中国、統計法を改正へ 地方政府による水増し不正横行、罰則強化

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北京=畑宗太郎
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 中国の全国人民代表大会全人代、国会に相当)の常務委員会は26日までの会議で、統計法の改正案を審議した。地方政府による不正な水増しなどが相次ぎ、統計への国内外の信頼が揺らぐ中、中央による監督や不正行為への罰則強化を図る。

 地方政府の経済統計をめぐっては、河南省が1月、2022年の域内総生産について、1年前に発表した速報値から約3千億元(約6兆円)下方修正し、約5兆8千億元(約120兆円)だったとした。

 修正額は、省内の市が一つ消えるほどの規模。前年比の実質成長率は速報値で3・1%だったが、修正後は2・4%にとどまった。

不正の動機は?中央は問題視

 この他、湖南省江西省も22年の域内総生産を速報値から1千億元(約2兆円)前後、下方修正した。修正幅は域内総生産の2~3%程度で、異例の大きさだった。

 水増しの背景には、地方政府…

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この記事を書いた人
畑宗太郎
中国総局
専門・関心分野
中国の外交、安全保障、社会、東南アジア情勢
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    阿古智子
    (東京大学大学院総合文化研究科教授)
    2024年4月27日0時27分 投稿
    【解説】

    地方政府の水増し不正の横行を処罰するために統計法が改正される方向にあるのなら、明るいニュースだと言えるが・・。そう簡単にはいかないのではないか。最近私の中国の友人(弁護士)から聞いたところによると、地方政府の某部門で二重帳簿が存在し、そのこ

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