「岸田さんの答弁は…」野田元首相が語る国会軽視 安倍氏との違いは

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聞き手 大久保貴裕 編集委員・藤田直央
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 「国民主権」を掲げる憲法が「国権の最高機関」と定める国会が、自民党政権のもとで空洞化していないか。民主党政権で首相を務めた後、国会論戦で安倍晋三氏や岸田文雄氏ら歴代の自民党首相と対峙(たいじ)してきた野田佳彦氏(立憲民主党)に聞いた。

 ――野田さんは、国会を空洞化させている自民政権の罪は重いと指摘しています。

 立場を超えて合意できる政治を作り出したいと思っていますが、特に岸田首相ではちょっと無理です。最たるものが2023年の敵基地攻撃能力の議論です。(米国製巡航ミサイルの)トマホークを何発買うのかずっと明かさなかったが、衆院での予算案通過の直前に、米国が公表するので慌てて公表しました。

 「アベノマスク」や新型コロナワクチンの単価でも同様の対応でした。岸田首相は「聞く力」とは言うが、(内閣が国会と)基本情報を共有しないと議論にはならない。自分たちだけが知っているというのではフェアではない。こういうところから政治改革が必要です。

 ――内閣と与党による国会軽視は、いつごろから著しくなったとみますか。

 やはり(2012年末に自民…

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この記事を書いた人
藤田直央
編集委員|政治・外交・憲法
専門・関心分野
日本の内政・外交、近現代史
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    曽我豪
    (朝日新聞編集委員=政党政治、教育改革)
    2024年5月3日13時29分 投稿
    【視点】

    以前、コラムで紹介したこともありますが、安倍晋三氏は二度目の首相に就く際、憲法改正は優先順位の三番目だと言っていました。危機管理とデフレ脱却が先で、国民の支持を取り付けた後で処理する案件だ、と。拙速に保守主義改革を急ぎ過ぎて支持を失った一度

    …続きを読む