物価高、石破政権の苦しい胸の内 国民民主次第で「追い込まれる」
政府は22日、物価高対策などを柱とする総合経済対策を閣議決定した。少数与党転落で国民民主党に政策協議の主導権を奪われる格好となった石破茂首相。今後も綱渡りの政権運営を余儀なくされている。
「暮らしが豊かになったと感じてもらうためには、現在、将来の賃金、所得が増えることが必要だ。コストカット型の経済から脱却し、高付加価値創出型の経済への移行を目指す」。22日夕、総合経済対策決定の臨時閣議を終えた石破茂首相は、官邸で記者団を前にこう語った。取材に応じた時間はわずか6分。昨秋に岸田文雄前首相が総合経済対策を閣議決定した際、1時間近くにわたる記者会見で「デフレ完全脱却のための総合経済対策」などと熱弁を振るったのとは対照的な姿だった。
石破首相が総合経済対策のとりまとめを指示したのは、就任3日後の10月4日。具体的な内容は衆院選後に早急に策定するとし、経済対策を選挙の訴えの目玉とする戦略があった。9月の自民党総裁選を通じ、石破氏にとって「経済が弱み」と見られた評価を挽回(ばんかい)したいという思惑も見え隠れした。
選挙戦に突入すると、首相は前のめりの姿勢を強める。公示日の第一声では「(昨年を)上回る大きな補正予算を国民に問い、国会の審議をたまわり成立させたい」と強調。経済対策の裏付けとなる補正予算の規模を昨年度を超えるものにするとアピールした。
しかし、自民党派閥の裏金問題に端を発する「政治とカネ」の問題から有権者の視線をそらすことはできず、衆院選で与党は過半数割れの大敗を喫した。少数与党への転落を機に、首相の目算は大きく狂っていく。
政権は当初、経済対策を14…
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