「子どもの事故は親の責任」はびこる意識 小児科医が投げかける問い

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聞き手・松本千聖
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 自宅の窓やベランダから子どもが転落し、死亡する痛ましい事故が繰り返し起きています。とくに発生が多いのが7~8月です。子どもの命を守るために、私たちに必要な視点とは。長年にわたり、子どもの事故予防に取り組んできたNPO法人「Safe Kids Japan」の理事長で小児科医の山中龍宏さんに聞きました。

 ――行政や民間による注意喚起があっても、子どもの転落事故は繰り返されています。

 子どもの事故は親の責任だという意識がはびこっていますが、家庭での対策や見守りに頼るのは限界があります。社会全体で、子どもの命を守るシステムを整えないと事故は防げません。

 ――どのような姿勢が必要でしょうか。

 世界保健機関(WHO)の報告書では、傷害予防のアプローチとして「三つのE」の重要性を指摘しています。Engineering(製品・環境)、Enforcement(法律・規格)、Education(教育)です。

 これを転落事故にあてはめて考えてみると、最初の「E」は、センサーを解除しないと開けられない仕様の窓やベランダ、窓の開口制限、また現状ある最も身近な方法として補助錠があります。

 そして二つ目の「E」は、小さな子どものいる家でこうした設備を、国がガイドラインなどで義務づけることです。啓発や教育は補助的な手段です。

 ――社会的な取り組みは海外では進んでいるのでしょうか。

 海外では転落事故を減らすた…

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この記事を書いた人
松本千聖
くらし報道部
専門・関心分野
がん、子どもや女性の健康、子育て
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