第1回拉致解決へ中国を巻き込め 田中均氏が「ミスターX」との交渉語る
北朝鮮の金正日(キム・ジョン・イル)総書記が小泉純一郎首相(ともに当時)に対して北朝鮮による日本人拉致を認めてから17日で21年となります。初の日朝首脳会談の結果、被害者5人が戻ってきましたが、その後は1人の帰国も実現していません。
日朝首脳会談に向けた秘密交渉はどのように行われたのでしょうか。なぜ拉致問題をめぐる日朝交渉は停滞しているのでしょうか。そして、どうすれば「解決済み」を主張する北朝鮮を動かし、事態を打開できるのでしょうか。日朝首脳会談の実現に向け、北朝鮮側と秘密交渉を重ねた田中均・元外務審議官に聞きました。
――北朝鮮との秘密交渉は、どういった経緯で始まったのですか。
私は01年9月に外務省アジア大洋州局長に就任し、戦後の懸案として残る北朝鮮との交渉を進めたいと考えました。
当時、首相だった小泉さんに「拉致・核・ミサイルの問題を解決し、朝鮮半島の平和を作りたい。そのために水面下の交渉に臨みたい」と申し上げました。小泉さんは「田中さん、それ、やってよ。しかし秘密厳守で」と言ってくれました。
■前任の局長の協議に出てきた…
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