第5回太陽光発電全国一の代償 原発事故後の再エネ促進で進んだ大規模開発

有料記事ソーラー発電はいま

岡本進 酒本友紀子 滝口信之
【動画】福島市で建設が進むメガソーラー施設=平野真大撮影
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 東京のJR有楽町駅から歩いて5分ほどのビジネス街に、8階建てのそのビルはある。100以上の会社が3階の一室に住所を置いている。税理士らが代表に就く合同会社や特定目的会社が大半で、福島市で今年注目を浴びたメガソーラー(大規模太陽光発電施設)の事業会社もその一つだ。

 東京ドーム13個ほどの広さの建設地は、盆地にある市街地のほとんどの場所から視界に入る吾妻連峰にある。

 山の景色は季節ごとに一変した。春から夏にかけては、新緑をえぐるように土色の山肌が浮かび上がった。山が紅葉に彩られた秋は、その部分だけ季節から取り残され、冬に入ったいまは、積もった雪でスキー場のゲレンデのように見える。稼働は来年夏ごろの予定だ。

 「山を壊し、どうして自然に優しいエネルギーと言えるのか」

 市街地に住む武田節子さん(82)は憤る。

 過去に同じ場所でゴルフ場や住宅団地の建設計画もあったが、市民の反対などで立ち消えになった。転機になったのは東京電力福島第一原発の2011年の事故だ。自然エネルギーの拡大をめざす再生可能エネルギー特別措置法がその年に成立した。

福島県は静観

 東京の事業者による計画が表…

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