第4回「私は歓迎されていない」 同性愛公表のアスリートがみる母国ロシア

有料記事インタビュールーム3 全豪テニスが映した戦争

編集委員・稲垣康介
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 ある意味、ロシア出身のダリア・カサトキナ(26)は、今のテニス界で、もっとも勇気のある選手の一人だと思う。

 「勇気」

 通常、テニスの記事で使うとしたら、弱気の虫を追い出し、リスクと隣り合わせのショットでも果敢に打ち込んで、勝負を制したような場面だ。

 カサトキナは母国に帰れば拘束されるか、家族にも身の危険が及ぶかもしれない中、自らの正義を公言することをいとわない強さがある。

【連載】インタビュールーム3 全豪テニスが映した戦争

ウクライナ侵攻の直後からロシアとベラルーシの選手に扉を開いてきたテニス界。表面的な回答になりがちなメインインタビュールームでは語られることが少ない戦争に対する葛藤、迷い、憤り。選手の本音に迫りました。

 昨年の全豪オープンでロシアのウクライナ侵攻について、記者会見で持論を展開したことが話題になった。

 「ウクライナにはたくさんの友人がいる。そうした人たちから話を聞き、もし私がその人たちの立場に置かれたらと想像すると、心が痛む」

 一刻も早く戦火に終止符を打つべきだと訴えた。

 「私は父に2年間も会えていない。残念だけど、それが人生」

 彼女には、事情がある。

 2022年夏、動画投稿サイ…

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この記事を書いた人
稲垣康介
編集委員
専門・関心分野
スポーツ 国際情勢から映る日本
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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2024年4月5日15時41分 投稿
    【視点】

    「今回の選挙は、今のロシアが一つの大きな仲の良い家族であることを示した」 プーチン大統領は先月の大統領選で勝利宣言をした後の国民向けビデオ演説で、こう語りました。ロシアが家父長制国家であることを自ら宣言したにも等しい発言です。もちろんここで

    …続きを読む