なじめない自分は「欠陥品」と思った 変わる社会に期待する宗教2世

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 私は誰にも話せなかった。悩んでいる子は、とにかく誰かに相談してほしい――。

 西日本に住む30代の女性は今、切実にそう思う。

 両親は若いときに世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入信し、合同結婚式で結ばれた。女性はいわゆる「祝福2世」だ。

 両親は教団職員として、ある県の教団施設の責任者を担っていた。

 幼い頃は毎日、両親の信仰心に基づいた生活を強いられた。朝は教団創設者の故文鮮明氏の写真の前に正座し、韓国語の教義を読み上げる儀式から始まった。

 「毎朝必ず。嫌だと言ったらたたかれた。従わなかったときの暴力は日常的だった」

 幼心にも生活が苦しいのは分かった。両親は教団施設の幹部として、率先して献金する姿を信者に見せようとしていたのだろう。

 家にはつぼや教義の本が増えていった。だが、食事が満足に用意されることはなく、冷蔵庫にも食べ物がなかった。衣服などは信者間で融通し合って手に入れていた。

 「両親も食べていなかったし、休みもなく施設で働いていた。そんな生活でも信仰を捨てなかったのは、教団がめざすという世界観を本気で信じていたからだと思う」

両親の職業を偽った

 小学校に入学した頃には、自…

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    塚田穂高
    (文教大学国際学部教授・宗教社会学者)
    2023年4月30日0時55分 投稿
    【解説】

    ・・・苦しむ「宗教2世」に社会は何ができたか 旧統一教会「祝福2世」の女性の悲痛な体験談。読んでいて、胸が痛む。 彼女がたまたま不幸にもそういう体験をしたのだ、家族の問題だ、ではない。2022年12月の厚労省ガイドラインでの信仰

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