「アジア版NATO」「地位協定改定」実現可能? 神保教授の見方

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聞き手・田嶋慶彦
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 1日に就任した石破茂首相は「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」の創設や日米地位協定の改定など、新たな安全保障政策の方針を打ち出している。慶応大の神保謙教授(安全保障)に問題点を聞いた。

 ――石破首相が「アジア版NATO」の創設を訴えている。

 「まず欧州の地図を思い浮かべてほしい。欧州は地続きの戦略環境で冷戦は、ソ連・ワルシャワ条約機構の電撃地上作戦に備える必要があった。東西ドイツの国境が最前線となり、ベネルクス3国を経てフランス西岸まで千キロしかない空間だ。欧州は一つの戦場としてのつながりを持ち、ある国が攻撃をされた場合、全体への攻撃とみなすことは合理的な発想だった」

 ――アジアはどうか。

 「国同士が海と空で隔てられ、安全保障問題の連動性が低い。北海道からニュージーランドまでは1万キロ離れている。例えばソ連が北海道に侵攻したり、北朝鮮が韓国に侵攻したりするシナリオでも、ただちに豪州やニュージーランドが安全保障上の危機に見舞われるわけではなかった。アジアの場合、安全保障問題にはそれぞれの場所で局地的な特有性がある」

 ――そうなると、アジア版NATOは有効なのか。

「カスタマイズ」がアジアの特徴

 「NATOの本質は集団防衛…

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