第1回「俺と同じだけ稼げるのか」変わらぬモラハラ夫 妻が選んだ産後離婚

有料記事産後離婚

藤波優
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A-stories 産後離婚①

 数年前、第2子を出産し、病院から自宅に戻った日のことだった。

 夫が目の前に、ドサッと書類を並べて言った。

 「はい。これ今すぐ全部読んで。明日から準備して」

 40代の女性は何のことかすぐに理解できず、ぼうぜんとした。渡されたのは、上の子の学校関連の書類だった。

 「新生児を抱えている私に、今それ言う?」。そう思い、涙がこみあげてきた。

 「ごめん、ちょっと具合が悪い」と言い、別の部屋にうつって泣いた。新たな家族が増え、幸せな日になるはずだったのに。もうこの人との結婚生活は難しいかもしれない。

 「離婚」の文字が、頭をよぎった瞬間だった。

 厚生労働省の調査によると、ひとり親になった女性の4割は子どもが0~2歳のときに離婚しており、5歳までを合わせると6割にのぼるという。「産後離婚」が多い理由は……。

体調崩した夜、夫は後輩女性と…

 夫とは、穏やかで包容力があ…

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この記事を書いた人
藤波優
科学みらい部
専門・関心分野
研究環境、アカデミック・ハラスメント
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    西田亮介
    (社会学者・日本大学危機管理学部教授)
    2024年4月8日14時56分 投稿
    【視点】

    執筆した記者の方は存じ上げず、たまたま記事が目にとまっただけで他意はないと断っておく。そのうえで本論とまったく異なるが、この記事はぼくが先日から述べる「エモい記事」の好例だ。「子育てで仕事見直し〜」の見出し以下の情報は有益と考えるが、それを

    …続きを読む
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    岡崎明子
    (朝日新聞デジタル企画報道部編集長)
    2024年4月8日11時30分 投稿
    【解説】

    この連載のデスクを担当しました。きっかけは、「シングルマザーの4割は子どもが0-2歳のときに離婚しており、5歳までを合わせると6割にのぼる」という厚生労働省のデータに衝撃を受けたことです。この割合はこの四半世紀、変わっていません。 私が出産

    …続きを読む