第2回出産直後に失った娘、そして体の異変 半世紀の思い込めた夫婦の訴え
半世紀前の記憶は、生々しく残っている。
なにかがおかしい――。
野村太朗さん(仮名)=大阪府=と妻の花子さん(同)がそう思い始めたのは、結婚から4年後の1974年、第1子の長女が誕生したあとからだった。
生まれた日、太朗さんは、元気そうに手足を動かす赤ちゃんと対面した。髪にくせ毛。「自分にそっくりだ」。喜びがこみ上げた。
2人は、親族の紹介で知り合った。太朗さんが花子さんに強くひかれ、結婚した。
待ちわびた我が子
「子どもがほしいね」。そう言い続けてきた。みんなで釣りに行ったり、旅行に行ったり。そんな家庭を夢見ていた。そして、ようやく赤ちゃんを授かった。
名前を決め、服なども準備して、誕生を待ちわびた。
妊娠9カ月のとき、医師から…