高速道で突然イノシシが目の前に 野生動物と車の事故を避けるために
和歌山市の阪和自動車道で23日夜、路上に倒れていたイノシシと乗用車が衝突する事故が起きた。車ははずみで道路の側壁にぶつかり、全焼した。高速道路への野生動物の出没は多いという。
県警高速隊などによると、23日午後8時50分ごろ、和歌山市の和歌山南スマートインターチェンジの南約1㌔の上り線で、御坊市の男性(24)の車が追い越し車線を走行中に体長約150センチのイノシシと衝突した。衝突したはずみで車は走行車線側の側壁に衝突後、滑走して中央分離帯のガードレールにも衝突して炎上し、全焼した。イノシシは事故前に複数台の車とぶつかり、路面に倒れていたという。男性にけがはなかった。
その後、道路を横向きでふさぐ形になって停止した車に湯浅町の男性(71)が運転する乗用車が衝突。この男性は胸を打つ軽傷を負った。男性は取材に「突然黒い物体(車体)が現れ、ブレーキが間に合わなかった。高速道路に限らず安全運転に気を付けないといけないと思った」と話した。
西日本高速道路(NEXCO西日本)関西支社によると、野生動物が交通事故に遭う「ロードキル」は2023年度、関西2府4県の管内で約3500件発生した。担当者は「特に夜間や山間部を走行される際は前方に注意して運転し、動物を見かけた時には、非常電話や道路緊急ダイヤル(#9910)に通報してほしい」としている。
日本自動車連盟(JAF)は、野生動物が出没する危険が高い道路に設置される警戒標識に注意して運転し、遭遇しても急ハンドルは避けることなど注意点をサイトに掲載している。
和歌山市によると、イノシシの捕獲頭数は今年度に入って急増。昨年度は年間636頭だったが、今年度は11月末時点で1059頭。近年は豚熱の影響で減っていたが、過去最多だった20年度の1220頭に迫る。
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