第4回小林幸子さんが信じる歌の力 挑戦続けて60年「こんな幸せはない」
NHK紅白歌合戦の常連で、衣装でも注目された小林幸子さん。新潟県中越地震の際は、新潟出身の歌手として歌で被災者を元気づけました。発生20年となる2024年はデビューから60周年の節目でもあります。70歳を迎えてなお、ネットに活動の場を広げ、若者からも支持されています。地震のこと、被災地への思い、この60年のこと。お話をうかがいました。
中越地震の被災地を訪れ続けた
――68人が亡くなった2004年の新潟県中越地震の後、被害の大きかった旧山古志村(現長岡市)をたびたび訪れ、歌で被災者を励まし、今も関わりを持ち続けています。24年で発生から20年になります。
当時の長島忠美村長(故人)から「来てくれないか」と頼まれました。お目にかかったことはありませんでしたが、郷土の歌手としてお願いしたいということでした。
発生(した10月23日)から4週間ほど後に避難所を回りました。皆さんを見たとき、歌うような状況じゃないと思いました。一晩で家をなくした人がたくさんいる。「歌は何の助けにもならないんだろうな」って。
でも、ぽつぽつと「さっちゃん、歌ってくれるんでしょ」と言われました。「えっ、歌っていいの?」と思いました。
小さなプレーヤーで曲を流して「雪椿」(作詞・星野哲郎)を歌いました。3コーラス目の「つらくてもがまんをすれば きっと来ますよ春の日が」を歌った途端、皆さん、ぶおーって泣き出すんですよ。
「やっぱり歌の力ってすごいんだな」って。とてもつらい状況に置かれている人たちが泣き、歌が終わったら「きっと春の日が来るよね」「わかった。がんばる」って言うんです。忘れられない光景です。
さっちゃん ありがとね
――小林さんをスカウトした作曲家の古賀政男さん(故人)から歌の力について聞いたそうですね。
古賀先生は戦時下で食べるも…
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- 【視点】
豪華な衣装で歌う姿が注目された小林幸子さんですが、2004年に発生した新潟県中越地震以降は、故郷で起きた災害とあって、被災地を励まし続けてきたことでも知られています。 一方で、YouTubeが「おもしろくて仕方がない」と語ったように、
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