二重の確認すり抜けアレルギー発症 学校給食の加工品に潜む落とし穴
食物アレルギーのある児童が9月、小学校の給食でアレルギー症状を発症し、救急搬送された。原因となったのは食材の「加工品」。具体的な品名は公表されていない。「これは家庭でも起こりえる」。若山裕伸(ひろのぶ)さん(48)には、自身の経験から思い当たることがあった。
食物アレルギーのサイトに届いた投稿
若山さんは大学卒業後、大手ゲーム会社員や飲食店経営、内装業などを経て2015年から、出身地の新潟市中央区にある市美術館内で「こかげカフェ」を経営している。
メニューはすべて、主要なアレルゲンの卵と乳製品を使っていない。ベーグルを中心にお子様ランチや植物性100%のソフトクリーム、スムージーなどもそろえ、食物アレルギーがあっても親子や友人同士で楽しめる。
最近は新潟県外からカフェ目当てで市美術館にやってくる人も増えている。22年には、食物アレルギーに関するオンラインコミュニティー「にいがたテーブル」も立ち上げた。
そのサイトに7日、給食での事故に関する投稿があった。驚いて複数の報道で確認した。
児童がじんましん、エピペン注射し搬送
同県上越市の市立小学校で5日、牛乳と乳製品にアレルギーがある児童に対し、乳成分を原材料に含んだ加工品が誤って提供されたという。児童はじんましんなどを発症し、教職員が自己注射薬「エピペン」を打った後、病院に搬送された。翌日に体調が回復し、退院したという。
原因として、献立担当の栄養教職員は乳成分が使われていないと思い込み、配合成分表を確認するのを怠った、と書かれていた。調理員も納入時に「乳・乳製品」の記載を見落としたという。
ただ、乳成分を含んだ加工品が何かは公表されていなかった。
「栄養教職員と調理員の二重のチェックをすり抜けた加工品とは、一体何なのだろう?」
安全だった市販品、突然「危険」になる例も
若山さんがカフェを開店した…