親友がつなげた出会い、並んで笑った尾根 日航機墜落39年

川野由起
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 日本航空(JAL)のジャンボ機の墜落事故は12日、発生から39年がたった。単独の航空機事故としては世界最悪の乗客・乗員520人が亡くなった事故の遺族らは、現場となった御巣鷹の尾根群馬県上野村)に朝から登って慰霊した。

 「やっと一緒に手をあわせることができます。これから理佐子さんと仲良くさせていただきます」。若月明子さん(60)は内野理佐子さん(64)と並び、内野さんの父・南慎二郎さん(当時54)の墓標の前で、こう話しかけた。

 若月さんが内野さんに初めて出会ったのは、昨年の群馬県上野村での慰霊式。若月さんは事故で親友の富田真理さん(当時21)を亡くした。富田さんの隣に座っていた南さんの娘の内野さんをニュースで知り、「いつか会えたらいいな」と、思いをつのらせてきた。

 今年は尾根で会い、2人並んで南さんと富田さんの墓標に花を手向けた。内野さんは富田さんに「真理ちゃんの分も(若月)明子さんがしっかり生きてくれてるからね」と話しかけた。

 亡くなった2人には共通点があった。南さんの墓標前にはビール型のろうそく、富田さんの前には小さい缶ビールお酒が大好きだった。「一緒にお酒が飲めたのにね」と2人で笑った。そして、「事故を全然知らない世代の人も、尾根に来て知ってほしい。大歓迎だ」と口をそろえた。

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この記事を書いた人
川野由起
くらし報道部
専門・関心分野
こどもの虐待、社会的養育、ケア、依存症、生活保護