女に落語はできない? 人生の荒波越えて露の都50年 お聞き下さい
河合真美江
「いつも必死やった。どうしたらええ?と思いつつ、逃げないで乗り越えてきた。気づくと前へ進んでいたんやね」
その道のりをけろっとした顔で振り返るが、そもそも出だしの高校3年で壁にぶち当たった。
「落語は300年以上、男が演じてきた。女にはできへんねん」
初めて出場したテレビの演芸番組で敢闘賞を受賞。その後すぐに楽屋へ行き、審査員を務めた露の五郎さんに「弟子にして下さい」と頼むと、こうバッサリ。
堺市生まれ。笑福亭仁鶴さんにあこがれ、落語家を目指した。なんとしても人を笑わす仕事がしたい。週末のたび五郎さんの高座の楽屋を訪ね、座ってアピールした。半年近く通ったころ、五郎さんに連れられ本屋へ。落語事典を買ってくれ、「これをあげよう」と。
1974年3月3日、桃の節…