第9回ひろゆきブームはなぜ起きた? こんまり・断捨離ブームとの共通点

有料記事1995年からの現在知

聞き手・定塚遼
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連載「1995年からの現在知」

 2020年代に入り、突如として起きた「ひろゆきブーム」。巨大掲示板の元管理人は、時代の寵児(ちょうじ)となった。そのまま、時代を代表するインフルエンサーとしての地位を確立した。

 SNSのX(旧ツイッター)アカウントのフォロワー数は250万人を超え、YouTubeの登録者数も150万人を超える。評論家の真鍋厚さんは、ひろゆき(西村博之)さんの示すさまざまなメッセージが、時代の心象風景とぴったり合致した、と話す。

 人気の底流には、1990年代以降の経済の停滞があり、片づけコンサルタントの近藤麻理恵(こんまり)ブームや、身の回りのものを極力減らす「断捨離」ブームとも共通する要因があるという。真鍋さんにその人気の理由を聞いた。

 ――ひろゆき人気について、どう分析していますか

ひろゆきの言葉が刺さる「ロスジェネ」「若者」の心象風景

 彼について語るときに、知識人やメディアは、軽い皮肉や嘲笑で片付けがちで、あまり真剣に論じられることは多くないと思います。一方で、ひろゆきさんが近年、若者に支持されるようになったことは、時代の空気を映す重要なテーマかと思います。

 彼の考え方のベースにある、努力信仰の否定、上昇志向の否定、消費による幸福の否定という三つが、うまく時代にはまっていたのだと思います。

 ――ひろゆきさんは、76年…

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この記事を書いた人
定塚遼
文化部|企画など
専門・関心分野
音楽など文化全般。生きづらい人を減らす取り組み
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    マライ・メントライン
    (よろず物書き業・翻訳家)
    2025年1月3日11時1分 投稿
    【視点】

    ここで挙げられているロスジェネ世代の特徴【努力信仰の否定・上昇志向の否定・消費による幸福の否定】では、やはり「努力信仰の否定」が最重要だろう。 ファンタジー系ライトノベルで「異世界転生」系がヒットし、ジャンルとして定着したのは、実はこのロス

    …続きを読む
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    仲岡しゅん
    (弁護士)
    2025年1月3日11時1分 投稿
    【視点】

    私はひろゆきさんや真鍋さんよりも少し下の世代ですが、(ひろゆきさん自身というより)ひろゆきさん的な物言いがもてはやされるブームは苦手です。 記事で考察されているようなミニマリズム的な発想との繋がりも、正直、私はよく分かりませんでした。 私

    …続きを読む

連載1995年からの現在知(全16回)

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