政治スキャンダル報道 読者とともに考えるジャーナリズム確立を
山腰修三のメディア私評
自民党派閥の政治資金パーティー収入をめぐる事件は、1月19日に東京地検特捜部による捜査が事実上の終結を迎えた。新聞からテレビ、ネットに至るニュースメディアがこのスキャンダルを大々的に報じたのは周知の通りである。
ジャーナリズムが民主主義において果たす最も重要な役割とは、このような政治スキャンダルを暴くことだという考え方もあるだろう。確かにそれは、多くの人々の政治への関心を瞬間風速的に高める。そして報道を通じて形成される世論のうねりが政治の変革をもたらす場合もある。
その一方で、繰り返されるスキャンダル報道の積み重ねが政治不信を高め、政治への冷笑主義や無関心、無力感の広がりを生み出すという考え方もある。スキャンダル報道が民主主義にとってこのような相矛盾する機能を果たす要因は、それが人々を政治に対する「観客」にしてしまうからにほかならない。
スキャンダル報道は多くの場…
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