男性中心だった医療からの脱却 日本で求められる「性差医療」とは

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聞き手・足立菜摘
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 女性の健康課題に対する研究・診療を推進するナショナルセンター機能として、国は10月1日、「女性の健康総合センター」を国立成育医療研究センター東京都世田谷区)の中に開設する。女性特有の疾患に加え、日本で取り組みが遅れていると指摘される「性差医療」を後押しするため、今後女性の健康に関するデータの収集・分析や情報発信、診療を担う。

 センター長に就任する小宮ひろみ医師(前・福島県立医大付属病院性差医療センター教授)に、こうした医療が求められる背景について聞いた。

 ――「性差医療」とは何でしょうか。

 男女で罹患(りかん)率に明確な偏りがある疾患や、発症率は同じでも、男女間で臨床的に差がある疾患、生理的・生物学的な解明がどちらかの性別で遅れている疾患、そして社会的な男女の地位と健康の関連などに注目し、それらを疾病の診断や治療、予防へと反映することを目的とする医療です。

 女性に特有の疾患もありますが、女性の健康を推進する上での「性差医療」とは、男女ともなる病気に関して「じゃあどうして女性の方が多いのか」「女性はどんな症状が出やすいのか」といった部分を深めていく医療だと考えています。

 性差医療の概念は1990年に米国で提唱され、日本では90年代後半に導入されました。

医療の中心ではなかった女性

 ――「性差医療」はなぜ女性側に重きを置いているのでしょうか。

 今までの医療・医学というの…

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    小松理虔
    (地域活動家)
    2024年9月30日18時0分 投稿
    【視点】

    あえて極端に書きますが、たとえば、ぼくの妻がなんらかの病気になったとして、その疾患に「性差」や「家庭的要因」が深く関わっているのだとすれば、薬で一時的に改善したとしても、主要因が改善されていなければ、症状がぶり返すかもしれないわけですから、

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    BossB
    (天文物理学者・信州大准教授)
    2024年9月30日18時0分 投稿
    【視点】

    医療だけでなく、ほぼ全ての分野において、社会は男性中心に成り立ってきました。日本でも性差医療を推進する女性研究者たちがいることに感謝します。例えば、心血管疾患(CVDs)は一般的に「男性の病気」と見なされており、この結果、女性は心臓発作を誤

    …続きを読む