第2回神様だと思った人たちが…自信なく「これは合憲らしい」
【動画】安倍政権とはなんだったのか――。7年8カ月に及ぶ「最長政権」の権力の源泉が、人事権をフル活用した官僚の統治でした。その内幕を長期連載でひもときます。
法案作成に携わる各省の官僚にとって、前例を丁寧に調べ上げて法案に鋭く意見する内閣法制局のスタッフは「神様」だった。しかし、ある時を境に彼らは「普通の人」に変わる。
「未完の最長政権」第1部第2回
2014年12月下旬、防衛省内で内閣法制局の「変化」が話題になった。「彼らは当事者性がなくなったよな」「そうそう。法制局の参事官も部長も次長も、みんな三人称でしか語らなくなった。『これは合憲らしいです』『これは大丈夫らしいです』って。『らしい』って言われてもねえ」
その変化は、安全保障法制の法案についての協議の場で起きていた。翌15年の通常国会に向けて、どう条文を作るか、連日のように顔をつきあわせる中、内閣法制局の官僚たちが自信をなくしていると、防衛省の出席者たちは感じていた。
プレミアムA「未完の最長政権」
「1強」と呼ばれた安倍政権は、強い官邸をめざした改革の到達点だった。それは後手に回ったコロナ対応の遠因にもなった。安倍政権の内実に迫る長期連載です。
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