第1回拉致解決へ中国を巻き込め 田中均氏が「ミスターX」との交渉語る

有料記事拉致問題の深層 当事者たちの証言

聞き手・鈴木拓也 高橋杏璃
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 北朝鮮の金正日(キム・ジョン・イル)総書記が小泉純一郎首相(ともに当時)に対して北朝鮮による日本人拉致を認めてから17日で21年となります。初の日朝首脳会談の結果、被害者5人が戻ってきましたが、その後は1人の帰国も実現していません。

 日朝首脳会談に向けた秘密交渉はどのように行われたのでしょうか。なぜ拉致問題をめぐる日朝交渉は停滞しているのでしょうか。そして、どうすれば「解決済み」を主張する北朝鮮を動かし、事態を打開できるのでしょうか。日朝首脳会談の実現に向け、北朝鮮側と秘密交渉を重ねた田中均・元外務審議官に聞きました。

 ――北朝鮮との秘密交渉は、どういった経緯で始まったのですか。

 私は01年9月に外務省アジア大洋州局長に就任し、戦後の懸案として残る北朝鮮との交渉を進めたいと考えました。

 当時、首相だった小泉さんに「拉致・核・ミサイルの問題を解決し、朝鮮半島の平和を作りたい。そのために水面下の交渉に臨みたい」と申し上げました。小泉さんは「田中さん、それ、やってよ。しかし秘密厳守で」と言ってくれました。

■前任の局長の協議に出てきた…

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    箱田哲也
    (朝日新聞記者=朝鮮半島担当)
    2023年9月17日14時58分 投稿
    【視点】

    北朝鮮との向き合い方、とりわけ拉致問題をめぐる田中均さんの考えや行動に対して、故・安倍晋三氏をはじめ、自称「右」の政治勢力が厳しい批判を加えてきた。  その面々は時に、北朝鮮に「けしからん」とだけ言い続けたり、常に日本政府が強硬姿勢で臨ま

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2023年9月17日17時23分 投稿
    【視点】

    田中氏が外務省の担当局長としてキーパーソンだった2002年の初の日朝首脳会談を、私は外務省担当として取材しました。04年には二度目の会談がありました。被害者やご家族を思うと本当に遺憾なことですが、日本人拉致問題はいまだに、帰国を果たせない被

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