感のある油分と渾然一体になっていて、そこをくぐってくる麺はオイルをまとって自ずと艶やかに。
 細めのネギの小口切りがたっぷり入り、レンゲでスープと共に掬って食べれば美味かつ高い至福感。
 メンマが水煮っぽい味だったことを除けば、ほかはハイレベルだと思います。

komisen2 201604

 合わせて注文したこみせんタコ焼(大)は2~3分後に登場。でかっ!
 直径8センチとのことで、これだけデカいたこ焼きを食べるのは我が人生史上初めて。味はたこ焼きそのもので、中まで火が通ってとろりとした食感。ウズラの卵が1個まんま入っていました。

 「こみせん」って、このあたりで公民館のことをさす「コミュニティーセンター」をもじったものなのかな?
 ここでは焼きそばもいずれ食べてみなければならないのだろうな。

oiwake 201604

 旧櫛引町の桂荒俣、R112の旧道沿いにある「追分食堂」を初訪問。
 焼肉中華750円。
 野菜中華650円もいいなと思いましたが、これだとメンマが入らないようなので、焼肉のほうをチョイスしました。

 間口の大きいどんぶり。そのどんぶりに麺も肉も、スープもたっぷり入って登場です。
 まずはスープ。焼肉のたれが醤油味のスープに溶け込んで、細やかな油の粒をつくっています。たれの甘みがほどよく出ていて、コレハウマイ。

 ある程度の厚みを持った豚の三枚肉がたくさん入っています。適度な歯ごたえがあり、噛むとじゅわりと脂が沁みだしてきてうまし。
 大量に入ると聞いていたメンマも、噂どおりザクザクとトッピング。
 ナルトは厚さ1センチぐらいあっていい彩り。ナルト特有のもっちり具合も楽しめます。

 麺は、茹でが強めで、箸で持ち上げると麺同士がからんで、つい一口一口が多めになります。これ、けっこう量があるんじゃないのかな。

 というような、どちらかというとガッツリ系のド根性食堂。
 訪問時はオバちゃん2人で店の切り盛りをしていました。定食類、丼類もあるし、麺類も品数が豊富でうどん、そばも。
 実力がありそうな食堂なので、そのうち再訪してみます。

asunaro 201604

 約2か月ぶりでの「あすなろ食堂」。
 この日のあすなろ定食790円は、イカ天、ミニカレー、細切り竹の子の煮物。
 これにモヤシのキムチ風、ワカメたんまりの味噌汁、どんぶりのごはん。

 寡黙な店主の活躍が見事。イカ天に衣をつけて揚げながら、カレーを鍋から小鉢に移し、ライスをどんぶりに盛り付け。
 その間に女将さんがキャベツの千切りを皿に分け、それにニンジン、紫キャベツ、パセリをトッピングしてドレッシング。最後に熱々の味噌汁をよそってはいドウゾ。
 この一連の二人の共同作業を見るだけでも訪問する価値があると言っていいでしょう。

 また、これを790円という良心的な料金で供することができるのは、人を雇わずにご夫婦二人で、日々が静かに暮らせればいいと割り切って営業しているから(多分)だと思います。
 客に媚びず、深入りせずという姿勢も、ともすれば無愛想と映るかもしれませんが、慣れるにしたがってそれが心地よいと思えてきます。

 いい店です、あすなろ食堂。

ikedashokudo 201605

 鶴岡市本町の「池田食堂」を初訪問。
 ここは、月山孟宗の季節になると、孟宗筍を使ったラーメンを供する店なのだ。
 地元産の孟宗が出始めたというニュースを見た数日後の5月1日、店へと赴き店の大将に孟宗ラーメンは始まったかどうか尋ねると、「おう、あるよ」と嬉しそうな返事が返ってきました。
 おーし、じゃあ、それ、お願いします!

 孟宗みそラーメン780円。季節限定。
 孟宗汁らしく、ほのかに酒粕の香りがします。もちろん味噌仕立て。厚揚げもいくつか入っています。タケノコがごろごろ。軟らかで美味い。それと豚肉。
 つまりは、孟宗汁そのままという感じで、孟宗汁にラーメンを入れてみましたというわかりやすいつくりです。

 麺は、特徴的とは言えませんが、なんだか麺量が多いぞ。これで780円はお得だと思う。

 ここのメニューはユニーク。塩支那そば、味噌カレーラーメン、味玉海老とろみ麺など、名称だけではその実相が十分に想像できないものが多いです。
 こうなると探求心に火が点いてしまいます。孟宗ラーメンも旨かったし、これから幾度か訪問し、それらのいくつかを実食してみなければナラヌと思ったところです。



 GWに奄美・加計呂麻方面へと旅をしましたが、その時に食べたあれやこれやを書いておきます。

 まずは鹿児島空港。九州・南西諸島の悪天候のため、鹿児島に到着が遅れ、その後行くはずだった喜界島へはその上空まで飛んで鹿児島へ引き返し、行き先を奄美大島に変更。
 そんなことで昼メシを食べずに16時。奄美大島行きのフライトは17時30分なので、この間に空港内で軽く食べることにしたもの。

 鹿児島に来たならこれでしょとチョイスしたのは、とんこつラーメン900円。
 高いよ、空港内レストラン。

 とんこつ臭さは抑えめでソフィスティケイトされていると感じるものの、それらしき風情が漂っています。
 沖縄でいう軟骨ソーキが3個。甘辛い味付けで美味。
 細いモヤシが西日本に来たことを実感させます。トッピングはほかにワカメ、ネギ、焦がしネギ。
 麺はストレートながら細くはないもの。鹿児島のとんこつラーメンって、博多あたりとは違ってこういうのがスタンダードなの?

 空港内レストランのラーメンとアナドッテいましたが、なかなか美味。これが680円ぐらいだったら許せるのだけどなあ。空腹だったこともあり、おいしくいただきました。

 山形屋(やまかたや)というからには、鹿児島市に本拠を置く老舗百貨店の系列店なのでしょう。
 ちなみに山形屋の創業者は、近江商人の血を受け継ぐ現在の山形県庄内地方の北前船商人で、薩摩藩主の許可を得て開業した鹿児島城下唯一の呉服商だったそうです。



 悪天候のため空路のダイヤが大きく乱れ、奄美大島の名瀬(奄美市)に着いたのは20時過ぎ。
 奄美大島一の大歓楽街、屋仁川通りに至近の宿に荷を下ろし、さあ、さっそくヤンゴで飲むとしようか。

 チョイスしたのは、ヤンゴの繁華街のほぼ中心にある「居酒屋脇田丸」。
 たまたま空いていたとカウンター席に案内されましたが、繁盛しているとみえてなかなか注文を取りに来ません。店員を呼び止めると、ちょっと待っててねと。
 さらにしばらく待って注文を取りに来たのは東南アジアからやってきた風のネーサンで、日本語の要領を得ないヒト。うーむ・・・。

 生ビールとメインの赤ウルメの唐揚げ、それに唐揚げが揚がるまでのつまみにたこわさを注文。
 たこわさとお通しの小魚の南蛮漬けで生ビールをぐびぐび。あー、うめえ。
 BGMは中野律紀がデビューした頃のシマウタ。いいんじゃないか、シマウタ。このCD持っているんだよなあ。

 赤ウルメがなかなか来ないので店員に尋ねると、今日はやっていないとのこと。おいおい、そうなら早く言ってよ、こちらもペース配分というものがあるのだからさ。
 やはりあのアジア人はテキトーだった。ま、おじさんはこんなことでは驚かないけどね。旅する間に太田和彦の著した上質な酒場についての本を読んだりしていただけに、やや落胆。

 しかしこの店、オペレーションがよくない。ホール担当のどの店員も表情が硬く、必要以上に忙しさを装っているという印象だ。名瀬にはあと2泊するけど、まぁ、明日以降の再訪はないだろうな。

 黒糖焼酎「里の曙」を追加し、赤ウルメに代えて注文した刺身盛り合わせをつまめばなかなかグー。ネタはソデイカ、シマダコ、シビ(マグロ)などの4点。ソデイカのねっとり感、シマダコのキュッとした歯応えがステキでした。

 勘定は締めて2,430円。
 今日は朝から、庄内~羽田~鹿児島~喜界島上空~鹿児島~奄美とひたすら飛行機に乗って、空港待合室で過ごした1日だったなぁ。
 酔いにはまだ余裕あり。ヤンゴ周辺をパトロールして、どこかで缶チューハイでも調達してホテルに戻ろうか。



 奄美に来て昼メシといったら「鶏飯」。今回は有名店で食べるんだも~ん♪
 ということで、旧笠利町赤木名の外金久にある名店「みなとや」へ。

 店の入り口前にはでっかい地鶏のモニュメントがあり、「元祖鶏飯 みなとや」と大書されています。さぞかし儲かっているんだろうな。
 その礎石には次のように書かれていました。

元祖鶏飯の由来
 鶏飯料理は、今から約400年前、奄美が薩摩藩の支配下のころ、ここ赤木名で役人をもてなすために考え出された超贅沢な料理でした。内容も鶏肉の炊き込みご飯で、庶民には口にすることもできない高級料理でした。
 昭和20年、当みなとや旅館開業にあたり、初代館主岩城キネがふるさと料理復活の研究の末、開発した料理の一品で、現代風にアレンジし「鶏飯」として呱々の声をあげ、今日に至っております。
 さらに、昭和43年4月、現在の天皇・皇后両陛下ご来島の折、奄美を代表するお食事として当館の鶏飯が推奨され、両陛下が「おいしい!もう一膳」と催促までなされ大好評をいただきました。これを機に、またたくまに全郡に広がり、鶏飯元祖として、面目躍如、その普及ぶりに驚いているところであります。
 どうぞ末永くごひいきのほど、よろしくお願いいたします。
 第二代館主敬白

 世の中に似非元祖を名乗る店は多かれど、どうやらココは本当の様子です。

 入ってみると、想像どおり満員。しかしここまで来たなら諦めるわけにはいきますまいて。7~8人が並んでいるけど、列につこう。

 しばらく並んでしばらく座って待って、約40分後にようやくありつけました、鶏飯1,000円。
 並んだ甲斐があってデラウマでした。
 御櫃からごはんを適量よそって、それに皿の具をこれまた適量乗せ、鶏で取ったダシの効いた熱々のスープをたっぷりとかけていただくという珠玉のサラサラメシ。

 やや塩辛めの鶏スープは見た目透明感があってあっさり風だけど、実にコク深くて、これとご飯だけでもイケそうなもの。食べてみて、これより上の鶏スープはないだろうと思う。
 皿に盛られた具は7種。細く裂いた鶏肉、錦糸卵、刻みネギ、味付け海苔の袋ごと半分に切ったもの、味付けシイタケ、柑橘類を乾燥させて粒状にしたもの、タクアンなのか漬物風を細かく刻んだもの。

 いやはや、美味。体重や健康を気にしなければこれは何杯だってイケるぞ。おれも天皇陛下のように「おいしい!もう一膳」と自分に催促だ。

 結局、軽くではあるにせよ大きめのご飯茶碗に4杯いただいて大満腹の大満足。これって我が地元で供してくれるところがあったなら頻繁に食べに行くのだけどな。
 あ、でも、この味を再現できるかどうかはビミョーなのだろうな。



 奄美大島名瀬の2晩目は、ヤンゴの本通りから通り1本半ほど入ったところにある郷土料理店「味のより道 誇羅司屋(ほこらしや)」にしてみました。
 洒落た店のつくり。昨晩訪問した「脇田丸」よりも一回りハイブローな店でしょうか。

 入ると元気のよい若者が応対してくれて、さっとカウンター席に案内してくれます。ナルホド、一枚上だねえ。
 まずは煮込み、それに昨晩ありつけなかった赤ウルメの唐揚げを所望。あります!とのこと。ほーら、やっぱり一枚上だ。(しつこいって、笑)

 生ビールでお通しと煮込みを味わっているうちに赤ウルメが登場。カリリと揚げられていて、頭のごく一部以外はあらかた食べつくすことができそうです。こうなるとアルコールも進み、黒糖焼酎「れんと」の水割りも頼んでくいくいと。

 締めはやはり黒糖焼酎で刺身でしょ。盛り合わせで度数高めの「長雲」をもう一杯だ。
 嬉しい悲鳴は刺身盛り合わせが質・量ともにゴージャスなこと! 思わず「これで一人前!?」と驚いてしまいました。
 昨晩と同様、ソデイカ、シマダコ、シビ、ハマチ、それにサーモンが加わって、見た目もぐっとグレード感あり。ツマも新鮮でおいしくいただけました。1,200円。

 いやぁ、納得。昨晩よりも少々値が張って4,160円でしたが、満足度は値段相応もしくはそれ以上でした。
 もっとここで寛いでいたいけど、腹も張ったしぼちぼち引き上げるとしようか。
 滞留時間1時間半余。20時半前にはホテルへ。お利口さんな夜だ。



 旅の3日目。大島南部をめぐり、正午過ぎに南部のターミナル的な性格を持つ瀬戸内町の古仁屋に到着。ここで昼メシとしよう。
 観光客が食事をする場所といえば、古仁屋ではここがいちばんというか、人によってはここしかないとまで言う「せとうち海の駅」の2階にあるシーフードレストラン。

 「島のお母さん定食」1,000円を狙っていたのですが、入口のディスプレイを見てボリューム満点の「気まぐれ日替り定食」800円に変更。旅を始めてから魚介系は毎晩食べているので、海鮮系でなくてもいいかと。

 「うどんかそばが選べます」というので、うどんにしてみたものがコレ。
 鶏の唐揚がメインです。脂の少ない部位のものが5個ごろごろと。添えられたたっぷりの野菜は胡麻ドレッシングをまとってキャベツ、レタス、タマネギ、パプリカ、トマト。厚みのあるレモンは唐揚に絞りかけ、サイドのマヨネーズをちょい付けしながら食べましょう。

 ワカメ、分葱、揚げ玉の入ったうどんは、レベルの高い冷凍モノ。これができてからは、どこでもうどんを美味しく食べられる。
 ほかにはモズクの酢の物、揚げシューマイ2個、鯖とソデイカのカルパッチョ。

 すごいなあ。これで800円は安いよな。

 旅の3日目は古仁屋に宿泊。
 18時前のまだ日のある時間帯に、夕食はどこで食べようかと町を散歩してみます。狭い町なので簡単に一周できてしまいますが、さっき見かけたお好み焼き屋が開いていたし、お好み焼きを食べたい気分でもあるし、そこで生ビールでも煽って早めに上がることにしようかな。

 というわけで、メインストリートである県道79号線の一本南の通りにあった「お好み焼き一角」という店へ。
 入ったところにいたおじさんが店主なのだろうと思ってあいさつすると、どうやら彼は近所の人のよう。「おーい、お客さーん」と奥に声をかけて行ってしまいました。

 で、奥から登場してきたのは60代ぐらいの苦労人のようなおばさん。
 生ビール400円とミックス焼き650円(いずれも安い!)を所望すると、観光ですか?などといろいろと話しかけてくれました。



 まずは中生とお通し。
 刺身もあるのよ、とのことなので、ではそれもと頼むと、ミックス焼きは後にして先に刺身を持ってきてくれました。
 それがコレ。ブダイとシビ。これで3晩連続のシビだ。ブダイは酢味噌で食べればしみじみ美味い。
 価格1,000円は昨晩の刺身と比較すると格段にコスパはよくないけど、おばさんとの話のタネなのでまあ気にしない。
 徐々に客がやってきますが、知り合いが多いようでなんだかとても家庭的な雰囲気が漂います。これもおばさんのキャラのなせるものなのでしょう。

9040.jpg

 で、忙しくなった合い間にようやく焼いてくれたお好み焼き。(笑)
 十分に火が通って、表面のこんがり感がスバラシイ。つまりは片面焼き過ぎということなのだけれどね。
 これを「れんと」と「里の曙」でおいしく食べました。

 締めて2,900円。
 たっぷり1時間半をここで話をしながら過ごし、途中「エブリワン」という島でよく見かけるコンビニで飲み物などを仕入れてホテルに帰還。まだ20時前だというのに、町はもう、静かになっている。



 旅の4日目は、大島からフェリーで加計呂麻島へ。
 離島の離島では食堂や商店をタイムリーに見つけることが難しくなるので、朝のうちに古仁屋の惣菜店で弁当を仕入れていくことにしました。
 古仁屋には惣菜、弁当店が数店あり、日中は店を閉めて静かなのに、朝の時間帯はどこも営業していて活気があるのが面白いです。

 古仁屋中心部の県道79号から北に20mほど入ったところにあった「喜納惣菜店」という店で、「サカナ弁当」500円を買いました。
 箸袋には「喜納おかず屋 瀬戸内町古仁屋大湊」と筆字で書かれていました。

 この弁当を、昼を迎えた加計呂麻島の西安室集落で食べました。15年前の奄美・加計呂麻旅では実久集落の防波堤の上で胡坐をかいて食べたことを思い出しました。

 沖縄と違って、ご飯の上にまで脂っこいおかずが乗っているようなことはありません。しかし、ボリュームは十分にあります。
 白身魚のフライ、オムレツ風の玉子焼き、鶏の唐揚、かまぼこ、竹輪煮、豚の角煮、彩りのフキ煮、ダイコン・ニンジン・昆布の酢の物など。もう、これで十分でしょ。
 きちんと黄色いタクアンと赤い梅干しがついて、どこかでコストカットしようというような気構えは見えません。
 でも、ごはんの質ばかりはどうしても東北地方のようにはいかないようです。



 4日目の夜はまたもや名瀬。居酒屋もいいけれど、今夜は麺類が食べたくなったな。
 そう思い、スマホで調べて、小雨の中を名瀬入舟町のホテルから県道79号を名瀬塩浜町方面へと少し北上したところにある「麺屋くろべえ」に行ってみました。

 カウンターもあるけれどここは座敷席に着いて、まずは瓶ビールと餃子550+350円を頼んで一段落。
 この店のオネーサンは若くてなかなかの美人なのだけど、餃子が焼けないうちはビールを持ってきてくれないのでしばらくの間おあずけ状態となり、ちょっぴり困った。
 で、餃子とビールが同時にサーヴされた段階で、ようやくぼくの寛ぎタイムが始まりました。

 500mlばかりの中瓶など餃子とともにあっという間にやっつけてしまい、次は麺だ。
 とんこつ味の「くろべえ」「しろべえ」「あかべえ」や、「くろ海鮮麺」などのメニューの中からこの店の最高額商品の一つである「くろ坦々麺」850円をチョイス。

 おおっ、これって坦々麺なのか?!
 スープは、豆板醤などは使わずラー油中心。したがって坦々麺特有のとろみはありません。また、黒白の胡麻は擂らずにそのままパラパラと入っています。
 挽肉は使われず、チャーシューを賽の目状に小さく切ったものがたっぷり。なのですが、これが食べるうちに底のほうに沈んでしまい、最後にレンゲで掬って食べることになってしまいます。
 ネギは、長ネギの根っこの硬いところをザク切りにしてラー油で炒めてある模様。

 麺は、西日本特有と思われる短めのものですが、太さがしっかりしていて細麺の範疇には入れられないもの。
 意図的な創作なのか、こういうラーメンの麺って初めてめぐり会いました。
 それなりにおいしいですが、これを坦々麺と名乗っていいものかどうか。
 でもまあ、奄美のラーメン、初めて食べたけど、それなりに楽しかったな。

 雨のそぼ降る中をホテル近くまで戻り、ちょっくらコンビニに寄ったところ、その間にどしゃ降りに。
 しばらくコンビニ前でビバーク(?)して、20分後ぐらいに走ってホテルへ。



 旅の最終日となる5日目の昼は、奄美の最後の思い出としてやはり鶏飯で締めましょう。鶏飯はこの旅のなかで2度目。
 空港に向かう途中のちょうどいいところに、「みなとや」と双璧をなす名店「ひさ倉」があるので、そこで食べることにして名瀬を発ちました。

 名瀬方面からR56を走り、龍郷町役場前を過ぎて1kmちょっと先に行った左手やや奥まったところに店があります。ここも15年前と違って店が新しくなっています。席数130超の無休の店。
 開店時刻の11時過ぎに入店して、けいはん1,000円を。

 先に行った「みなとや」は家族経営っぽい仕事ぶりでしたが、こちらはそれよりもずっとオペレーションが洗練されていて、たいした待ち時間もなくスムーズに配膳されました。

 具は、細裂きの鶏肉、錦糸卵、刻みネギに分葱、刻み漬物、刻み海苔、味付けシイタケ、柑橘類乾燥粉末、紅ショウガ。具の種類及び量は「みなとや」を凌いでいるかもしれません。
 よろしければご飯と鶏スープはお代わりができますとの嬉しいサービスだけど、こちらのキャパの関係上そんなに多くは食べられまへんのや。

 鶏スープはたっぷりあり、多めにかければきりりと熱く、食べ進めるうちに額に汗が滲んできます。それが鶏飯を食べる楽しみなのでしょう。非常においしく、「みなとや」と比較してスープの甲乙はつけられません。どちらも大満足です。これで安んじて奄美大島を離れることができそうです。(笑)

 またもやおいしく4膳。それでも御櫃のごはんには余裕あり。
 ここのシマウタも女性ボーカル。おおらかな声出しをするカサン(笠利)系だったでしょうか。



 奄美大島から飛行機を乗り継いで、18時半には羽田まで戻ってきました。庄内空港着は21時を過ぎるので、ここで夕食をとりましょう。空港内のレストランは高いわりに内容が伴わず、店員の客あしらいもよくないので極力避けているのだけど、こういう状況ではやむを得ません。

 何でもある東京で食べるのだから、できれば地元では食べられないエスニック系がよろしかろうと考え、「UPPER DECK TOKYO」っていうの? 第2旅客ターミナル3階に行ってみたところ。
 しかしそこにあるベトナム料理やトルコ料理の店を覗いてみたものの、コスパと内容からどうも食指がそそられず、結局そのいちばん奥にあった韓国料理店「Miss Korea」に落ち着きました。

 声をかけているのにこちらを見ようともしない男性店員がいたのには驚かされましたが(商売人とは思えないこういう輩は、都会だからこそ通用する。)、若い女性店員はコンフォータプルだったので、入ってやったぞコノヤロ。

 ビビンバ、定食、チゲなどの鍋類、粥類などのメニューから、比較的オーソドックスなプルコギ定食1,200円をチョイス。だから高いってば。前金制というのもなんだかなぁ、デアル。
 店の奥の2~3人掛けられるカウンター席が空いていたのでそこに客席して、運ばれてくるのを待ちました。

 しかし、癪だが旨い。熱々の鉄板で運ばれてきた肉の量もしっかりしているではないか。タマネギやキャベツとカルビ肉の相性、バランスもいい。
 キムチたっぷりだし、わかめスープもうまい。
 あぁ、マシソヨー。いいぞいいぞとご飯とともにパクつきます。バーガーショップのように調味料が置かれているコーナーからコチュジャンを持ってきて焼肉にどばりとかけて食べればなお旨し。

 味も量も納得。オープンスペースだというのが少々気になるところではあるけれど、ひょっとしてこの店、羽田空港内としては当たりのほうなんじゃないか。これなら東京の普通の店で食べたって1,000円はするでしょう。

 というわけで、男性店員以外はマルだった、ということにしましょう。
 これにて奄美・加計呂麻旅の道中に食べたもののレポートを終えます。

gotou 201605

 年齢が2つ上の職場の上司と、子どもの頃のゴールデンメニューの御三家と言ったら、カツ丼、カレーライス(かつてはライスカレーとも言った)、支那そばだったよなという話で盛り上がり、そのときふと、ああそうだ、「後藤食堂」のカツ丼はそろそろ押さえておかなければなと思ったのでした。

 鶴岡市本町にある「後藤食堂」。古色蒼然とした店舗を最近新しくして営業していますが、営業時間が判然とせず、何度か赴いたけれどうまく開店時に当らず困っていたのでした。
 しかし最近、日曜日も11時半を過ぎたあたりからやっていることがわかったので、とある日曜日の昼前にトツゲキし、ようやく入店。
 店の入口には「後藤食堂」ではなく「ごとう食堂」とあったので、表題にはこの名称を使います。

 席数8席程度。壁に向かうカウンター席2、6人掛け程度のテーブルが1のとても小ぢんまりした店で、壁一面に誰かが描いた絵の小作品がずらーり。
 メニューは見当たりませんでしたが、コレと決めていたカツ丼900円を注文。

 しばらく待って運ばれてきたカツ丼は、もう見ただけで旨くてボリューム満点だとわかってしまうシロモノ。
 彩りはいいし、漬物がたっぷり3種類でバナナまで付いている、文句なしの逸品です。

 カツ丼は熱々なので、注意して口に運ぶ必要があります。どんぶり一面にカツが展開しており、充実の極み。少し甘めの味付けで、くどくない程度にラードが効いています。タマネギの切り口が大きく、存在感があるのがいいです。

 味噌汁は秀逸。きりりと熱くてやや味噌味が濃いつくりで、具は大根葉とエノキ茸、写っていませんが、底のほうに厚揚げを大きめに切ったものがたっぷり入っています。最後まで熱いまま食することができる味噌汁にはシアワセを感じます。

 由利本荘の名店「いときん」を彷彿とさせますが、そこほどオイリーではなく、価格は250円ほどこちらが高いですが、その差分の上品さとつくりのよさがあるように思います。
 このカツ丼はスグレモノ。すぐにでも再度食べたくなる名品です。

unasakahan 201605

 昼の時間帯に、イオン三川ショッピングセンター内のレストラン「うなさかはん(海菜魚藩)」を初訪問。
 その並びにあるラーメン店に行くつもりだったのだけど、店の前のディスプレイに目が眩んでついくらくらとこちらの店に入ってしまいました。

 魚三昧定食780円。
 近時はめっきり肉類よりも魚のほうがうまいと感じるようになっており、魚が3種類も食べられるというだけで、もうこれしかないという気になります。

 左から鮭の塩麹焼き、鯖の味噌煮、鰤の照り焼き。それぞれ惣菜弁当でよく見かけるものよりも少しだけアップグレードした感じの品質。魚料理の通と呼ばれる人にとってはどうかなという懸念がありますが、自分にとっては十分にありがたいごちそうです。
 ジャガイモの存在感が際立つポテサラとプチトマトレモンも。

 このほか、冷奴、切干し大根煮、大根の漬物、ご飯に味噌汁と、定食としての装備がひととおり揃っています。
 このボリュームでこの価格というのもありがたい。期待以上のデキでした。

etsuna 201605

 鶴岡警察署のR112を挟んだ筋向いにある「庄内旬味悦波(えつな)」を初訪問。
 靴を脱いで入店すれば、長くて光沢のある木製のカウンター。蕎麦とラーメンの店のよう。
 そのカウンターを前に着座して、悦波麻婆ラーメン900円を注文。
 ココのマーボラーメンは揚げ豆腐が入っているというのです。
 それがコレ。うひゃあ、なかなかのインパクト。他店で見かけるマーボラーメンとは似て非なるものです。
 スープのとろみがすごい。口にすると、「ぽったり」という表現がしっくりくるぐらいの、中華餡的なつくりです。
 ラー油、豆板醤、鷹の爪などに加えて七味がふんだんにふりかけられています。さらに左上にある辛味噌も加えてみてねとのこと。したがって四川麻婆とはやや異なる味と辛さです。糖類の甘さで丸みをつけているような感じもあります。下瞼あたりからじわじわと汗が滲んでくるような刺激。

 この餡のようなのスープには、挽肉は入っていますが豆腐は入らず。代わりに大きな揚げ豆腐が3個。揚げ豆腐が単品1個200円で提供されていることを思えば、3個入りの価値は大きいのではないか。
 でかいので、左下の別皿に取り分けて食べましたが、表面の揚げ立ての食感と中の豆腐のふんわり感がとてもステキです。

 麺もまた美味。極太、平打ちの手もみ縮れで、存在感が抜群なうえに小麦風味ともっちり食感がたまりません。麺量も、普通盛りで240gというからすごい。
 この麺、次回は辛さやぽったりスープで誤魔化していないふつうのラーメンでも食べてみる価値があると思ったところデス。

 氷がたっぷり入った冷水が供されるのがうれしく、デザートにはりんご付き。
 というわけで、再訪すべき店リストにエントリーだな。

benihiyori 201605

 河北町谷地の宿泊・温泉施設「ひなの湯」の至近にある「紅ひより」を初訪問。
 品書きを見ると、穴子と野菜の天ぷら丼、海老と野菜の天ぷら丼、からあげ定食、豚カツ定食、カキフライ定食、焼き魚定食、生姜焼き定食、親子丼の8種類がどれも850円。これにセルフですが紅ひより特製ブレンドコーヒーが付きます。
 いちばん上に書かれるものがもっともウリなのだろうと考えて、穴子と野菜の天ぷら丼を注文。

 いやあ、大迫力。これでホントに850円でいいの?というのが第一印象でした。
 天ぷらネタは、穴子3、サツマイモ、マイタケ、ナス、カボチャ、シシトウ。口径の広いどんぶりに盛られていて、ご飯はほどほどの量で、どんつゆは塩辛めの濃いものが適量ないしはやや多め。

 ほかの小鉢類は、左上から小松菜(?)と油揚げの煮物、千枚漬け風大根の漬物、がんも・厚揚げ・椎茸煮、生野菜ドレッシングがけ、ホウレン草とみずのおひたし、麩・ワカメ・ネギの味噌汁。
 きわめてゴージャスです。

 穴子天はやや身が締まり気味だったり、ナス天が大きすぎて油通しが甘かったり、しばらく保温したごはんだったりということがありましたが、副菜の充実度がそれらをカバーしています。
 850円でこれだけしっかりやってくれる店はそう多く知りません。

 すっかり気をよくしたので、いずれ機会をとらえて他の850円メニューにもチャレンジしてみたいと思います。

  翻译: