第1回監督の思わぬ一言が力を抜いた 智弁和歌山の橋本が感じた「魔物」

有料記事魔物の正体

渋谷正章
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 ◇第88回全国選手権(2006年)準々決勝

 帝京(東東京)000200028 12

 智弁和歌山  030300205 13

 何を投げても打たれ、ことごとく打球がいいところへ飛んだ。「甲子園の、しかもこの場面で起きるか」

 帝京の猛反撃を浴びながら、智弁和歌山の捕手橋本良平は野球の怖さを改めて思い知った。

 第88回全国選手権大会(2006年)準々決勝。智弁和歌山は九回2死まで帝京(東東京)を8―4でリードした。「普通の考えでいうと楽勝」と橋本も思った試合は、ここから激動の展開となる。

 一、二塁で帝京の4番中村晃(現ソフトバンク)がバウンドの大きなゴロを放った。「それを二塁手の上羽(清継)が捕れなかった(記録は安打)。いつもなら普通にキャッチできた」

 帝京の安打が続く。点差は詰まり、8番杉谷拳士(元日本ハム)の安打でついに9―8とひっくり返した。さらに後続に3ランが飛び出した。

 一挙8点で8―12に。「終わったと思った」と橋本は正直に明かす。ベンチに戻ると、高嶋仁監督から思いも寄らない言葉を浴びせられた。

 「負けたらお前のせいや」…

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この記事を書いた人
渋谷正章
ネットワーク報道本部|大阪駐在・関西担当
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スポーツ
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