自分って何…? 六本木の本屋、「障害者の親」ではない「私」の時間

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寺島笑花
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 5月下旬、平日夜の東京・六本木

 駅からほど近い、入場料のある本屋「文喫」。その一部を貸し切りにして、あるイベントが行われていた。

 大通りに面したガラス張りの店内には、ゆったりとした音楽が流れる。人文科学や自然科学、アートや絵本など、約3万冊の書籍が並ぶという、本好きにはたまらない空間。コーヒーを飲みながら気になる本を片手におしゃべりする。

障害児の親に「自分」だけの時間を

 集まったのは、障害がある子どもを育てている親たちだ。「自分」に戻る時間を作ってもらおうと、企画された。

 埼玉県の峯尾志穂さん(38)は、いつもは使えない駅の階段を、駆け上がるようにして店を訪れた。夜、1人で外出するのはずいぶん久しぶりだ。

 峯尾さんは、てんかんの発作があり、たんの吸引などの医療的ケアが必要な娘(8)と、片耳に難聴がある息子(5)を育てている。

 娘は1日3、4回ほど発作を起こす。呼吸やたんの吸引をしやすくするために気管切開をしているが、娘の体調や医療機器の異常がないか、緊張がとけるときはない。外出も、重い機械と娘を乗せた、自分の体重ほどあるバギーと一緒だ。

 峯尾さんは言う。「ここに来るまでは予定の調整も大変。でもおでかけプロジェクトに来ると、わたしに戻れる気がするんです」

■「自分にわがままになる」…

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この記事を書いた人
寺島笑花
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
社会福祉、平和
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    小松理虔
    (地域活動家)
    2024年6月6日17時0分 投稿
    【視点】

    とてもいい企画だなと感じると同時に、大事な論点がいくつも転がっている記事だと感じました。記事中に「街の人の目」に対する指摘があります。障害は個人にも社会にもあると言われますが、「社会にある障害」に目を向けるのは、健常者とされる私たちの重要な

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  • commentatorHeader
    田中美穂
    (カクワカ広島共同代表)
    2024年6月6日17時0分 投稿
    【視点】

    安心できる居場所をつくり出している「おでかけプロジェクト」が素晴らしいと思いました。本屋さんでの開催も素敵ですね。 障害がある家族を持つ人が、自分の時間を持つことを諦めたり、それに罪悪感を感じてしまったりする原因は、政治制度の不備や人々の

    …続きを読む