「見えない影響」原発処理水放出1年 「遠のく漁場」に嘆く漁師
西堀岳路
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が始まって、24日で1年になる。これまで、海水と魚のモニタリングでは放射性物質の異常な数値は検出されず、福島県産の魚介類に大きな風評被害は発生していない。ただ、地元の港からの出漁もままならない状況が続く一部の漁師たちは、「自分たちの海」で漁ができる悲願が遠のいた「見えない被害」をこうむっている。
浪江町の請戸漁港に、8月の朝、刺し網漁船宝積丸(4・9トン)が戻ってきた。たるいっぱいのヒラメなどを水揚げする佐藤秋夫さん(57)の自宅は富岡町の災害公営住宅、宝積丸の船体に書かれた所属地は富岡漁港だ。月に10回ほど、漁に出るときは富岡から車で通い、請戸から出港する。
県漁連は、試験操業を始めた…
福島第一原発の処理水問題
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