第5回30年続けた宝塚受験スクールを閉じて 代表OGが語る受験生の変化

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【連載】すみれの花はぐくんで 宝塚音楽学校110年

 今年6月、あるニュースが宝塚歌劇ファンや宝塚OGのあいだを駆け巡った。

 宝塚音楽学校への入学を目指す人たちが通う受験スクールのなかでも、その名を知られた「スタジオ トップハット」(兵庫県宝塚市)が、7月で閉校する――。

 1991年の創立以来、30年以上にわたり約90人のタカラジェンヌを送り出した名門スクールの突然の幕引きだった。今年3月には、同じく関西の有名受験スクール「ラヴニール未来」(同県芦屋市)も閉校している。老舗受験スクールの相次ぐ閉校は、関係者のあいだで「衝撃」をもって受けとめられ、SNS上には惜しむ声があふれた。

 6月下旬、トップハット代表の日比野桃子さん(75)を訪ねると、迷いのない言葉が返ってきた。

 「やりきりました。生徒に恵まれ、周りの人に恵まれた、ありがたい人生です」

教室を転々とした日々

 芸名はみさとけい。68年に宝塚歌劇団へ入団した54期生で、170・2センチという長身の男役スターだった。

 81年に退団後、歌劇団初の女性の演出助手になる。OGとしても初めてで、大きな期待を背負っていた。だが、父親のがんをきっかけに88年、舞台を離れることになった。

 宝塚から遠ざかってみて、分…

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