ひきこもり35年の息子が変わり始めた 自分を責めた母が出した勇気
永田豊隆
私の育て方が悪かったせいで――。
大阪府の女性(74)は35年間、そう自分を責め続けた。
悩みは、自宅に引きこもったままの長男(51)だった。
女性は誰にも相談できず、心配も焦りもひとりで抱え込んだ。周囲に知られないよう、徹底して隠しとおした。
70歳を過ぎ、次第に不安が大きくなった。「自分がいなくなったら、この子は……」
昨年夏、少しだけ勇気を出してみた。いま、予想もしなかった変化が起き始めている。
ひきこもりの高齢化、長期化が社会問題になっています。女性と長男がたどった道を紹介するとともに、記事の後半ではひきこもりに悩む人の相談先もご案内します。
始まりは高校1年生だった。
1学期が終わると、突然、「もう僕のためにお金を使ってもらわなくていい」と言い出した。
いじめに遭ったのか。勉強に…