◇第86回全国選手権(2004年)3回戦
千葉経済大付0000000012 3
東北(宮城)0000001000 1
(延長10回)
「(打球が)飛んでくるな」
東北(宮城)の三塁手、横田崇幸(3年)はそう願った。
2004年8月17日、第86回大会3回戦。東北が千葉経大付を1―0とリードして九回の守りに入った。降ったりやんだりを繰り返していた雨脚が強まっていた。
「イニング間の守備練習でも、ボール(の勢い)が死んでいた。田んぼで野球をやっているイメージだった」
守備に自信はなかったという横田には、二つの重圧がかかっていた。
東北は前年準優勝。前チームから4番の横田ら主力が残り、東北勢初の甲子園優勝が期待されていた。
さらに、エースのダルビッシュ有(現パドレス)は1、2回戦と連続完封。3試合連続完封まであと1イニングに迫っていた。
先頭打者に安打を許すと、犠打、内野ゴロで2死三塁となった。
8強入りか、エースの今大会初失点で同点か――。緊張感が一層高まった場面の初球、ゴロが横田の前に転がった。
「頭が真っ白になりました…
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- 【視点】
この一戦、取材班の一人として甲子園で見届けました。激しい雨が黒土をたたく、真夏とは思えない肌寒い時間だったと記憶しています。 ダルビッシュ投手の目線から、振り返ってみます。 横田さんのエラー(記録は悪送球)で同点に追いつかれた後。ちょっ
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