トランプ氏の右腕の妻に注目 米国で存在感増すインド系の政治力

有料記事NYTから読み解く世界

Amy Qin, Jonathan Wolfe/The New York Times 抄訳=天野みすず/朝日新聞GLOBE編集部
[PR]

Indian Americans Become a Political Force, Just as Usha Vance’s Profile Rises

 オハイオ州選出のJ・D・バンス上院議員が7月15日、共和党の大統領候補であるトランプ前大統領の副大統領候補に決まった時、インド系米国人でヒンドゥー教を信仰するウーシャ・バンス氏が初めて副大統領夫人になる可能性が出てきた。

 それは注目すべき現実を確たるものにした。つまり、現時点では、インド系の女性がホワイトハウスでもう1期務めるか(訳注:現副大統領で、民主党の大統領候補に指名される見込みのカマラ・ハリス氏を指す)、もしくは副大統領夫人(訳注:ウーシャ・バンス氏を指す)になるかということだ。

 それはこの10年間、政治における一大勢力として台頭してきたインド系米国人コミュニティーにとって、直近の画期的な出来事だ。2021年にはカマラ・ハリス氏がインド系として、女性として、また黒人として初めて副大統領に就任した。24年の大統領選では、ニッキー・ヘイリー氏とビベック・ラマスワミ氏という2人のインド系米国人候補が初めて登場した。

 また、現在では連邦議会に5人、州議会には40人近くのインド系議員がいる。アジア系米国人に関するデータを収集する団体「AAPI Data」によれば、米国内におけるアジア系グループでは最大の数だという。

 もう一つ、インド系米国人にとっては初めてとなることがある。昨年発表された国勢調査の報告書によると、インド系はこのほど中国系を抜き、一つの出身国を自認する人々の中で国内最大のアジア系グループとなった。20年には、440万人近くがインド系であると認識している(出身国が複数に及ぶとする人々を数えると、中国系が依然として最大のグループだ)。

米国でインド系市民の影響力が増しています。インド系移民が急増している背景や、かつては民主党員だったという謎めいたウーシャ・バンス氏の経歴などについて、NYT記者が詳しく報告しています。

 ほとんどのインド人は、19…

この記事は有料記事です。残り2089文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

朝デジで読むNYタイムズ

朝デジで読むNYタイムズ

ニューヨーク・タイムズ紙の調査報道や解説記事について、同紙と提携する朝日新聞が厳選して翻訳した記事をお届けします。[もっと見る]