政府が急ぐ半導体支援 高専にコース新設、工場への補助金には条件も
政府は半導体産業を支援する具体策をまとめた。工場の新設に補助金を出す条件として、最低10年間は生産を続けるように求める。人材育成に向けて、全国の国立高等専門学校(高専)にコースを設ける方針だ。
半導体が不足すればスマホや自動車など様々なものの生産が滞る。いまは需要の急増で世界的に不足しており、企業が「争奪戦」をする状況だ。米国は中国への対抗を念頭に半導体産業を支援し、重要物資の供給を安定させる法案を可決。日本も「経済安全保障」のかけ声のもと、巨額の補助金を出そうとしている。
半導体
電流や電気を制御するのに使われ、電気をよく通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間的な性質を持つため半導体と呼ばれる。スマホやパソコンだけでなく自動車など多くの製品に欠かせないため「産業のコメ」ともいわれる。単純な機能のものから、複雑な計算ができるCPU(中央演算処理装置)まで様々だ。生産するには空気中のほこりを防ぐクリーンルームが必要なものもあり、工場建設には巨額の費用がかかる。
日本では半導体の工場などを支援するための関連法が昨年12月に成立した。政府が法律をつくってでも誘致したかったのが、世界的な半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)だ。ソニーグループ子会社とともに熊本県につくる工場について、建設費の約半分の約4千億円を出す。
韓国・台湾に遅れ 効果検証にも懸念
地元の自治体や企業も協力し…